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第84話 一人じゃないから楽しい
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今日は12/24で、前世ならクリスマスイブだが、この世界にはそんな日は存在せず、ただただ寒い日だった
もう外は昼というのがなくなり、朝の8時から12時まで日が昇り、その後は夜だった
外は猛吹雪で、ほんとに一歩外へ出るだけでも遭難してしまう気がする。この家なら本当に庭で遭難ってことがありえそうだった
高い家だけはあり、風が雪を打ち付けるが何とも無いと思うが、その風の音は不安を抱かせる
「ナタリー、孤児院は何ともないですかー?」
唯一ブリンクで移動できる僕は、定期的に孤児院と拠点とを行き来していた
ノエル来たなー
ノエルグレムほしー
「こらやめなさい。こちらは大丈夫ですわ、あっでも少し薪を補充して頂いてもよろしいですか」
「分かりました」
薪をならべ
「また、様子を見に来ますね」
その場にグレムの木箱を置いて、子供達に手を振って拠点に戻る。ナタリーは今は孤児院でほぼ生活しているのだ
「あっおかえりー」
ベッドに寝っ転がり本を読んでいるシスレーがおかえりの挨拶をしてくれる
「シスレー来てたんですね」
「うん、勝手に入ってごめんね」
「今更いいですよ、自由に使ってください」
折角彼女(仮)が出来たのだからクリスマスぽい事をしたかった、ケーキ作れるかな?
生クリームだけど、これは持っている。後は冷やして混ぜるだけだ、となればスポンジか・・・持っているなんかのパンで代用できるかな?
「シスレー、ちょっと僕料理するので、どうします?」
「じゃあリビング行くよ、ノエル君いなくなったら寒くなるだろうし」
リビングにはアルとティアが、暖炉の前に並んでいる
キッチンに立つとすぐにティアが
「何かつくるの?」
「ケーキって知ってますか?それを作るというか、ある物で寄せ集めてつくろうかと」
「ケーキってブレッド村にあったような・・・でも物は知らないな」
「俺も名前は知ってるが食べたことはないな」
「うちも、なんか名前だけで美味しくなさそうだったからスルーしていた」
「ふ~ん・・・そのケーキと僕が知っているケーキが一緒かどうか分かりませんが、それを作ろうと思います」
「手伝う?」
「いいんですか?」
こういう時ティアは率先して手伝おうと声を掛けてくれる、そして
「うちもやろっか?」
「シスレーは・・・ゆっくりしていてください」
なぜか料理だけは不器用なシスレー、やる気はあるようだがいつも遠慮してもらう
「・・・わかった」
「美味しいの作るので、待っていてくださいね」
シスレーはアルの隣にいき、ぶつぶつ喋り始めそれをうっとおしそうにしながらも相手をしている
食材を並べ、スポンジになりそうなものはあらかた決めていた
「あっこのパン美味しいやつだ、ふわふわでほんのり甘いんだよねー」
「ですね、ティアはこの果物たちを皮をむいで一口大にきってくれますか?」
「おっけー」
シスレーからそのぐらい出来るしと聞こえるが、出来ないだろと心の中で突っ込みながら、僕は生クリームの作成に励む
ただかき混ぜるのだが、あのシャカシャカ混ぜる棒が無い。大き目のフォークや串を何本も持って試行錯誤しながら混ぜて行き、甘さを調整していく
「おぉ、結構ふわふわになってきた」
「えーなにそれーおいしそー」
「ティア味見してくれます?」
「いいよー、あーん」
「あーん」
「おいしー!甘くておいしーよ!」
「うちも!あーん!」
僕達の様子を見てシスレーも駆け寄ってきた
「はい、あーん」
「あまぁ、美味しいねこれ!」
「二人がそういうなら、味は良さそうですね」
その後はよくかき混ぜて、もう少し固くしたらパン生地を3層にしてその間、間に生クリームと果物を挟んで行き、最後に生クリームで覆っていく
ここでは器用さが存分に発揮され、きれいな鎌倉のようなケーキができた
「ノエル君これすっごい美味しそうだよ・・・じゅるり」
