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第12話 定番イベントです、ハイ。
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前回のあらすじ:ボロネーゼが無事完成、マーブル達もご満悦で何より。
まだまだ改良の余地があれども、ひとまずボロネーゼを作れるようになった。とはいえ、小麦粉も正直まだまだ不十分だし、現時点でも安心できるレベルとはいえないけど、最低限必要な植物は栽培し始めているので、無事に育つことを祈るばかりの状態かな。マーブル、ジェミニ、ライムの3種類は最低限抑えておくにしても、肉の在庫によって日替わりとして別の肉を提供するのもアリだね。
まあ、そんなことを考えていても、こんな危険な場所には基本的に客など来ない。そもそも私達自身が町はおろか、人のいる集落すら見つけていない、というか本気で探してすらいない。本音を言ってしまうと、十分に提供できる状態で無いので、しばらくは採集を続けて在庫の量を増やす方が先決だと思う。
そんなこんなで、私達の拠点というか家が完成して3ヶ月が経過した。はい、魔物としか接触しておりません。森の恵みを優先して採集しているので、魔物自体はそこまで気合を入れて狩っていないけど、それでも肉よりも植物の在庫の方が少ない状態である。とはいえ、マーブル達とは日々楽しく過ごせているので、現状不満とかそういったものはない。むしろ、邪魔者が来ない分今の方が幸せに暮らしていると思う。
植えた植物やら、カエデの木はどうなったかというと、小麦と大麦は予想以上に成長してくれ、かなりの量を収穫できたのは大きい。トマトもこの世界では不思議と一年中成長するタイプのようで、ハウス栽培にしなくても十分な量を収穫できている。その他にも大豆やジャガイモなども順調に収穫でき一安心だ。カエデの木はもう少し様子を見た方がいいようで、それについてはマーブル達も少し残念そうだ。もう少し我慢してね。
そんな中、人参とセロリが運良く手に入ったので、こちらもしっかりと栽培させてもらっている。これでソフリットが作れるようになり、ボロネーゼも本当に最低限の材料が揃ったことになった。もちろん、試食も済ませてあり、マーブル達も喜んで食べてくれていた。それにしても、水術があったおかげで、ソフリットも時短で作れるのは非常に助かる。仕込み時間が少ないのはこちらとしても願ったり叶ったりなのである。
もちろん、ボロネーゼだけではなく、他にもいくつか定番メニューは考えているし、実際にマーブル達にも食べてもらい、感想を聞いている。ただ、マーブル達は美味いしか言ってくれなくて、ここをこうして欲しいという意見はまず出てこないのだ。まあ、喜んで食べてくれているからそれでいいのかもしれないかな。
こんな感じで着々と準備が進んでいる中、マーブルが何かを探知したようだ。マーブルの様子からすると、何か戦闘状態になっているようだ。折角だから確認しに行きますか。
「マーブル、ジェミニ、ライム。この世界での初住人に出会えるかもしれないので、行ってみようと思いますが、どうですか?」
「ミャア!」「行くです!」「いくー!」
3人も賛成してくれたので、早速出発する、とはいえ、マーブル達のナビがないと行けないのは言うまでもなかった。
マーブル達は、いつもの定位置に飛び乗り、出発進行。ん? この方向は、お茶として収穫しているハーブが植えられている方向か。ありゃ、気配探知かけるの忘れてたよ、、、。
改めて気配探知をかけると、かなり詳しく探知できていた。襲っているのは、ストレイトウルフだな。数は、と、10体か。スピアーが7にランサーが3か。襲われているのは、2本足で行動するタイプだな。この動き方は人族だな。数は4人か。動きを見ていると、それなりの手練れだな。とはいえ、このままだとまずいな。
「マーブル、ジェミニ、ライム。相手が分かりました。スピアーが7にランサーが3という構成です。襲われているのは冒険者と覚しき4人です。折角なので手助けしましょう! そして、お肉も手に入れましょう!!」
「ミャア!」「お肉手に入れるです!」「おにく、おにく!」
