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まったり地球での生活編
名探偵ムー太の事件簿(中編)
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人通りの少ない閑静な住宅街。
魔力の帯を追って、ムー太はぴょこぴょこと進む。
一メートル上空をふよふよと煙のように漂う帯を追っていると、自然と空を見上げる形になってしまい、前方への注意が疎かとなる。そんな隙を突いて、猛スピードで鉄の馬車が突っ込んできた。それは自動車と呼ばれる文明の利器であることをムー太は知っている。
「むきゅう!?」
弾き飛ばされる分にはいいけれど、踏み潰されては堪らない。危機一髪。紙一重でムー太は横に跳び、難を逃れた。
どうやら道の真ん中は危険であるらしい。野生の世界においても、強者は堂々と道の真ん中を歩き、弱者はその機嫌を損ねないように、こうべを垂れて端っこを歩む。弱肉強食を了解したムー太は、逆らうことなく白線の内側を歩くことにした。
本能に従ったこの行動により、ムー太は歩道を進むことになったので、自然と車の脅威は遠ざかった。時折、ビューンとエンジン音と風切り音を残して、すぐ隣を車が通過していくけれど、実害はない。車に轢かれそうになった当初こそは怯えていたムー太も、今では車体の色や形状を観察できるだけの余裕を取り戻した。
とはいえ、外の世界へ飛び出したムー太にとっての脅威は、自動車だけではなかった。人通りの少ない閑静な住宅街とはいえ、まったく人通りがないわけではない。まばらではあるが人の姿はあり、その往来はそこそこの頻度でやってくる。
そのたびに、ムー太は七海から伝授してもらったお地蔵さんの術を使い、ぬいぐるみのフリをしてやり過ごす。お地蔵さんの術とは、石のように体を硬直させ微動だにしないことで、自然に溶け込み敵を欺く擬態の術である。
実のところを言えば、この術は七海がムー太と一緒に出かけるために教えたものだった。その前提となるのはもちろん、彼女の腕の中にムー太がいるというもの。従って、今回のようにムー太が一人で出歩く事態は想定されていない。その有効性が保証されていないとも知らずに、ムー太は律儀に教えを守っているのだ。
そんな真面目なムー太の努力は実を結び、道行く人々は地面に転がるぬいぐるみに興味を示すことなく通り過ぎていく。買い物袋をぶら下げるオバさん、作業着服姿のお兄さん、スーツを着込んだセールスマン、腰の折れ曲がった老人、大学生風の若者……と。
順調な行進がしばらく続き、だんだんとムー太は楽しくなってきた。テレビで見た忍者を真似てボンボンを縦に重ねてポーズを取り、「むきゅむきゅ」などと言いながらお地蔵さんの術を使う。すると、人々はムー太がそこに居ないものとして振舞ってくれる。それが何だかとても面白い。
気分はさながら秘密基地に潜入したスパイの如し。
しかし、スパイ映画にはトラブルが付き物だ。どれだけ完璧に潜んでいたとしても、時には些細なミスで、あるいは仲間の迂闊な行動で、もしくは思いもよらない偶然によって、発見されてしまうのがお約束だ。
例に漏れず、快進撃を続けるムー太もまたトラブルに見舞われることになる。
前方からやってきた子犬連れの中年女性が、すぐ目の前で不意に足を止めた。いや、より正確に伝えるならば、子犬が立ち止まって動かなくなったので、それに合わせて足を止めたというのが正しい。そして次の瞬間、訝しげにムー太を睨み付けていた子犬が、威嚇するようにして吠え出した。
「ワンワン! ワンワワン!!」
「あらあら、どうしたのベティちゃん。お痛はダメよお」
子犬は牙を剥き、今にもこちらへ突進してきそうな剣幕だ。その手綱を握る中年女性は「ああ、困った」という表情を浮かべてはいるものの、本気で止めようとはしていない。その証拠に、子犬との間合いが少しずつ詰まってきている。
サイズから言えば、ムー太のほうが子犬よりも二回りほど大きい。見た目だけで判断するなら、単純な力比べはムー太に分がありそうではある。しかし、そこは平和主義のムー太のこと。勝てそうだからといって強く出たりはしない。相手を刺激しないように小さく縮こまり、今にもボンボンで目を覆ってしまいそうな有様だ。
自分より小さな犬に吠えられて萎縮する様は、実にムー太らしいと言えるだろう。と、間合いが五十センチを切った辺りで、子犬の前進がピタリと止んだ。しかし、騒々しい威嚇の咆哮は止むことなく続いている。襲ってくるわけでもなく、その場で威嚇され続けるのは、ムー太にとって初めての経験だった。
一体、何が気に食わないのだろうか。気に障ることをしてしまったのだろうか。考えてみても答えは見つからない。大きな声で威嚇されるのは苦手だ。一分一秒がとても長く感じる。延々と脅され続けるのは地獄のようだった。
