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開戦
巨砲が放つ爆轟
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戦艦大和は、二十九ノット近い全速航行から
主砲射撃のための戦闘速力へと減速した。
巨大な傾斜煙突から噴き出していた濃い煙は、一転して白く清浄なものに変わる。
艦全体が、静かに、しかし威圧的な緊張感に包まれていた。
艦橋から、観測機発艦の命令が下る。
「航空科!観測機四機、発艦用意急げ!」
竹内馨二等兵曹は、発艦甲板に移動した。
彼の搭乗する零式水上観測機(零観)の操縦員は、熟練の吉村飛曹長である。
吉村は、四十歳近いベテランで
静謐な瞳の奥に、多くの海を潜り抜けてきた男の落ち着きがあった。
「竹内、いいか。射程三十キロ。目標は廃駆逐艦十九号。
視界は良好だが、風が少し強い。大和の巨砲の最初の試験だ。狂いなく観測するぞ」
「はい、飛曹長!通信機、万全です!」
竹内は、観測席に乗り込み、吉村飛曹長とアイコンタクトを交わした。
観測機は、竹内機を含め四機。これらが、三十キロメートル先の水平線に隠れた標的を
上空から精密に観測し、弾着修正のデータを送るのだ。
揚収クレーンが、竹内機をカタパルトへと運ぶ。
「発艦準備完了!射出!」
轟音と共に、機体は再び暴力的な衝撃に襲われた。
竹内の体はシートに押し付けられ
視界は一瞬白く飛ぶが、彼はすぐに意識を集中させた。
零観は、大和の巨体から切り離され、伊予灘の空へと舞い上がった。
竹内機を含む四機の観測機は、隊形を組み、東へと針路を取った。
高度を上げると、伊予灘の広大な海面が眼下に広がる。
戦艦大和の艦影は、あっという間に遠ざかっていった。
その巨体は、みるみる小さくなり
やがて巨大な艦橋と主砲塔が、海面に浮かぶ小さな山脈のように見えた。
吉村飛曹長は、冷静に機体を操縦し、目標予定海域へと向かう。
「竹内、高度は安定した。目標に近づくぞ」
「了解!」
竹内は、観測席の双眼鏡で水平線を凝視した。
三十キロメートルという距離は、常識的な目視の限界を遥かに超えている。
目標艦は、水平線の向こうに隠れて、肉眼では確認できないはずだ。
やがて、吉村飛曹長が目標艦の位置を指し示す。
「あれだ、竹内。廃駆逐艦十九号。ほとんど見えんが、目標位置を確認しろ」
双眼鏡を覗くと、水平線のぎりぎりのところに
まるで海面のさざ波の延長線上にいるかのような、か細い影が見えた。
それが、大和の巨砲が狙う、最初の獲物だった。
竹内は、位置、風速、風向きなどの気象データを急いで確認し、通信機のキーを叩いた。
「ヤマト、ヤマト。こちらは観測機一。
目標位置確認。座標〇三五、三五〇。風速五、南東より」
彼の観測機を含め、四機の零観から、目標艦の精密な座標報告が
大和の射撃指揮所へとモールス信号で送られる。
この情報こそが、大和の巨砲の「眼」となるのだ。
観測機が目標上空に到達し、旋回を始めた頃
遥か彼方から、地鳴りのような轟音が届いた。
「ドオオオオォォォン!」
それは、海面越しに伝わる、大和主砲の発射音だ。
九門ある四十六センチ砲のうち
まずは一番主砲塔から、三発の巨弾が撃ち出されたのだ。
数秒後、竹内の機体が、空気を引き裂くような「ヒュンヒュン」という音に包まれた。