ということで、襲撃現場へと急行した私達は、その様子を肉眼で捉えられるところまで来ました。ある程度気配を断って近づいたので、ここに来るまでストレイトウルフ達は気付かなかったようで、私達の接近に驚き、4人組への圧力が弱まっていた。また、それに気付いた4人組もこちらに気付いた。4人とも良い動きでどうにか防いでいたようだが、限界に近い様子だった。
「皆さん、大丈夫ですか? よろしければ、助太刀致しますが。」
「どなたかは知らんが、助かった!! できたら助けてもらいたいが、いかんせん相手は凶悪な魔物だ。無理はしないで欲しい!」
「ありがとう、では、お言葉に甘えて。マーブルはスピアー4体、ジェミニはスピアー3体に、ライムはランサー2体ね。私は武器がないから残りの1体を倒すからよろしく!!」
「ミャア!」「キュウ!」「ピー!」
いつも通りの可愛らしい敬礼で応えると、3人はそれぞれの獲物へと突っ込んでいった。私も残りの1体へと向かって行くと、私の獲物となるランサーは4人の冒険者から私へとターゲットを移し、こちらに向かって来た。私は心の中でガッツポーズを取った。逃げられたらどうしようかと内心ヒヤヒヤしていたからだ。
自慢の角での突きを軽くかわし、右腕で首を極め、左腕では腹の部分に手を添えた状態で体を横にひねって投げつける、いわゆるパワースラムのような感じだ。とはいえ、首をネックロック状態で固定しているから、正確にはパワースラムではないが。
右腕を固定したまま、マウントの状態をとってそのままネックロック状態で首の骨を折ると、ランサーは少しして体の力がなくなった。一丁上がりだ。
私がランサーを仕留めた後、空間収納へとしまって一息ついて周りを見ると、3人とも無事仕留めたようだ。スピアー達はどれも綺麗に首が刎ねられており、ランサーの2体は、頭の部分が潰れていた。ライムさんや、どうしたら、あんな吹き飛び方するんだい? さてと、気を取り直して、今マーブル達が仕留めたストレイトウルフ達を空間収納へとしまう。
「みんな、お疲れ様。あ、ライムは治療を頼むね。」
ライムは嬉しそうに4人の所へと向かって、神聖魔法で治癒を行った。
「あ、傷がふさがってる!?」
「え? スライムが治癒魔法!?」
「回復量が半端じゃないぞ、これ、、、。」
「え? たった1回の魔法でこの範囲だと!?」
4人の冒険者は、それぞれライムの魔法に驚いていたようだった。
「さて、みなさんご無事ですか? 一応、うちのライムに治癒の魔法をかけてもらいましたけど、他に痛むところとかないですか?」
「ありがとう、、、。君達のおかげで無事助かったよ。ところで、誠に申し訳ないが、何か食料となるものを持っていないか? 正直言うと、町に戻る体力が残っていなくてな。このお礼は必ずするから。」
「では、私の家まで案内しましょう。我が家は食堂を経営しているので、食事の代金を払ってくれればそれで十分だから。」
「「「食堂!?」」」
「ええ、食堂ですよ。まあ、折角ですから案内しますよ。歩いて付いてこられますか? 無理そうなら荷台でよろしければ、そちらに乗ってくれて構いませんので。」
「ありがとう、正直歩くのもつらいんだ。」
空間収納から荷台を取り出す。
「言いたくなければ答えなくてもいいんだが、ひょっとして収納スキル持ちか?」
「ええ、容量は少ないですがね。さあ、お乗り下さい。」
そう言って、4人は荷台に乗った。私が引いていこうとしたら、マーブル達が引くところに行って、アピールしていた。どうやら引いていきたいようだ。
「マーブル達が引きたいのね。じゃあ、お願いしますか!」
「ミャア!!」「キュウ!!」
ありゃ、ライムは私の頭の上に乗ったか。じゃあ、2人に引いてもらいましょうかね。可愛いなと思いつつ、マーブルとジェミニにそれぞれ荷台を引く用の装備を空間収納から取りだして装着する。その一連の遣り取りに4人の冒険者達は唖然としていた。まあ、そりゃあそうだよね。でも、これからさらに驚きますけどねぇ。
「じゃあ、出発です、マーブル、ジェミニ、よろしく。4人のみなさんは空腹だろうから、さっさと行くとしましょう!」
私の合図で、荷車は進み出した。案の定、4人の冒険者達は驚きを隠せない状態だった。無理も無い、私が水術を使った速度の移動でもかなりの速さなのに、4人を乗せた荷車を引っ張るマーブル達も同じような速度で走っているのだ。ちなみにジェミニの大きさは、一般的な大人のウサギサイズ、つまり小さいということ。マーブルも生後5ヶ月の子猫の大きさでしかない。そんな2人が荷車を訳も無く引っ張っているのだ。そりゃ、知らないと驚くだろう。