一方的な睨み合いの末に、耐え切れなくなったムー太は逃げ出すことに決めた。子犬は手綱を握られているので、すぐには追いかけて来れないだろう。素早く身を翻し、踵を返す。脇目も振らずに撤退を決め込むと、後ろから子犬の遠吠えが追いかけてきた。恐ろしい。
「むきゅううう」
ボンボンを振り乱し、後ろは振り返らずに真っ直ぐ駆ける。
早く声の届かないところまで逃げたかった。
懸命に前へ前へと進むムー太は、ちょっぴり涙目だ。
けれども、ムー太の受難はこれで終わらなかった。前方から、今度は別の犬がのっしのっしと歩いてきたのだ。
ボンボンを驚きに立たせて緊急停止。その犬はムー太よりも大きい中型犬で、吠えられたらきっとさっきよりも怖いに違いない。トラブルになる前に回れ右。早々に逃げ出そうとしたところで、ムー太ははたと気づいた。
ここは分岐のない一本道。来た道を引き返せば、さきほどの子犬と顔を合わせることになる。されど前へ進めば、子犬よりも恐ろしい強面の犬と相見えることになってしまう。それにあの牙、噛まれでもしたら相当に痛そうだ。
進退窮まり、ムー太はその場から動けなくなってしまった。
逃げ場を求めて、辺りを見回す。
抜け道はない。一本道だ。
塀の向こう側、どこかのお宅の庭先に逃げ込んだらどうだろう。
しかし、一軒一軒の住宅の門戸は堅く閉ざされている。その背丈は一メートルを超えており、ムー太のジャンプ力では飛び越えることは難しい。それでもよくよく観察してみれば、門戸の種類は様々だった。頑丈な鋼鉄製のもの、趣のある木目が印象的なもの、牢獄のような格子状のもの……等々。
そこでムー太は閃いた。
あの格子の隙間から中へ入れるのではないか。
格子状の門戸の隙間は、大よそ二十センチ間隔といったところ。お尻に火が付いた状態のムー太は、思いついたままに格子の隙間に突撃した。柔らかな体を変形させて通り抜ける――つもりが途中で引っ掛かってしまった。
これでは自由を奪われ拘束されたようなものだ。後ろから見たら、さぞかし無防備に映ることだろう。こんなところを襲われたら一巻の終わりである。お尻を噛まれたら痛いに違いない。
先ほどの中型犬が近づく気配が背中越しに伝わってくる。鋭利な牙から唾液を滴らせ、大きな口を開けた狂犬の姿が脳裏を過ぎる。
途端、ムー太はパニックに陥った。
「むきゅううう」
ひょうたんの形に歪んだ体をぐりぐりと動かす。
「むきゅうううううう」
半べそをかきながら、お尻を振り子のように動かす。
「むきゅううううううううう」
一心不乱に暴れていると、不意にすぽんと体がすっぽ抜けた。
コロコロと庭先の芝の上へ転がる。
勢いのついた丸い体はなかなか止まらない。
と思ったら、何か柔らかなものにぶつかって停止した。
身を起こすと、視界いっぱいに赤金色のつやの良い毛並みが広がっていた。
「むきゅう?」
ぽふぽふ、と体に付いた埃を払い落とす。そしてもう一度、目の前にあるモフモフの壁を見上げてみる。と、それは大きな大きな犬だった。その大型犬がゴールデンレトリバーと呼ばれる犬種であることをムー太は知らない。寝そべる形で横になっていたその犬は、胡乱そうな目つきでこちらを見つめている。
「むきゅう!?」
ムー太は盛大に驚いた。なんということだろう。中型犬を恐れて逃げ込んだ先は、あろうことか大型犬の縄張りだったのだ。
先ほどの子犬と違い、目の前のゴールデンレトリバーには、しなやかな筋肉が携えられているようである。駆けっこになれば、ムー太に勝ち目はないだろう。しかも、外へ脱出するためには再びあの門戸を通り抜けなければならない。挟まったら最後、今度こそ噛み付かれてしまう。
万事休す。そう思っていると、ゴールデンレトリバーは訝しげな視線をすっと外した。見事に整った赤金色の毛並みを大きく震わせて、眠たそうに大きな欠伸を一つ。そして、耳をぺたんと寝かせて目を瞑ると、芝を布団代わりにお昼寝を始めてしまった。
襲ってくる気配はない。ゴールデンレトリバーは完全に沈黙している。てっきり、襲われるものとばかり思い込んでいたムー太は、拍子抜けして腰を抜かしてしまった。
「ニャーン」
その時、後ろから鈴の音によく似た鳴き声が聴こえた。
振り返ろうにも思うように体を動かせない。
芝を踏みしめる音が一直線に近づいてくる。
足音に反応して自然とボンボンが揺れる。
すると突如、ゆっくりだった足音の間隔が狭まった。それはつまり、足音の主が駆け足になったことを意味する。ガサガサと芝を踏みしめる音が迫り、ムー太は警戒に体を強張らせた。次の瞬間――
バチン、とボンボンが勢いよく弾かれた。
ムー太は驚いて飛び上がり、後ろを向いた。
そこに居たのは黒い猫だった。
黒猫はムー太を気にすることもなく、マイペースに毛繕いを始めた。その様子からは警戒心や敵意といったものは感じられない。後ろで眠っている大きな犬にしろ、目の前で毛並みを整え始めた黒猫にしろ、危害を加えるつもりならもっと敵意を剥き出しにしているはずである。
どうやら攻撃を受けたわけではなさそうだ。
では、なぜボンボンは弾かれたのだろうか?