大和から発射された巨弾が、竹内たちの観測機の横を、凄まじい速度で通過していった音だ。
「衝撃に備えろ、竹内!」吉村飛曹長が叫ぶ。
そして、巨弾は、海面へと落下する。
「ズボォオオォン!ザパァァン!」
数十メートルの水柱が、標的艦十九号を遥かに超えた海面に立ち上がった。
水柱は、空母の艦橋よりも高く
竹内たちの機体からも、その大きさがはっきりと確認できた。
竹内は、双眼鏡越しに、弾着位置を測定した。
「弾着確認!全弾遠弾!標的より、約八百メートル遠方!」
竹内は、すぐさま通信機のキーを叩く。
「下げ四(シ)、下げ四、下げ四」
射撃指揮所への修正値は
距離を四段階下げる(射程を短くする)という指示だ。
大和の艦橋では、高柳艦長が、修正値を元に、次の射撃を命令する。
「第二射、用意!修正、下げ四!撃ち方始め!」
再び、轟音と、空気を切り裂く巨弾の通過音が響く。
第二射の弾着は、第一射より標的に近づいたものの、依然として遠方だ。
「弾着!全弾遠弾!標的より約五百メートル遠方!」
「下げ二(ニ)、下げ二、下げ二!」
竹内の指は、通信キーの上で踊る。
彼の電信が、大和の巨砲の「利き目」そのものだ。
射撃指揮所にも、焦燥が走り始める。
世界最大の巨砲が、初弾から二射連続で遠弾となっている。
「第三射、用意!修正、下げ二!右寄せ三!撃ち方始め!」
今度は、射程を短くすると同時に、着弾点を右に寄せる修正が入った。
三射目の巨弾が落下した瞬間、竹内は歓喜の声を上げそうになった。
「弾着!全弾近弾!標的より約三百メートル近方!」
水柱は、標的艦を遥かに通り越し、大和に近い側に立ち上がった。
遠弾ではなくなったものの、今度は撃ちすぎた。
竹内は、再び修正値を送る。
「上げ一(ヒト)、右寄せ三(サン)!」
射程を一段階上げ(射程を長くし)、右寄せの修正を維持する。
その頃、大和の艦橋では、高柳艦長が、苛立ちを抑えきれずにいた。
「まだ当たらんのか!」
射撃指揮所の士官たちは、緊張で汗を流す。
三射撃を経て、大和の射撃精度は、世界的に見ても
驚異的なレベルにあるが、艦長は「命中」を求めている。
「第四射、用意!修正、上げ一、右寄せ三!撃ち方始め!」
第四射。九門のうち三門が再び火を噴く。
着弾!海面に立ち上がった水柱は
標的艦の前後に、ほぼ均等に二本立ち上がった。
「弾着確認!夾叉!夾叉です、艦長!」
竹内は、通信機のキーを叩きながら、興奮で叫んだ。
「夾叉(キョウサ)、夾叉!」
夾叉とは、撃ち出された弾丸が、標的の目標線より手前(近弾)と
奥(遠弾)に、それぞれ着弾した状態を指す。これは、射程が完全に合致したことを意味する。
高柳艦長は、艦橋で拳を握りしめた。
「よし!修正は完了した!」
夾叉を確認した瞬間、高柳艦長から、最終命令が発せられた。
「これより、一斉撃ち方!全門、装填用意!」
主砲分隊は、四十六センチ砲弾の装填を急ぐ。
「撃ち方始め!」
大和の艦全体が、文字通り震えた。九門の巨砲すべてが、文字通り同時に火を噴いた。
「ドオオオオォォォン!!!」
その音は、これまでの単射の比ではない。
伊予灘の海全体が、大和の咆哮で揺さぶられたかのようだった。
竹内機にも、空気を切り裂く九発の巨弾の通過音が響く。
観測機の上空を、九発の巨弾が一直線に、標的艦へと向かう。
「第一斉射、弾着!」
九発の巨弾が海面に落下し、九本の巨大な水柱が立ち上がった。
