33 / 60
ミッションを与える
しおりを挟む
「お願い。サルバドールさんが今どこにいるか教えて!」
私は必死になって聞いた。
「ふふふ。そんなに焦らずに。
どうしてそんなにサルバドールにこだわるのですか?」
「それは、仲間だからです。
私がここから出るということに手伝ってくれた。自分にもリスクがあるのに手伝ってくれた。
私はここから出たい理由が単に苦しいからとかじゃなく、手伝ってくれたサルバドールさんが無駄にならないようにするために変わっている。
だから、教えて。サルバドールさんの居場所を!」
私は思いの丈を存分に打ち明ける。
まるで告白するようなテンションで。
言っていることは本心だった。
サルバドールさんを裏切りたくない。そう言う気持ちは私の中でどんどんと強くなっていた。
「わかりました。じゃあ、あなたがサルバドールと一緒にここから出ます。
その後に私と住む。これならいいでしょう。」
「そ、そうね。じゃあ受け入れるわ。
じゃあ早く、サルバドールさんをここに連れてきて!」
「はいはいわかりましたよ。」
そう言い、ミミックはここから出て行く。
急すぎる。やっとことが落ち着いて、またもう一度脱出に向けて、話し合おうと言う時に。
私は何もできないんだ。
ここから出ることもできず、頼ってばっかり。
そんな自分を恥じた。
でも、だからこそ今回の件で何かサルバドールさんに恩を返したい。
ガチャ
扉が開く。
奥からミミックが戻ってくる。
そこにはリードをつけられ、意識を失った状態で引きずられているサルバドールさんがいた。
「何、これ...?」
「おっとご安心を。サルバドールは死んではいません。今、こいつは意識を失っていて、48時間後には目を覚ますでしょう。」
「48時間...?」
「ええそうです。なのであなたにミッションを与えましょう。
この館の3階にある、マリアの部屋。
そこからマルクの写真を持ってきなさい。」
「マルク!?あなた、マルクを知っているの?」
「もちろん。だってこの国の王子なんだから知っていて当然でしょう。」
言われてみればそうだ。マルクは王子様なんだ。
それを言われ、一気に私の中の密かな願いが壊れた気がした。
所詮は一般人の私なんかマルクは...。
「それを持ってきたらいいのね。」
「ええ。もし、48時間以内に、持って来れなければこのサルバドールはもうあなたを見ることなくあの世に逝ってしまうと言うわけですね。」
「そんな...。」
「まあまあ。そんな焦らずに。単なるゲームですから。楽しみましょうよ。
あ、これマリアの部屋の鍵とこの牢獄の鍵です。
くれぐれも警備員に見つからないように。」
「マリアは部屋にいるの?」
「いや、マリアは今この館にはいません。」
「え!?」
「何か急用でしょう。一昨日くらいからいなくなりました。」
まただ。私の中でまた嫌な予感がした。
私は必死になって聞いた。
「ふふふ。そんなに焦らずに。
どうしてそんなにサルバドールにこだわるのですか?」
「それは、仲間だからです。
私がここから出るということに手伝ってくれた。自分にもリスクがあるのに手伝ってくれた。
私はここから出たい理由が単に苦しいからとかじゃなく、手伝ってくれたサルバドールさんが無駄にならないようにするために変わっている。
だから、教えて。サルバドールさんの居場所を!」
私は思いの丈を存分に打ち明ける。
まるで告白するようなテンションで。
言っていることは本心だった。
サルバドールさんを裏切りたくない。そう言う気持ちは私の中でどんどんと強くなっていた。
「わかりました。じゃあ、あなたがサルバドールと一緒にここから出ます。
その後に私と住む。これならいいでしょう。」
「そ、そうね。じゃあ受け入れるわ。
じゃあ早く、サルバドールさんをここに連れてきて!」
「はいはいわかりましたよ。」
そう言い、ミミックはここから出て行く。
急すぎる。やっとことが落ち着いて、またもう一度脱出に向けて、話し合おうと言う時に。
私は何もできないんだ。