庭には他に生き物の姿は見当たらない。ムー太は疑問に頭を悩ませる。
とはいえ、友好的に話が進むのならば、それはムー太にとって、これ以上ないほどに喜ばしいことである。前足で顔を洗う仕草をしている黒猫へ向けて、ムー太は友好の印にボンボンを差し出してみた。しかし、
――猫パンチ。
ボンボンは勢い良く弾かれた。
「むきゅっ!?」
振り子の原理で行って戻って来たボンボンへ向けて、再び黒猫がパンチを繰り出す。そして、又してもボンボンが弾かれる。弧を描き、先程と同じ軌跡を辿りつつ元の位置へとボンボンは戻り――トドメとばかりに三度目の猫パンチ。
ポーン、ポーンとサンドバッグのように何度も何度も弾かれた。デリケートな部分を攻撃されて、ムー太はちょっぴりお冠だ。
「むきゅううう!」
後ろへ飛び退り、抗議の意味を込めてボンボンをピコピコと動かした。しかし、その抗議活動が気に入らなかったのか、黒猫は一瞬で間合いを詰めると素早い右フックを一閃させた。プンスカと動いていたボンボンは成す術なく弾かれてしまう。
抗議を聞き入れて貰えず、ボンボンへの集中攻撃を浴びて、ムー太は堪らずに逃げ出した。しかしその後を黒猫は追いかけて来て、ボンボンへ猛烈なアタックを仕掛けてくる。
ぺしっぺしっぺしっ!
「むきゅうううううう」
親の敵を付狙うかのように執拗な猫パンチが追ってくる。逃げ場のないムー太は庭先を八の字に逃げ回り続けた。ぐるぐると何周かした時、
「ワウォン」
地鳴りを思わせる低音で体の芯を震わせるような鳴き声が耳に届いた。
その中に含まれる怒気のようなものを感じ取り、ムー太はその場で緊急停止。黒猫も同じように硬直して立ち止まった。視線を声のした方へ移せば、先程の大型犬がこちらへ向かって歩いてくるところだった。
睡眠を妨害されて怒っているのだろうか。だとすれば、その矛先は自分と黒猫に向いているはずである。ちらりと横を覗くと、黒猫が緊張に背をピンと伸ばしているのが見えた。やはりそうなのだ。ムー太はボンボンでごめんなさいのポーズを取って、謝罪の意志を伝えることにした。
「ワウォン」
もう一度、ゴールデンレトリバーは叱るようにして吠えた。そうしてびくっと身を竦ませたムー太の元までやって来ると、かぷっと頭を噛んだ。甘噛みだった。そして、その大きな体を横たえてムー太を包むようにして陣取った。
抱き枕にでもするつもりだろうか?