「弾着確認!夾叉!命中なし!」竹内が報告する。
標的艦は、九本の水柱に囲まれ
まるで波間に揺れる小さな玩具のようだ。しかし、依然として沈まない。
「第二斉射、用意!撃て!」
再び、大和が咆哮する。
「第二斉射、弾着!」
今度の弾着は、より緻密だった。水柱は、標的艦をより接近して囲い込む。
「弾着確認!夾叉!至近弾二! 命中はありません!」
至近弾とは、標的の舷側に、水柱が叩きつけるほどの
近距離に着弾したことを指す。標的艦の艦体が
水柱の衝撃で、大きく揺れているのが竹内の双眼鏡からも確認できた。
吉村飛曹長が、思わず唾を飲み込んだ。「あと一歩だ、竹内!」
竹内は、無線キーに指を置いたまま、全身に力を込めた。
「第三斉射、用意!撃ち方始め!」
三度、巨砲が唸る。
そして、その瞬間が訪れた。
九発の巨弾が、標的艦十九号に向けて、一直線に落下する。
「命中!四発命中!轟沈!」
竹内は、観測席で叫んだ。興奮と、安堵と、そして戦慄が入り混じった叫びだった。
標的艦十九号は、九発の巨弾のうち四発を
その小さな艦体に受けた。四十六センチ砲弾の直撃を受けた駆逐艦は
一瞬にしてバラバラに引き裂かれ、轟音と共に爆発した。
黒煙と水柱が立ち上がり、標的艦は、一瞬にして海面から姿を消した。
それは、世界最大の巨砲が、初めて見せつけた圧倒的な暴力の証であった。
吉村飛曹長は、静かに機体を旋回させた。
「見事だ、竹内。お前たちの観測が
この巨砲に命を与えた。大和の巨砲は、生きている」
竹内は、双眼鏡を置いた。伊予灘の海面には
廃駆逐艦十九号があった痕跡として、黒い油の帯が広がっているだけだ。
この日、竹内馨二等兵曹は、大和の巨砲の「眼」として
その歴史的な最初の一撃を見届けた。
それは、彼自身の観測員としての使命と
大和という艦の持つ絶対的な力を彼に深く刻みつけた瞬間であった。
主砲射撃のための戦闘速力へと減速した。
巨大な傾斜煙突から噴き出していた濃い煙は、一転して白く清浄なものに変わる。
艦全体が、静かに、しかし威圧的な緊張感に包まれていた。
艦橋から、観測機発艦の命令が下る。
「航空科!観測機四機、発艦用意急げ!」
竹内馨二等兵曹は、発艦甲板に移動した。
彼の搭乗する零式水上観測機(零観)の操縦員は、熟練の吉村飛曹長である。
吉村は、四十歳近いベテランで
静謐な瞳の奥に、多くの海を潜り抜けてきた男の落ち着きがあった。
「竹内、いいか。射程三十キロ。目標は廃駆逐艦十九号。
視界は良好だが、風が少し強い。大和の巨砲の最初の試験だ。狂いなく観測するぞ」
「はい、飛曹長!通信機、万全です!」
竹内は、観測席に乗り込み、吉村飛曹長とアイコンタクトを交わした。
観測機は、竹内機を含め四機。これらが、三十キロメートル先の水平線に隠れた標的を
上空から精密に観測し、弾着修正のデータを送るのだ。
揚収クレーンが、竹内機をカタパルトへと運ぶ。
「発艦準備完了!射出!」
轟音と共に、機体は再び暴力的な衝撃に襲われた。
竹内の体はシートに押し付けられ
視界は一瞬白く飛ぶが、彼はすぐに意識を集中させた。
零観は、大和の巨体から切り離され、伊予灘の空へと舞い上がった。
竹内機を含む四機の観測機は、隊形を組み、東へと針路を取った。
高度を上げると、伊予灘の広大な海面が眼下に広がる。
戦艦大和の艦影は、あっという間に遠ざかっていった。
その巨体は、みるみる小さくなり