「後少しで完成ですよ、この上に果物を盛り付けてください」
「りょうかーい」
僕はもう一つ、孤児院用のケーキも同じように作り、果物を飾り付けた
「もうたべていい?いい?」
「うちも食べたい」
途中から飾り付けは出来るという事で、シスレーも参加し一緒にしていた
「晩御飯まで待ってくださいよ、これはデザートですよ」
時刻はまだ4時だ、晩御飯までまだ早かった
折角だし鳥料理にしようと思い、ホロホロ鳥を焼いて、オーク肉もステーキ状にし、マッシュポテトに野菜のソテーもどんどん作り収納していく
作った物を収納するたびにティアとシスレーはあぁと声をあげるが、後で一緒に食べる方がいいに決まっていた
僕が思うクリスマスっぽい料理を存分に作り、ナタリーに声を掛けに行く。
「ナタリー、今日デザート作ったので食後に持ってきたいのですがいいですか?」
「それは喜びますわ」
「じゃあ食後だと7時ぐらいですか?そのぐらいに持ってきますね」
「分かりました、ありがとうございますわ」
直ぐに戻ってお腹を空かせた獣たちにも食事を与えなければいけなかった
「まだー?」
「もうたべよー」
「俺も腹減ったわ」
「ナタリーは向こうで食べるそうなので、食べましょうか」
作った料理を並べると、クリスマスっぽい感じがでてきた
「うぉ!?こんなにつくったのか!?」
「ほんとだね!どれもおいしそー」
「ふふーん、でしょ?」
「あ?なんでシスレーが得意げなんだ?何もしてねーだろ」
「・・・いいじゃない別に」
「はい、今日はグレム酒2本開けていいですよ」
グレム酒の入った瓶を取り出し見せると
「ノエル、いや相棒、いつもありがとな!」
「ノエル君、ずっとそばにいてね」
「ノエル君はうちの相棒なんだけど!うちの側にいてくれるんだけど!」
みんなにお酒を注いで、僕もジュースを用意したら
「なんか知らねーが豪勢な食事に乾杯!」
「いえーい」
カチーンとグラスが鳴った後は、思い思いに食べ進めた
思い返せば、クリスマスは大人になると一人で過ごしていた。オンラインでゲームをして世間から離れた気でいたが、寂しい思いはやっぱりしていた
なぜかこんな不便な危険な世界でも、僕にはこっちの方が楽しく過ごせていた
「ノエル、お前も酒のめよー」
「いいんですか?僕がお酒の味をしったらもうグレム酒は一人占めしますよ?」
「ちょっとアル余計な事いわないの!」
「だな!子供にはまだはえーわ!」
お酒も周り、どんどんグレム酒も仕方なしと3本目に突入していた。僕は一度孤児院へ行き、子供達が行儀よく食事をしていた。向こうと大違いだ、子供達よああはなると思う
ノエルきたー
デザートくれるんだろ?
なになにー
「じゃーんこれです、ケーキっていうんですけど食べたことあります?」
うぉー美味しそう!
果物があんなにいっぱい!
ノエル結婚してあげるよ
色々言われるがやはり、子供らしくみな可愛い
「ノエルさん、これはいいのですか?」
「いいですよ、向こうも同じあるので」
後白い袋に入れた、ボードゲームやぬいぐるみに、木剣に本などを取り出して
「おもちゃも持ってきているので、みんなで仲良く遊んでくださいね」
なんだなんだと袋にたかっていく子供達
「えぇ・・・ノエルさん、いいのですか?」
「僕の田舎の地方の風習ですよ、一年頑張った子供達にご褒美としておもちゃや本をあげるんです」
説明するには難しかったため、適当な事をいいサンタさん気分も味わう
「本当に変わった方ですね」
「そうですか?じゃあナタリー僕は向こうに戻りますね、あっちはあっちで出来上がっているので」
「はい、みんなノエルさん帰るみたいなのでお礼を言ってくださいね」
ノエルーありがとー
「いえいえ、ケーキも食べたらまた感想聞かせてくださいね」
はぁー子供は無邪気で可愛いなと思いながら、心を温められて戻ってみると
「なんでノエル君がアル君の相棒なわけー?」
「俺が一番あいつの事しってるからな」
「私が一番だよ?サイシアールいた時なんて二人でいっつも出かけてたから」
何が始まっているのだろうか?こっそり部屋もどろうかな?