「むきゅう?」
黒猫はいつの間にか二人から距離を取って、毛繕いを再開している。ボンボンを動かしても、もう襲って来ないようだ。
そこでようやく、助けて貰えたのだということをムー太は理解した。何もこの犬は、ムー太を抱き枕にしているわけではない。きっと猫から守るために、わざわざこうしていてくれるのだ。
ムー太は嬉しくなって笑顔になると、立派な赤金色の毛並みをぽふぽふと叩いて感謝の意を伝えた。その意図が伝わったかは不明だが、ゴールデンレトリバーはくすぐったそうに目を細めた。
しばらくの間、一緒にくっ付いて過ごすことにした。
お互い、柔らかな毛に覆われているので、こたつの中みたいに暖かかった。
正午を過ぎた晴天の下、平和で優しい時間が流れている。
ムー太もだんだんと眠くなってきて、うとうとし始めた。その時だった。
「サンダース! ご飯だよー」
庭いっぱいに若い女性の声が響き渡ると、寄り掛かっていた大きな背中がぴくりと動いた。ムー太が目を覚ますと、ゴールデンレトリバーはむくっと起き上がり「ワン」と一鳴きしてから、玄関の方へと歩き出した。その後ろに付き従う形で黒猫も続いている。
一人取り残されるのは寂しかったので、ムー太は二人の後を付いて行くことにした。ぴょこぴょこと駆け出すと、後ろを振り返ったゴールデンレトリバーが、ムー太のペースに合わせて歩みのスピードを落としてくれた。
玄関先の石畳の上にはアルミニウムのお皿が置かれ、その中には何やらお肉らしき塊が入っていた。ムー太が頭を捻っていると、犬と猫はお皿に顔を突っ込んでガブガブと中にあるものを食べ始めた。どうやら食べ物であるらしい。
ぐきゅう、とお腹が鳴った。
よく思い出してみると、お昼ご飯をまだ食べていない。
ムー太は羨ましそうに二人の食事風景を見つめる。
帰ってご飯を食べたいな、と思った。けれど、髪飾り泥棒を捕まえるまでは家に帰るわけにはいかない。ムー太は遠征の理由を思い出し、その場をそっと去ることにした。しかし、踵を返そうとすると、後ろから「ワン」と呼び止められた。
振り返ると、お皿から顔を上げたゴールデンレトリバーがこっちへ来いと首の動きだけで促している。ムー太が迷っていると、
「サンダースの兄貴が飯をご馳走してくれるって言ってんにゃ。早く来るにゃ」
それは確かに人間の言葉だった。
そしてその発生源は、ついさきほど意地悪をしてきたあの黒猫だった。
ムー太が驚いていると、苛立たしげに黒猫が言った。
「考える前に来るにゃ。そして食えにゃ。話はそれからだにゃん」
猫がしゃべっている。その事自体、ムー太は不思議に思わなかった。魔物だって人語をしゃべれるようになるのだから、同じように猫だってしゃべれるようになるのだろう。そのぐらいの認識でしかない。
そんなことよりも、ムー太にとって重要だったのは、ご飯を一緒に食べても良いというお許しを貰えたことだった。
「むきゅう!」
誘いに応えようと元気よく鳴いて、ムー太は弾むような足取りで食事の席へ着いた。二人が食べているミンチ肉のようなものは、どんな味がするのだろうか。期待と一緒に丸い体も膨らんだ。
ムー太はボンボンを使って食事を取る習性を持っている。けれども、一つの食べ物をみんなで分け合うような今回のケースでは、ボンボンで自分の分を確保するのは無粋である気がした。なので、先人たちを真似てムー太はお皿の中に顔を突っ込んで、肉のミンチらしきものにかぶりついた。
少し薄味ではあるものの、その分肉の旨味を味わうことができて、これがなかなか美味しい。七海が作る料理よりも味はシンプルだけれど、単純な味だからこそ素材の味が生かされるのである。
時間を忘れて、ムー太はもぐもぐと口を動かした。
宴もたけなわ。その顔はにっこり笑顔だ。
お皿の中のミート肉はあっという間になくなってしまい、ムー太は名残惜しそうに口の周りをペロっと舐める。と、頭上から、
「あれ、一匹増えてる!? サンダース、あんたまた友達連れてきたわけ?」
「ワン!」
腰に手を当て、呆れたように声を掛けてきたのは大学生ぐらいのお姉さんだった。彼女は煙草に火を付けて、ゆっくりと紫煙を吐き出すとため息混じりに言った。
「仕方ないね。あんたでかいんだから、それだけじゃ足りないでしょ。待ってな」
「ワン!」
「ニャーン!」
「むきゅう!」
他の二匹が鳴いたので、ムー太も慌てて鳴いた。
お姉さんは苦笑いすると家の中へと引っ込んで、缶詰を二つ手にして戻って来た。アルムニウムのお皿の上へと中身をひっくり返し、
「さぁ、お食べ」
許しが出ると、先を争うようにして先輩二人ががっつき始めた。
ムー太も負けじと参戦する。
野生の世界において、他者に食べ物を分け与えるという行為は稀である。ムー太も食うに困ったことは数多くあったけれど、誰も助けてはくれなかった。そんな中、唯一手を差し伸べてくれたのが七海である。彼女との関係は――友達だ。
もぐもぐと口を動かしながら、ムー太は閃いた。