ここから出ることもできず、頼ってばっかり。
そんな自分を恥じた。
でも、だからこそ今回の件で何かサルバドールさんに恩を返したい。
ガチャ
扉が開く。
奥からミミックが戻ってくる。
そこにはリードをつけられ、意識を失った状態で引きずられているサルバドールさんがいた。
「何、これ...?」
「おっとご安心を。サルバドールは死んではいません。今、こいつは意識を失っていて、48時間後には目を覚ますでしょう。」
「48時間...?」
「ええそうです。なのであなたにミッションを与えましょう。
この館の3階にある、マリアの部屋。
そこからマルクの写真を持ってきなさい。」
「マルク!?あなた、マルクを知っているの?」
「もちろん。だってこの国の王子なんだから知っていて当然でしょう。」
言われてみればそうだ。マルクは王子様なんだ。
それを言われ、一気に私の中の密かな願いが壊れた気がした。
所詮は一般人の私なんかマルクは...。
「それを持ってきたらいいのね。」
「ええ。もし、48時間以内に、持って来れなければこのサルバドールはもうあなたを見ることなくあの世に逝ってしまうと言うわけですね。」
「そんな...。」
「まあまあ。そんな焦らずに。単なるゲームですから。楽しみましょうよ。
あ、これマリアの部屋の鍵とこの牢獄の鍵です。
くれぐれも警備員に見つからないように。」
「マリアは部屋にいるの?」
「いや、マリアは今この館にはいません。」
「え!?」
「何か急用でしょう。一昨日くらいからいなくなりました。」
まただ。私の中でまた嫌な予感がした。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢のはずですが、年上王子が幼い頃から私を甘やかす気でいました
ria_alphapolis
恋愛
私は、悪役令嬢なのかもしれない。
王子の婚約者としては少し我儘で、周囲からは気が強いと思われている――
そんな自分に気づいた日から、私は“断罪される未来”を恐れるようになった。
婚約者である年上の王子は、今日も変わらず優しい。
けれどその優しさが、義務なのか、同情なのか、私にはわからない。
距離を取ろうとする私と、何も言わずに見守る王子。
両思いなのに、想いはすれ違っていく。
けれど彼は知っている。
五歳下の婚約者が「我儘だ」と言われていた幼い頃から、
そのすべてが可愛くて仕方なかったことを。
――我儘でいい。
そう決めたのは、ずっと昔のことだった。
悪役令嬢だと勘違いしている少女と、
溺愛を隠し続ける年上王子の、すれ違い恋愛ファンタジー。
※溺愛保証/王子視点あり/幼少期エピソードあり
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
『嫌われ令嬢ですが、最終的に溺愛される予定です』
由香
恋愛
貴族令嬢エマは、自分が周囲から嫌われていると信じて疑わなかった。
婚約者である侯爵令息レオンからも距離を取られ、冷たい視線を向けられている――そう思っていたのに。
ある日、思いがけず聞いてしまった彼の本音。
「君を嫌ったことなど、一度もない」
それは誤解とすれ違いが重なっただけの、両片思いだった。
勘違いから始まる、甘くて優しい溺愛恋物語。
目覚めたら大好きなアニメの悪役令嬢でしたが、嫌われないようにしただけなのに全員から溺愛されています
月影みるく
恋愛
目を覚ましたら、大好きだったアニメの世界。
しかも私は、未来で断罪される運命の悪役令嬢になっていた。
破滅を回避するために決めたことはただ一つ――
嫌われないように生きること。
原作知識を頼りに穏やかに過ごしていたはずなのに、
なぜか王族や騎士、同年代の男女から次々と好意を向けられ、
気づけば全員から溺愛される状況に……?
世界に一人しかいない光属性を持つ悪役令嬢が、
無自覚のまま運命と恋を変えていく、
溺愛必至の異世界転生ラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる