出口の無い生活

nakasi

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出口無し

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「生まれて来なかった方が良かった」と妻が言う。そうは言われても、妻は生まれてから六十年以上経つ、立派なおばちゃんなのだ。今更、義母の腹の中へは帰れない。その義母もとっくに、この世を去っている。俺の方でも、生まれてなんて来たくなかったと、日々思っている。いい歳こいて、二人共、丸で中学生のようなことを思う夫婦だ。自分でも滑稽だと思うが、正直、そう思って仕舞うのだから仕方がない。
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