仲良くしたい者と交わす契約が『友達になる』というものだ。そして友達になったら、貴重な食料をご馳走するのが習わしだ。先ほど、お姉さんはこう言っていた。「サンダース、あんたまた友達連れてきたわけ?」と。つまり、サンダースという犬は、ムー太と友達になったのだ。
「むきゅう!」
ムー太は了解し、三人目の友達へ向けて嬉しそうに鳴いた。
魔力の帯を追って、ムー太はぴょこぴょこと進む。
一メートル上空をふよふよと煙のように漂う帯を追っていると、自然と空を見上げる形になってしまい、前方への注意が疎かとなる。そんな隙を突いて、猛スピードで鉄の馬車が突っ込んできた。それは自動車と呼ばれる文明の利器であることをムー太は知っている。
「むきゅう!?」
弾き飛ばされる分にはいいけれど、踏み潰されては堪らない。危機一髪。紙一重でムー太は横に跳び、難を逃れた。
どうやら道の真ん中は危険であるらしい。野生の世界においても、強者は堂々と道の真ん中を歩き、弱者はその機嫌を損ねないように、こうべを垂れて端っこを歩む。弱肉強食を了解したムー太は、逆らうことなく白線の内側を歩くことにした。
本能に従ったこの行動により、ムー太は歩道を進むことになったので、自然と車の脅威は遠ざかった。時折、ビューンとエンジン音と風切り音を残して、すぐ隣を車が通過していくけれど、実害はない。車に轢かれそうになった当初こそは怯えていたムー太も、今では車体の色や形状を観察できるだけの余裕を取り戻した。
とはいえ、外の世界へ飛び出したムー太にとっての脅威は、自動車だけではなかった。人通りの少ない閑静な住宅街とはいえ、まったく人通りがないわけではない。まばらではあるが人の姿はあり、その往来はそこそこの頻度でやってくる。
そのたびに、ムー太は七海から伝授してもらったお地蔵さんの術を使い、ぬいぐるみのフリをしてやり過ごす。お地蔵さんの術とは、石のように体を硬直させ微動だにしないことで、自然に溶け込み敵を欺く擬態の術である。
実のところを言えば、この術は七海がムー太と一緒に出かけるために教えたものだった。その前提となるのはもちろん、彼女の腕の中にムー太がいるというもの。従って、今回のようにムー太が一人で出歩く事態は想定されていない。その有効性が保証されていないとも知らずに、ムー太は律儀に教えを守っているのだ。
そんな真面目なムー太の努力は実を結び、道行く人々は地面に転がるぬいぐるみに興味を示すことなく通り過ぎていく。買い物袋をぶら下げるオバさん、作業着服姿のお兄さん、スーツを着込んだセールスマン、腰の折れ曲がった老人、大学生風の若者……と。
順調な行進がしばらく続き、だんだんとムー太は楽しくなってきた。テレビで見た忍者を真似てボンボンを縦に重ねてポーズを取り、「むきゅむきゅ」などと言いながらお地蔵さんの術を使う。すると、人々はムー太がそこに居ないものとして振舞ってくれる。それが何だかとても面白い。
気分はさながら秘密基地に潜入したスパイの如し。
しかし、スパイ映画にはトラブルが付き物だ。どれだけ完璧に潜んでいたとしても、時には些細なミスで、あるいは仲間の迂闊な行動で、もしくは思いもよらない偶然によって、発見されてしまうのがお約束だ。
例に漏れず、快進撃を続けるムー太もまたトラブルに見舞われることになる。
前方からやってきた子犬連れの中年女性が、すぐ目の前で不意に足を止めた。いや、より正確に伝えるならば、子犬が立ち止まって動かなくなったので、それに合わせて足を止めたというのが正しい。そして次の瞬間、訝しげにムー太を睨み付けていた子犬が、威嚇するようにして吠え出した。
「ワンワン! ワンワワン!!」
「あらあら、どうしたのベティちゃん。お痛はダメよお」
子犬は牙を剥き、今にもこちらへ突進してきそうな剣幕だ。その手綱を握る中年女性は「ああ、困った」という表情を浮かべてはいるものの、本気で止めようとはしていない。その証拠に、子犬との間合いが少しずつ詰まってきている。
サイズから言えば、ムー太のほうが子犬よりも二回りほど大きい。見た目だけで判断するなら、単純な力比べはムー太に分がありそうではある。しかし、そこは平和主義のムー太のこと。勝てそうだからといって強く出たりはしない。相手を刺激しないように小さく縮こまり、今にもボンボンで目を覆ってしまいそうな有様だ。
自分より小さな犬に吠えられて萎縮する様は、実にムー太らしいと言えるだろう。と、間合いが五十センチを切った辺りで、子犬の前進がピタリと止んだ。しかし、騒々しい威嚇の咆哮は止むことなく続いている。襲ってくるわけでもなく、その場で威嚇され続けるのは、ムー太にとって初めての経験だった。
一体、何が気に食わないのだろうか。気に障ることをしてしまったのだろうか。考えてみても答えは見つからない。大きな声で威嚇されるのは苦手だ。一分一秒がとても長く感じる。延々と脅され続けるのは地獄のようだった。