やがて巨大な艦橋と主砲塔が、海面に浮かぶ小さな山脈のように見えた。
吉村飛曹長は、冷静に機体を操縦し、目標予定海域へと向かう。
「竹内、高度は安定した。目標に近づくぞ」
「了解!」
竹内は、観測席の双眼鏡で水平線を凝視した。
三十キロメートルという距離は、常識的な目視の限界を遥かに超えている。
目標艦は、水平線の向こうに隠れて、肉眼では確認できないはずだ。
やがて、吉村飛曹長が目標艦の位置を指し示す。
「あれだ、竹内。廃駆逐艦十九号。ほとんど見えんが、目標位置を確認しろ」
双眼鏡を覗くと、水平線のぎりぎりのところに
まるで海面のさざ波の延長線上にいるかのような、か細い影が見えた。
それが、大和の巨砲が狙う、最初の獲物だった。
竹内は、位置、風速、風向きなどの気象データを急いで確認し、通信機のキーを叩いた。
「ヤマト、ヤマト。こちらは観測機一。
目標位置確認。座標〇三五、三五〇。風速五、南東より」
彼の観測機を含め、四機の零観から、目標艦の精密な座標報告が
大和の射撃指揮所へとモールス信号で送られる。
この情報こそが、大和の巨砲の「眼」となるのだ。
観測機が目標上空に到達し、旋回を始めた頃
遥か彼方から、地鳴りのような轟音が届いた。
「ドオオオオォォォン!」
それは、海面越しに伝わる、大和主砲の発射音だ。
九門ある四十六センチ砲のうち
まずは一番主砲塔から、三発の巨弾が撃ち出されたのだ。
数秒後、竹内の機体が、空気を引き裂くような「ヒュンヒュン」という音に包まれた。
大和から発射された巨弾が、竹内たちの観測機の横を、凄まじい速度で通過していった音だ。
「衝撃に備えろ、竹内!」吉村飛曹長が叫ぶ。
そして、巨弾は、海面へと落下する。
「ズボォオオォン!ザパァァン!」
数十メートルの水柱が、標的艦十九号を遥かに超えた海面に立ち上がった。
水柱は、空母の艦橋よりも高く
竹内たちの機体からも、その大きさがはっきりと確認できた。
竹内は、双眼鏡越しに、弾着位置を測定した。
「弾着確認!全弾遠弾!標的より、約八百メートル遠方!」
竹内は、すぐさま通信機のキーを叩く。
「下げ四(シ)、下げ四、下げ四」
射撃指揮所への修正値は
距離を四段階下げる(射程を短くする)という指示だ。
大和の艦橋では、高柳艦長が、修正値を元に、次の射撃を命令する。
「第二射、用意!修正、下げ四!撃ち方始め!」
再び、轟音と、空気を切り裂く巨弾の通過音が響く。
第二射の弾着は、第一射より標的に近づいたものの、依然として遠方だ。
「弾着!全弾遠弾!標的より約五百メートル遠方!」
「下げ二(ニ)、下げ二、下げ二!」
竹内の指は、通信キーの上で踊る。
彼の電信が、大和の巨砲の「利き目」そのものだ。
射撃指揮所にも、焦燥が走り始める。
世界最大の巨砲が、初弾から二射連続で遠弾となっている。
「第三射、用意!修正、下げ二!右寄せ三!撃ち方始め!」
今度は、射程を短くすると同時に、着弾点を右に寄せる修正が入った。
三射目の巨弾が落下した瞬間、竹内は歓喜の声を上げそうになった。
「弾着!全弾近弾!標的より約三百メートル近方!」
水柱は、標的艦を遥かに通り越し、大和に近い側に立ち上がった。
遠弾ではなくなったものの、今度は撃ちすぎた。
竹内は、再び修正値を送る。
「上げ一(ヒト)、右寄せ三(サン)!」
射程を一段階上げ(射程を長くし)、右寄せの修正を維持する。
