銃口が示す先は、正義ゆえの希望か、それとも

翠雨シズク

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銃口が示す先は正義ゆえの希望か、それとも

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「なぁ、この世に言い残した事はあるか?」


銃口を突きつけられる。

俺はやってはいけない罪を犯したんだ。窃盗罪、傷害罪とか、いろいろやった。やっとその罪の重さが分かったんだ。逆に言うと、今までそれが当たり前のように思ってしまっていたんだ。

何だってそうだ、こういう行き詰まったとこまで来ないとその事に気づかないでずるずると終わりへ近づいていくんだ。人間の性ってやつかな。

どうでもいいや、と諦めた時点で終わりなのかな、人間って。俺は走りに走って今、終点に着いたこの時に気づいてしまったんだ。



「さあ、そろそろかな?」


「あぁ、告ぐことは告げたつもりさ。」

「早く引き金を引いて、そして殺してくれ。」


「……それは無理さ」


「……え?」


「僕も正義の代わりに裁きたくないさ」


…逃げだ。


「…なんでだよ」


「……ほら、僕だって君と同じだからさ」


「へぇ、案外気弱なんだな、お前」


「みんな根はそうだ、きっと」


「あ、そうだ、水飲む?」


彼はペットボトルを差し出してきた。喉が乾いてきた頃だ。


「あぁ、頂くよ、お前けっこう優しいんだな」


「そりゃどうも」


「で?俺はこのまま去っていいのか?」


「あぁ、好きに生きればいいさ、だが世の中そんなに甘くないからな」


へっ、甘っちょろい。

「そうかい、んじゃ、な、お言葉に甘えて好きにさせてもらうよ」


「せいぜい残りの人生、楽しんで」


「わーったよ、全力で生きてやる、逃げても底まで行ってやるよ」


そうして俺は生き延びた。


が。

数分後に俺は段々と息が辛くなり出し、その場で悶え苦しみ、息絶える事となった。


ははは、やっぱり駄目だったよ、俺は何やっても駄目だな、もう笑う事しか俺には出来ねぇや。

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