一方的な睨み合いの末に、耐え切れなくなったムー太は逃げ出すことに決めた。子犬は手綱を握られているので、すぐには追いかけて来れないだろう。素早く身を翻し、踵を返す。脇目も振らずに撤退を決め込むと、後ろから子犬の遠吠えが追いかけてきた。恐ろしい。
「むきゅううう」
ボンボンを振り乱し、後ろは振り返らずに真っ直ぐ駆ける。
早く声の届かないところまで逃げたかった。
懸命に前へ前へと進むムー太は、ちょっぴり涙目だ。
けれども、ムー太の受難はこれで終わらなかった。前方から、今度は別の犬がのっしのっしと歩いてきたのだ。
ボンボンを驚きに立たせて緊急停止。その犬はムー太よりも大きい中型犬で、吠えられたらきっとさっきよりも怖いに違いない。トラブルになる前に回れ右。早々に逃げ出そうとしたところで、ムー太ははたと気づいた。
ここは分岐のない一本道。来た道を引き返せば、さきほどの子犬と顔を合わせることになる。されど前へ進めば、子犬よりも恐ろしい強面の犬と相見えることになってしまう。それにあの牙、噛まれでもしたら相当に痛そうだ。
進退窮まり、ムー太はその場から動けなくなってしまった。
逃げ場を求めて、辺りを見回す。
抜け道はない。一本道だ。
塀の向こう側、どこかのお宅の庭先に逃げ込んだらどうだろう。
しかし、一軒一軒の住宅の門戸は堅く閉ざされている。その背丈は一メートルを超えており、ムー太のジャンプ力では飛び越えることは難しい。それでもよくよく観察してみれば、門戸の種類は様々だった。頑丈な鋼鉄製のもの、趣のある木目が印象的なもの、牢獄のような格子状のもの……等々。
そこでムー太は閃いた。
あの格子の隙間から中へ入れるのではないか。
格子状の門戸の隙間は、大よそ二十センチ間隔といったところ。お尻に火が付いた状態のムー太は、思いついたままに格子の隙間に突撃した。柔らかな体を変形させて通り抜ける――つもりが途中で引っ掛かってしまった。
これでは自由を奪われ拘束されたようなものだ。後ろから見たら、さぞかし無防備に映ることだろう。こんなところを襲われたら一巻の終わりである。お尻を噛まれたら痛いに違いない。
先ほどの中型犬が近づく気配が背中越しに伝わってくる。鋭利な牙から唾液を滴らせ、大きな口を開けた狂犬の姿が脳裏を過ぎる。
途端、ムー太はパニックに陥った。
「むきゅううう」
ひょうたんの形に歪んだ体をぐりぐりと動かす。
「むきゅうううううう」
半べそをかきながら、お尻を振り子のように動かす。
「むきゅううううううううう」
一心不乱に暴れていると、不意にすぽんと体がすっぽ抜けた。
コロコロと庭先の芝の上へ転がる。
勢いのついた丸い体はなかなか止まらない。
と思ったら、何か柔らかなものにぶつかって停止した。
身を起こすと、視界いっぱいに赤金色のつやの良い毛並みが広がっていた。
「むきゅう?」
ぽふぽふ、と体に付いた埃を払い落とす。そしてもう一度、目の前にあるモフモフの壁を見上げてみる。と、それは大きな大きな犬だった。その大型犬がゴールデンレトリバーと呼ばれる犬種であることをムー太は知らない。寝そべる形で横になっていたその犬は、胡乱そうな目つきでこちらを見つめている。
「むきゅう!?」
ムー太は盛大に驚いた。なんということだろう。中型犬を恐れて逃げ込んだ先は、あろうことか大型犬の縄張りだったのだ。
先ほどの子犬と違い、目の前のゴールデンレトリバーには、しなやかな筋肉が携えられているようである。駆けっこになれば、ムー太に勝ち目はないだろう。しかも、外へ脱出するためには再びあの門戸を通り抜けなければならない。挟まったら最後、今度こそ噛み付かれてしまう。
万事休す。そう思っていると、ゴールデンレトリバーは訝しげな視線をすっと外した。見事に整った赤金色の毛並みを大きく震わせて、眠たそうに大きな欠伸を一つ。そして、耳をぺたんと寝かせて目を瞑ると、芝を布団代わりにお昼寝を始めてしまった。
襲ってくる気配はない。ゴールデンレトリバーは完全に沈黙している。てっきり、襲われるものとばかり思い込んでいたムー太は、拍子抜けして腰を抜かしてしまった。
「ニャーン」
その時、後ろから鈴の音によく似た鳴き声が聴こえた。
振り返ろうにも思うように体を動かせない。
芝を踏みしめる音が一直線に近づいてくる。
足音に反応して自然とボンボンが揺れる。
すると突如、ゆっくりだった足音の間隔が狭まった。それはつまり、足音の主が駆け足になったことを意味する。ガサガサと芝を踏みしめる音が迫り、ムー太は警戒に体を強張らせた。次の瞬間――
バチン、とボンボンが勢いよく弾かれた。
ムー太は驚いて飛び上がり、後ろを向いた。
そこに居たのは黒い猫だった。
黒猫はムー太を気にすることもなく、マイペースに毛繕いを始めた。その様子からは警戒心や敵意といったものは感じられない。後ろで眠っている大きな犬にしろ、目の前で毛並みを整え始めた黒猫にしろ、危害を加えるつもりならもっと敵意を剥き出しにしているはずである。
どうやら攻撃を受けたわけではなさそうだ。
では、なぜボンボンは弾かれたのだろうか?