驚く4人をよそに、荷車と私達は家に無事到着した。
あ、4人の名前まだ聞いてないや。
まだまだ改良の余地があれども、ひとまずボロネーゼを作れるようになった。とはいえ、小麦粉も正直まだまだ不十分だし、現時点でも安心できるレベルとはいえないけど、最低限必要な植物は栽培し始めているので、無事に育つことを祈るばかりの状態かな。マーブル、ジェミニ、ライムの3種類は最低限抑えておくにしても、肉の在庫によって日替わりとして別の肉を提供するのもアリだね。
まあ、そんなことを考えていても、こんな危険な場所には基本的に客など来ない。そもそも私達自身が町はおろか、人のいる集落すら見つけていない、というか本気で探してすらいない。本音を言ってしまうと、十分に提供できる状態で無いので、しばらくは採集を続けて在庫の量を増やす方が先決だと思う。
そんなこんなで、私達の拠点というか家が完成して3ヶ月が経過した。はい、魔物としか接触しておりません。森の恵みを優先して採集しているので、魔物自体はそこまで気合を入れて狩っていないけど、それでも肉よりも植物の在庫の方が少ない状態である。とはいえ、マーブル達とは日々楽しく過ごせているので、現状不満とかそういったものはない。むしろ、邪魔者が来ない分今の方が幸せに暮らしていると思う。
植えた植物やら、カエデの木はどうなったかというと、小麦と大麦は予想以上に成長してくれ、かなりの量を収穫できたのは大きい。トマトもこの世界では不思議と一年中成長するタイプのようで、ハウス栽培にしなくても十分な量を収穫できている。その他にも大豆やジャガイモなども順調に収穫でき一安心だ。カエデの木はもう少し様子を見た方がいいようで、それについてはマーブル達も少し残念そうだ。もう少し我慢してね。
そんな中、人参とセロリが運良く手に入ったので、こちらもしっかりと栽培させてもらっている。これでソフリットが作れるようになり、ボロネーゼも本当に最低限の材料が揃ったことになった。もちろん、試食も済ませてあり、マーブル達も喜んで食べてくれていた。それにしても、水術があったおかげで、ソフリットも時短で作れるのは非常に助かる。仕込み時間が少ないのはこちらとしても願ったり叶ったりなのである。
もちろん、ボロネーゼだけではなく、他にもいくつか定番メニューは考えているし、実際にマーブル達にも食べてもらい、感想を聞いている。ただ、マーブル達は美味いしか言ってくれなくて、ここをこうして欲しいという意見はまず出てこないのだ。まあ、喜んで食べてくれているからそれでいいのかもしれないかな。
こんな感じで着々と準備が進んでいる中、マーブルが何かを探知したようだ。マーブルの様子からすると、何か戦闘状態になっているようだ。折角だから確認しに行きますか。
「マーブル、ジェミニ、ライム。この世界での初住人に出会えるかもしれないので、行ってみようと思いますが、どうですか?」
「ミャア!」「行くです!」「いくー!」
3人も賛成してくれたので、早速出発する、とはいえ、マーブル達のナビがないと行けないのは言うまでもなかった。
マーブル達は、いつもの定位置に飛び乗り、出発進行。ん? この方向は、お茶として収穫しているハーブが植えられている方向か。ありゃ、気配探知かけるの忘れてたよ、、、。
改めて気配探知をかけると、かなり詳しく探知できていた。襲っているのは、ストレイトウルフだな。数は、と、10体か。スピアーが7にランサーが3か。襲われているのは、2本足で行動するタイプだな。この動き方は人族だな。数は4人か。動きを見ていると、それなりの手練れだな。とはいえ、このままだとまずいな。
「マーブル、ジェミニ、ライム。相手が分かりました。スピアーが7にランサーが3という構成です。襲われているのは冒険者と覚しき4人です。折角なので手助けしましょう! そして、お肉も手に入れましょう!!」
「ミャア!」「お肉手に入れるです!」「おにく、おにく!」