「お?戻って来たな相棒」
「私の相棒だよねー」
「うちが一番の相棒だよ、言ってあげてよ」
「みんな一番頼りにしてますよ、ケーキ食べましょうか」
「お前が曖昧な態度するからこいつらがつけあがんだよ、男ならバシっといってやれ!」
あーだこーだと言っているので、僕はケーキを切り分けて
「もう!うちが一番なのに!あむ・・美味しい!」
「シスレーはまだノエル君の良さを分かってないよ、はむ・・・何これおいしいー!」
シスレーとティアの口へ持って行き食べさせた、これで大人しくするだろう
「あっアルは自分で食べてくださいね」
アルにはお皿に乗っけたケーキをすっとアルの前におく
「いや別に食べさせてもらいたくねーけど・・・うおうめーな、甘いものすきじゃねーがこれはうめーわ」
苦労して作ってもいつも食べるのは最後だなと思っていると
「はいノエル君あーん」
「あーん、あっ美味しい」
ティアがすぐに僕に返してくれる、こういう時ってティアは素早くてシスレーより上手だなと思ってしまう
「くっ先越された!ノエル君あーん」
「ふふ私より遅くやっても価値がないよー」
「くぅー・・・」
「そんな事ないですよ、ほらシスレーから貰ったのも美味しい」
みんなと楽しむためのクリスマスの雰囲気だったのに、なぜかその後食べたケーキは味があまりしなかった
食事も結構残ったが、徐々に食べればいいかと思い全て収納し片付けをしたら楽しかったクリスマスも終わりを告げるようにみんなお風呂へいったり。部屋に戻ったりでいなくなった
「終わるのは一瞬だな・・・」
食器類はリコールで綺麗にする為に、大体最後まで残っているのは僕だった。こういう祭りの後の孤独感って人と暮らしていても感じるもんなんだと、リコールをかけながら思う
ある程度片付けも終わり、食器を棚に戻していると
「片付け手伝うよ」
「あっいいですよ、もう終わります」
シスレーが部屋に戻ったと思ったが、様子を見に来てくれたようで、孤独感は消えた
「ケーキ美味しかったね、また作って欲しいな」
「いいですよ、またお祝いごとの日につくりますよ」
「今日ってお祝い事だったから、豪華な食事つくったの?」
「う~ん・・・説明が難しいですが、僕が住んでいた地方の田舎にはこの時期にケーキを食べたり、恋人と過ごしたり、家族と過ごしたり・・・よくわかりませんが楽しい日なんですよ」
「へー?いい日なんだね」
「ですよ、シスレーこれから僕の部屋きてくれますか?」
「ふっふっふそのつもりで降りてきた」
片付けも終わり、シスレーと一緒に僕の部屋へ
「シスレー、今日色々と喋りそうになっててヒヤヒヤしましたよ」
「アハハ・・・だってアル君もティアちゃんも、うちより付き合いが長いからって一番の相棒って気分でいるんだもん」
「そんなことに張り合わなくても・・・こっち座ってください」
「重要な事なのに!」
シスレーをベッドの横に座らせて、少しお酒が抜けきっておらず少しぷりぷりしているが
「さっきお祝い事の話の続きがあるんですが、恋人にプレゼントを渡したり、子供におもちゃを渡したりする日でもあるんですよ」
「・・・!?うんうんそれで!」
「なので、恋人のシスレーへこれどうぞ」
長細い20cmの長方形の箱を渡す
「えー何々!ありがとう」
「開けてみてください」
シスレーは嬉しそうに箱を受け取ると、大事そうにリボンを外して箱を開けた
「あっネックレスだ、翼の形・・・かな?」
「違いますよ、ほら僕も同じもの」
「おそろい!?嬉しい!」
メルさんに頼んでベタな形を頼んだが、この異世界ではまだ広まっていないようなので恐らく珍しいはず
「シスレーつけて見てください」
「・・・着けてくれないの?」
(あれ、デジャブ・・・あぁティアに渡した時か、あの時は手が震えたが)
シスレーの綺麗なうなじと首筋にドキドキしながらも、今回はスマートにつけれたはずだ
「どう?似合う?」
「はい、とっても!それこんな感じで持ってくれませんか?」
「こう?」
シスレーの持つハートの半分の形の中には相互結晶がある、僕はそれに、自分のネックレスを合わせると
「えっ色が青から赤っぽい色に変わったよ!」
「ふふ相互結晶って石らしいですよ、ほらここも二つに合わせるとハートの形してますよ」
「!?えぇ・・・嬉しい・・・」
目に大粒の涙をためているが・・・これは喜んでいるのであっているんだろうか?