庭には他に生き物の姿は見当たらない。ムー太は疑問に頭を悩ませる。
とはいえ、友好的に話が進むのならば、それはムー太にとって、これ以上ないほどに喜ばしいことである。前足で顔を洗う仕草をしている黒猫へ向けて、ムー太は友好の印にボンボンを差し出してみた。しかし、
――猫パンチ。
ボンボンは勢い良く弾かれた。
「むきゅっ!?」
振り子の原理で行って戻って来たボンボンへ向けて、再び黒猫がパンチを繰り出す。そして、又してもボンボンが弾かれる。弧を描き、先程と同じ軌跡を辿りつつ元の位置へとボンボンは戻り――トドメとばかりに三度目の猫パンチ。
ポーン、ポーンとサンドバッグのように何度も何度も弾かれた。デリケートな部分を攻撃されて、ムー太はちょっぴりお冠だ。
「むきゅううう!」
後ろへ飛び退り、抗議の意味を込めてボンボンをピコピコと動かした。しかし、その抗議活動が気に入らなかったのか、黒猫は一瞬で間合いを詰めると素早い右フックを一閃させた。プンスカと動いていたボンボンは成す術なく弾かれてしまう。
抗議を聞き入れて貰えず、ボンボンへの集中攻撃を浴びて、ムー太は堪らずに逃げ出した。しかしその後を黒猫は追いかけて来て、ボンボンへ猛烈なアタックを仕掛けてくる。
ぺしっぺしっぺしっ!
「むきゅうううううう」
親の敵を付狙うかのように執拗な猫パンチが追ってくる。逃げ場のないムー太は庭先を八の字に逃げ回り続けた。ぐるぐると何周かした時、
「ワウォン」
地鳴りを思わせる低音で体の芯を震わせるような鳴き声が耳に届いた。
その中に含まれる怒気のようなものを感じ取り、ムー太はその場で緊急停止。黒猫も同じように硬直して立ち止まった。視線を声のした方へ移せば、先程の大型犬がこちらへ向かって歩いてくるところだった。
睡眠を妨害されて怒っているのだろうか。だとすれば、その矛先は自分と黒猫に向いているはずである。ちらりと横を覗くと、黒猫が緊張に背をピンと伸ばしているのが見えた。やはりそうなのだ。ムー太はボンボンでごめんなさいのポーズを取って、謝罪の意志を伝えることにした。
「ワウォン」
もう一度、ゴールデンレトリバーは叱るようにして吠えた。そうしてびくっと身を竦ませたムー太の元までやって来ると、かぷっと頭を噛んだ。甘噛みだった。そして、その大きな体を横たえてムー太を包むようにして陣取った。
抱き枕にでもするつもりだろうか?