その頃、大和の艦橋では、高柳艦長が、苛立ちを抑えきれずにいた。
「まだ当たらんのか!」
射撃指揮所の士官たちは、緊張で汗を流す。
三射撃を経て、大和の射撃精度は、世界的に見ても
驚異的なレベルにあるが、艦長は「命中」を求めている。
「第四射、用意!修正、上げ一、右寄せ三!撃ち方始め!」
第四射。九門のうち三門が再び火を噴く。
着弾!海面に立ち上がった水柱は
標的艦の前後に、ほぼ均等に二本立ち上がった。
「弾着確認!夾叉!夾叉です、艦長!」
竹内は、通信機のキーを叩きながら、興奮で叫んだ。
「夾叉(キョウサ)、夾叉!」
夾叉とは、撃ち出された弾丸が、標的の目標線より手前(近弾)と
奥(遠弾)に、それぞれ着弾した状態を指す。これは、射程が完全に合致したことを意味する。
高柳艦長は、艦橋で拳を握りしめた。
「よし!修正は完了した!」
夾叉を確認した瞬間、高柳艦長から、最終命令が発せられた。
「これより、一斉撃ち方!全門、装填用意!」
主砲分隊は、四十六センチ砲弾の装填を急ぐ。
「撃ち方始め!」
大和の艦全体が、文字通り震えた。九門の巨砲すべてが、文字通り同時に火を噴いた。
「ドオオオオォォォン!!!」
その音は、これまでの単射の比ではない。
伊予灘の海全体が、大和の咆哮で揺さぶられたかのようだった。
竹内機にも、空気を切り裂く九発の巨弾の通過音が響く。
観測機の上空を、九発の巨弾が一直線に、標的艦へと向かう。
「第一斉射、弾着!」
九発の巨弾が海面に落下し、九本の巨大な水柱が立ち上がった。
「弾着確認!夾叉!命中なし!」竹内が報告する。
標的艦は、九本の水柱に囲まれ
まるで波間に揺れる小さな玩具のようだ。しかし、依然として沈まない。
「第二斉射、用意!撃て!」
再び、大和が咆哮する。
「第二斉射、弾着!」
今度の弾着は、より緻密だった。水柱は、標的艦をより接近して囲い込む。
「弾着確認!夾叉!至近弾二! 命中はありません!」
至近弾とは、標的の舷側に、水柱が叩きつけるほどの
近距離に着弾したことを指す。標的艦の艦体が
水柱の衝撃で、大きく揺れているのが竹内の双眼鏡からも確認できた。
吉村飛曹長が、思わず唾を飲み込んだ。「あと一歩だ、竹内!」
竹内は、無線キーに指を置いたまま、全身に力を込めた。
「第三斉射、用意!撃ち方始め!」
三度、巨砲が唸る。
そして、その瞬間が訪れた。
九発の巨弾が、標的艦十九号に向けて、一直線に落下する。
「命中!四発命中!轟沈!」
竹内は、観測席で叫んだ。興奮と、安堵と、そして戦慄が入り混じった叫びだった。
標的艦十九号は、九発の巨弾のうち四発を
その小さな艦体に受けた。四十六センチ砲弾の直撃を受けた駆逐艦は
一瞬にしてバラバラに引き裂かれ、轟音と共に爆発した。
黒煙と水柱が立ち上がり、標的艦は、一瞬にして海面から姿を消した。
それは、世界最大の巨砲が、初めて見せつけた圧倒的な暴力の証であった。
吉村飛曹長は、静かに機体を旋回させた。
「見事だ、竹内。お前たちの観測が
この巨砲に命を与えた。大和の巨砲は、生きている」
竹内は、双眼鏡を置いた。伊予灘の海面には
廃駆逐艦十九号があった痕跡として、黒い油の帯が広がっているだけだ。
この日、竹内馨二等兵曹は、大和の巨砲の「眼」として
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