「シスレー?」
不安になって呼びかけると、そのまま抱きつかれた
あっ女性でもお酒のんだ後は酒のにおいが・・・今リコールしたら怒られるかな・・・いや我慢か・・・
「すごく嬉しい」
「良かったー、黙ってるもんだからデザインに不満かと思っちゃいましたよ」
「そんな事ないよ、贈り物貰って涙がでるぐらい嬉しかったの初めてだったから」
やっぱりシスレーはべたな事が好きな様で、慣れていない僕でも映画や漫画の知識でも喜んでもらえた
「これ装飾品じゃなくて、魔道具の部類らしいので安心してくださいね」
「もう、今はそんな現実的な事いわなくていいの」
「ですね・・・シスレー大好きですよ」
「うちも大好き」
これでシスレーももうアル達と張り合わないで欲しいと願うばかりだ
いいクリスマスが出来たなと思ったが、そういえば25日が本番かと思い直したがそんな事はもうどうでも良かった、仲間と彼女(仮)と過ごせて充実していたのだから
もう外は昼というのがなくなり、朝の8時から12時まで日が昇り、その後は夜だった
外は猛吹雪で、ほんとに一歩外へ出るだけでも遭難してしまう気がする。この家なら本当に庭で遭難ってことがありえそうだった
高い家だけはあり、風が雪を打ち付けるが何とも無いと思うが、その風の音は不安を抱かせる
「ナタリー、孤児院は何ともないですかー?」
唯一ブリンクで移動できる僕は、定期的に孤児院と拠点とを行き来していた
ノエル来たなー
ノエルグレムほしー
「こらやめなさい。こちらは大丈夫ですわ、あっでも少し薪を補充して頂いてもよろしいですか」
「分かりました」
薪をならべ
「また、様子を見に来ますね」
その場にグレムの木箱を置いて、子供達に手を振って拠点に戻る。ナタリーは今は孤児院でほぼ生活しているのだ
「あっおかえりー」
ベッドに寝っ転がり本を読んでいるシスレーがおかえりの挨拶をしてくれる
「シスレー来てたんですね」
「うん、勝手に入ってごめんね」
「今更いいですよ、自由に使ってください」
折角彼女(仮)が出来たのだからクリスマスぽい事をしたかった、ケーキ作れるかな?
生クリームだけど、これは持っている。後は冷やして混ぜるだけだ、となればスポンジか・・・持っているなんかのパンで代用できるかな?