「むきゅう?」
黒猫はいつの間にか二人から距離を取って、毛繕いを再開している。ボンボンを動かしても、もう襲って来ないようだ。
そこでようやく、助けて貰えたのだということをムー太は理解した。何もこの犬は、ムー太を抱き枕にしているわけではない。きっと猫から守るために、わざわざこうしていてくれるのだ。
ムー太は嬉しくなって笑顔になると、立派な赤金色の毛並みをぽふぽふと叩いて感謝の意を伝えた。その意図が伝わったかは不明だが、ゴールデンレトリバーはくすぐったそうに目を細めた。
しばらくの間、一緒にくっ付いて過ごすことにした。
お互い、柔らかな毛に覆われているので、こたつの中みたいに暖かかった。
正午を過ぎた晴天の下、平和で優しい時間が流れている。
ムー太もだんだんと眠くなってきて、うとうとし始めた。その時だった。
「サンダース! ご飯だよー」
庭いっぱいに若い女性の声が響き渡ると、寄り掛かっていた大きな背中がぴくりと動いた。ムー太が目を覚ますと、ゴールデンレトリバーはむくっと起き上がり「ワン」と一鳴きしてから、玄関の方へと歩き出した。その後ろに付き従う形で黒猫も続いている。
一人取り残されるのは寂しかったので、ムー太は二人の後を付いて行くことにした。ぴょこぴょこと駆け出すと、後ろを振り返ったゴールデンレトリバーが、ムー太のペースに合わせて歩みのスピードを落としてくれた。
玄関先の石畳の上にはアルミニウムのお皿が置かれ、その中には何やらお肉らしき塊が入っていた。ムー太が頭を捻っていると、犬と猫はお皿に顔を突っ込んでガブガブと中にあるものを食べ始めた。どうやら食べ物であるらしい。
ぐきゅう、とお腹が鳴った。
よく思い出してみると、お昼ご飯をまだ食べていない。
ムー太は羨ましそうに二人の食事風景を見つめる。
帰ってご飯を食べたいな、と思った。けれど、髪飾り泥棒を捕まえるまでは家に帰るわけにはいかない。ムー太は遠征の理由を思い出し、その場をそっと去ることにした。しかし、踵を返そうとすると、後ろから「ワン」と呼び止められた。
振り返ると、お皿から顔を上げたゴールデンレトリバーがこっちへ来いと首の動きだけで促している。ムー太が迷っていると、
「サンダースの兄貴が飯をご馳走してくれるって言ってんにゃ。早く来るにゃ」
それは確かに人間の言葉だった。
そしてその発生源は、ついさきほど意地悪をしてきたあの黒猫だった。
ムー太が驚いていると、苛立たしげに黒猫が言った。
「考える前に来るにゃ。そして食えにゃ。話はそれからだにゃん」
猫がしゃべっている。その事自体、ムー太は不思議に思わなかった。魔物だって人語をしゃべれるようになるのだから、同じように猫だってしゃべれるようになるのだろう。そのぐらいの認識でしかない。
そんなことよりも、ムー太にとって重要だったのは、ご飯を一緒に食べても良いというお許しを貰えたことだった。
「むきゅう!」
誘いに応えようと元気よく鳴いて、ムー太は弾むような足取りで食事の席へ着いた。二人が食べているミンチ肉のようなものは、どんな味がするのだろうか。期待と一緒に丸い体も膨らんだ。
ムー太はボンボンを使って食事を取る習性を持っている。けれども、一つの食べ物をみんなで分け合うような今回のケースでは、ボンボンで自分の分を確保するのは無粋である気がした。なので、先人たちを真似てムー太はお皿の中に顔を突っ込んで、肉のミンチらしきものにかぶりついた。
少し薄味ではあるものの、その分肉の旨味を味わうことができて、これがなかなか美味しい。七海が作る料理よりも味はシンプルだけれど、単純な味だからこそ素材の味が生かされるのである。
時間を忘れて、ムー太はもぐもぐと口を動かした。
宴もたけなわ。その顔はにっこり笑顔だ。
お皿の中のミート肉はあっという間になくなってしまい、ムー太は名残惜しそうに口の周りをペロっと舐める。と、頭上から、
「あれ、一匹増えてる!? サンダース、あんたまた友達連れてきたわけ?」
「ワン!」
腰に手を当て、呆れたように声を掛けてきたのは大学生ぐらいのお姉さんだった。彼女は煙草に火を付けて、ゆっくりと紫煙を吐き出すとため息混じりに言った。
「仕方ないね。あんたでかいんだから、それだけじゃ足りないでしょ。待ってな」
「ワン!」
「ニャーン!」
「むきゅう!」
他の二匹が鳴いたので、ムー太も慌てて鳴いた。
お姉さんは苦笑いすると家の中へと引っ込んで、缶詰を二つ手にして戻って来た。アルムニウムのお皿の上へと中身をひっくり返し、
「さぁ、お食べ」
許しが出ると、先を争うようにして先輩二人ががっつき始めた。
ムー太も負けじと参戦する。
野生の世界において、他者に食べ物を分け与えるという行為は稀である。ムー太も食うに困ったことは数多くあったけれど、誰も助けてはくれなかった。そんな中、唯一手を差し伸べてくれたのが七海である。彼女との関係は――友達だ。
もぐもぐと口を動かしながら、ムー太は閃いた。
仲良くしたい者と交わす契約が『友達になる』というものだ。そして友達になったら、貴重な食料をご馳走するのが習わしだ。先ほど、お姉さんはこう言っていた。「サンダース、あんたまた友達連れてきたわけ?」と。つまり、サンダースという犬は、ムー太と友達になったのだ。
「むきゅう!」
ムー太は了解し、三人目の友達へ向けて嬉しそうに鳴いた。
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