「シスレー、ちょっと僕料理するので、どうします?」
「じゃあリビング行くよ、ノエル君いなくなったら寒くなるだろうし」
リビングにはアルとティアが、暖炉の前に並んでいる
キッチンに立つとすぐにティアが
「何かつくるの?」
「ケーキって知ってますか?それを作るというか、ある物で寄せ集めてつくろうかと」
「ケーキってブレッド村にあったような・・・でも物は知らないな」
「俺も名前は知ってるが食べたことはないな」
「うちも、なんか名前だけで美味しくなさそうだったからスルーしていた」
「ふ~ん・・・そのケーキと僕が知っているケーキが一緒かどうか分かりませんが、それを作ろうと思います」
「手伝う?」
「いいんですか?」
こういう時ティアは率先して手伝おうと声を掛けてくれる、そして
「うちもやろっか?」
「シスレーは・・・ゆっくりしていてください」
なぜか料理だけは不器用なシスレー、やる気はあるようだがいつも遠慮してもらう
「・・・わかった」
「美味しいの作るので、待っていてくださいね」
シスレーはアルの隣にいき、ぶつぶつ喋り始めそれをうっとおしそうにしながらも相手をしている
食材を並べ、スポンジになりそうなものはあらかた決めていた
「あっこのパン美味しいやつだ、ふわふわでほんのり甘いんだよねー」
「ですね、ティアはこの果物たちを皮をむいで一口大にきってくれますか?」
「おっけー」
シスレーからそのぐらい出来るしと聞こえるが、出来ないだろと心の中で突っ込みながら、僕は生クリームの作成に励む
ただかき混ぜるのだが、あのシャカシャカ混ぜる棒が無い。大き目のフォークや串を何本も持って試行錯誤しながら混ぜて行き、甘さを調整していく
「おぉ、結構ふわふわになってきた」
「えーなにそれーおいしそー」
「ティア味見してくれます?」
「いいよー、あーん」
「あーん」
「おいしー!甘くておいしーよ!」
「うちも!あーん!」
僕達の様子を見てシスレーも駆け寄ってきた
「はい、あーん」
「あまぁ、美味しいねこれ!」
「二人がそういうなら、味は良さそうですね」
その後はよくかき混ぜて、もう少し固くしたらパン生地を3層にしてその間、間に生クリームと果物を挟んで行き、最後に生クリームで覆っていく
ここでは器用さが存分に発揮され、きれいな鎌倉のようなケーキができた
「ノエル君これすっごい美味しそうだよ・・・じゅるり」
「後少しで完成ですよ、この上に果物を盛り付けてください」
「りょうかーい」
僕はもう一つ、孤児院用のケーキも同じように作り、果物を飾り付けた
「もうたべていい?いい?」
「うちも食べたい」
途中から飾り付けは出来るという事で、シスレーも参加し一緒にしていた
「晩御飯まで待ってくださいよ、これはデザートですよ」
時刻はまだ4時だ、晩御飯までまだ早かった
折角だし鳥料理にしようと思い、ホロホロ鳥を焼いて、オーク肉もステーキ状にし、マッシュポテトに野菜のソテーもどんどん作り収納していく
作った物を収納するたびにティアとシスレーはあぁと声をあげるが、後で一緒に食べる方がいいに決まっていた
僕が思うクリスマスっぽい料理を存分に作り、ナタリーに声を掛けに行く。
「ナタリー、今日デザート作ったので食後に持ってきたいのですがいいですか?」
「それは喜びますわ」
「じゃあ食後だと7時ぐらいですか?そのぐらいに持ってきますね」
「分かりました、ありがとうございますわ」
直ぐに戻ってお腹を空かせた獣たちにも食事を与えなければいけなかった
「まだー?」
「もうたべよー」
「俺も腹減ったわ」
「ナタリーは向こうで食べるそうなので、食べましょうか」
作った料理を並べると、クリスマスっぽい感じがでてきた
「うぉ!?こんなにつくったのか!?」
「ほんとだね!どれもおいしそー」
「ふふーん、でしょ?」
「あ?なんでシスレーが得意げなんだ?何もしてねーだろ」
「・・・いいじゃない別に」
「はい、今日はグレム酒2本開けていいですよ」
グレム酒の入った瓶を取り出し見せると
「ノエル、いや相棒、いつもありがとな!」
「ノエル君、ずっとそばにいてね」
「ノエル君はうちの相棒なんだけど!うちの側にいてくれるんだけど!」
みんなにお酒を注いで、僕もジュースを用意したら
「なんか知らねーが豪勢な食事に乾杯!」
「いえーい」
カチーンとグラスが鳴った後は、思い思いに食べ進めた
思い返せば、クリスマスは大人になると一人で過ごしていた。オンラインでゲームをして世間から離れた気でいたが、寂しい思いはやっぱりしていた
なぜかこんな不便な危険な世界でも、僕にはこっちの方が楽しく過ごせていた
「ノエル、お前も酒のめよー」
「いいんですか?僕がお酒の味をしったらもうグレム酒は一人占めしますよ?」
「ちょっとアル余計な事いわないの!」
「だな!子供にはまだはえーわ!」
お酒も周り、どんどんグレム酒も仕方なしと3本目に突入していた。僕は一度孤児院へ行き、子供達が行儀よく食事をしていた。向こうと大違いだ、子供達よああはなると思う
ノエルきたー
デザートくれるんだろ?
なになにー
「じゃーんこれです、ケーキっていうんですけど食べたことあります?」
うぉー美味しそう!
果物があんなにいっぱい!
ノエル結婚してあげるよ
色々言われるがやはり、子供らしくみな可愛い
「ノエルさん、これはいいのですか?」
「いいですよ、向こうも同じあるので」
後白い袋に入れた、ボードゲームやぬいぐるみに、木剣に本などを取り出して
「おもちゃも持ってきているので、みんなで仲良く遊んでくださいね」
なんだなんだと袋にたかっていく子供達
「えぇ・・・ノエルさん、いいのですか?」
「僕の田舎の地方の風習ですよ、一年頑張った子供達にご褒美としておもちゃや本をあげるんです」
説明するには難しかったため、適当な事をいいサンタさん気分も味わう
「本当に変わった方ですね」
「そうですか?じゃあナタリー僕は向こうに戻りますね、あっちはあっちで出来上がっているので」
「はい、みんなノエルさん帰るみたいなのでお礼を言ってくださいね」
ノエルーありがとー
「いえいえ、ケーキも食べたらまた感想聞かせてくださいね」
はぁー子供は無邪気で可愛いなと思いながら、心を温められて戻ってみると
「なんでノエル君がアル君の相棒なわけー?」
「俺が一番あいつの事しってるからな」
「私が一番だよ?サイシアールいた時なんて二人でいっつも出かけてたから」
何が始まっているのだろうか?こっそり部屋もどろうかな?
「お?戻って来たな相棒」
「私の相棒だよねー」
「うちが一番の相棒だよ、言ってあげてよ」
「みんな一番頼りにしてますよ、ケーキ食べましょうか」
「お前が曖昧な態度するからこいつらがつけあがんだよ、男ならバシっといってやれ!」
あーだこーだと言っているので、僕はケーキを切り分けて
「もう!うちが一番なのに!あむ・・美味しい!」
「シスレーはまだノエル君の良さを分かってないよ、はむ・・・何これおいしいー!」
シスレーとティアの口へ持って行き食べさせた、これで大人しくするだろう
「あっアルは自分で食べてくださいね」
アルにはお皿に乗っけたケーキをすっとアルの前におく
「いや別に食べさせてもらいたくねーけど・・・うおうめーな、甘いものすきじゃねーがこれはうめーわ」
苦労して作ってもいつも食べるのは最後だなと思っていると
「はいノエル君あーん」
「あーん、あっ美味しい」
ティアがすぐに僕に返してくれる、こういう時ってティアは素早くてシスレーより上手だなと思ってしまう
「くっ先越された!ノエル君あーん」
「ふふ私より遅くやっても価値がないよー」
「くぅー・・・」
「そんな事ないですよ、ほらシスレーから貰ったのも美味しい」
みんなと楽しむためのクリスマスの雰囲気だったのに、なぜかその後食べたケーキは味があまりしなかった
食事も結構残ったが、徐々に食べればいいかと思い全て収納し片付けをしたら楽しかったクリスマスも終わりを告げるようにみんなお風呂へいったり。部屋に戻ったりでいなくなった
「終わるのは一瞬だな・・・」
食器類はリコールで綺麗にする為に、大体最後まで残っているのは僕だった。こういう祭りの後の孤独感って人と暮らしていても感じるもんなんだと、リコールをかけながら思う
ある程度片付けも終わり、食器を棚に戻していると
「片付け手伝うよ」
「あっいいですよ、もう終わります」
シスレーが部屋に戻ったと思ったが、様子を見に来てくれたようで、孤独感は消えた
「ケーキ美味しかったね、また作って欲しいな」
「いいですよ、またお祝いごとの日につくりますよ」
「今日ってお祝い事だったから、豪華な食事つくったの?」
「う~ん・・・説明が難しいですが、僕が住んでいた地方の田舎にはこの時期にケーキを食べたり、恋人と過ごしたり、家族と過ごしたり・・・よくわかりませんが楽しい日なんですよ」
「へー?いい日なんだね」
「ですよ、シスレーこれから僕の部屋きてくれますか?」
「ふっふっふそのつもりで降りてきた」
片付けも終わり、シスレーと一緒に僕の部屋へ
「シスレー、今日色々と喋りそうになっててヒヤヒヤしましたよ」
「アハハ・・・だってアル君もティアちゃんも、うちより付き合いが長いからって一番の相棒って気分でいるんだもん」
「そんなことに張り合わなくても・・・こっち座ってください」
「重要な事なのに!」
シスレーをベッドの横に座らせて、少しお酒が抜けきっておらず少しぷりぷりしているが
「さっきお祝い事の話の続きがあるんですが、恋人にプレゼントを渡したり、子供におもちゃを渡したりする日でもあるんですよ」
「・・・!?うんうんそれで!」
「なので、恋人のシスレーへこれどうぞ」
長細い20cmの長方形の箱を渡す
「えー何々!ありがとう」
「開けてみてください」
シスレーは嬉しそうに箱を受け取ると、大事そうにリボンを外して箱を開けた
「あっネックレスだ、翼の形・・・かな?」
「違いますよ、ほら僕も同じもの」
「おそろい!?嬉しい!」
メルさんに頼んでベタな形を頼んだが、この異世界ではまだ広まっていないようなので恐らく珍しいはず
「シスレーつけて見てください」
「・・・着けてくれないの?」
(あれ、デジャブ・・・あぁティアに渡した時か、あの時は手が震えたが)
シスレーの綺麗なうなじと首筋にドキドキしながらも、今回はスマートにつけれたはずだ
「どう?似合う?」
「はい、とっても!それこんな感じで持ってくれませんか?」
「こう?」
シスレーの持つハートの半分の形の中には相互結晶がある、僕はそれに、自分のネックレスを合わせると
「えっ色が青から赤っぽい色に変わったよ!」
「ふふ相互結晶って石らしいですよ、ほらここも二つに合わせるとハートの形してますよ」
「!?えぇ・・・嬉しい・・・」
目に大粒の涙をためているが・・・これは喜んでいるのであっているんだろうか?
「シスレー?」
不安になって呼びかけると、そのまま抱きつかれた
あっ女性でもお酒のんだ後は酒のにおいが・・・今リコールしたら怒られるかな・・・いや我慢か・・・
「すごく嬉しい」
「良かったー、黙ってるもんだからデザインに不満かと思っちゃいましたよ」
「そんな事ないよ、贈り物貰って涙がでるぐらい嬉しかったの初めてだったから」
やっぱりシスレーはべたな事が好きな様で、慣れていない僕でも映画や漫画の知識でも喜んでもらえた
「これ装飾品じゃなくて、魔道具の部類らしいので安心してくださいね」
「もう、今はそんな現実的な事いわなくていいの」
「ですね・・・シスレー大好きですよ」
「うちも大好き」
これでシスレーももうアル達と張り合わないで欲しいと願うばかりだ
いいクリスマスが出来たなと思ったが、そういえば25日が本番かと思い直したがそんな事はもうどうでも良かった、仲間と彼女(仮)と過ごせて充実していたのだから
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ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
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