ということで、襲撃現場へと急行した私達は、その様子を肉眼で捉えられるところまで来ました。ある程度気配を断って近づいたので、ここに来るまでストレイトウルフ達は気付かなかったようで、私達の接近に驚き、4人組への圧力が弱まっていた。また、それに気付いた4人組もこちらに気付いた。4人とも良い動きでどうにか防いでいたようだが、限界に近い様子だった。
「皆さん、大丈夫ですか? よろしければ、助太刀致しますが。」
「どなたかは知らんが、助かった!! できたら助けてもらいたいが、いかんせん相手は凶悪な魔物だ。無理はしないで欲しい!」
「ありがとう、では、お言葉に甘えて。マーブルはスピアー4体、ジェミニはスピアー3体に、ライムはランサー2体ね。私は武器がないから残りの1体を倒すからよろしく!!」
「ミャア!」「キュウ!」「ピー!」
いつも通りの可愛らしい敬礼で応えると、3人はそれぞれの獲物へと突っ込んでいった。私も残りの1体へと向かって行くと、私の獲物となるランサーは4人の冒険者から私へとターゲットを移し、こちらに向かって来た。私は心の中でガッツポーズを取った。逃げられたらどうしようかと内心ヒヤヒヤしていたからだ。
自慢の角での突きを軽くかわし、右腕で首を極め、左腕では腹の部分に手を添えた状態で体を横にひねって投げつける、いわゆるパワースラムのような感じだ。とはいえ、首をネックロック状態で固定しているから、正確にはパワースラムではないが。
右腕を固定したまま、マウントの状態をとってそのままネックロック状態で首の骨を折ると、ランサーは少しして体の力がなくなった。一丁上がりだ。
私がランサーを仕留めた後、空間収納へとしまって一息ついて周りを見ると、3人とも無事仕留めたようだ。スピアー達はどれも綺麗に首が刎ねられており、ランサーの2体は、頭の部分が潰れていた。ライムさんや、どうしたら、あんな吹き飛び方するんだい? さてと、気を取り直して、今マーブル達が仕留めたストレイトウルフ達を空間収納へとしまう。
「みんな、お疲れ様。あ、ライムは治療を頼むね。」
ライムは嬉しそうに4人の所へと向かって、神聖魔法で治癒を行った。
「あ、傷がふさがってる!?」
「え? スライムが治癒魔法!?」
「回復量が半端じゃないぞ、これ、、、。」
「え? たった1回の魔法でこの範囲だと!?」
4人の冒険者は、それぞれライムの魔法に驚いていたようだった。
「さて、みなさんご無事ですか? 一応、うちのライムに治癒の魔法をかけてもらいましたけど、他に痛むところとかないですか?」
「ありがとう、、、。君達のおかげで無事助かったよ。ところで、誠に申し訳ないが、何か食料となるものを持っていないか? 正直言うと、町に戻る体力が残っていなくてな。このお礼は必ずするから。」
「では、私の家まで案内しましょう。我が家は食堂を経営しているので、食事の代金を払ってくれればそれで十分だから。」
「「「食堂!?」」」
「ええ、食堂ですよ。まあ、折角ですから案内しますよ。歩いて付いてこられますか? 無理そうなら荷台でよろしければ、そちらに乗ってくれて構いませんので。」
「ありがとう、正直歩くのもつらいんだ。」
空間収納から荷台を取り出す。
「言いたくなければ答えなくてもいいんだが、ひょっとして収納スキル持ちか?」
「ええ、容量は少ないですがね。さあ、お乗り下さい。」
そう言って、4人は荷台に乗った。私が引いていこうとしたら、マーブル達が引くところに行って、アピールしていた。どうやら引いていきたいようだ。
「マーブル達が引きたいのね。じゃあ、お願いしますか!」
「ミャア!!」「キュウ!!」
ありゃ、ライムは私の頭の上に乗ったか。じゃあ、2人に引いてもらいましょうかね。可愛いなと思いつつ、マーブルとジェミニにそれぞれ荷台を引く用の装備を空間収納から取りだして装着する。その一連の遣り取りに4人の冒険者達は唖然としていた。まあ、そりゃあそうだよね。でも、これからさらに驚きますけどねぇ。
「じゃあ、出発です、マーブル、ジェミニ、よろしく。4人のみなさんは空腹だろうから、さっさと行くとしましょう!」
私の合図で、荷車は進み出した。案の定、4人の冒険者達は驚きを隠せない状態だった。無理も無い、私が水術を使った速度の移動でもかなりの速さなのに、4人を乗せた荷車を引っ張るマーブル達も同じような速度で走っているのだ。ちなみにジェミニの大きさは、一般的な大人のウサギサイズ、つまり小さいということ。マーブルも生後5ヶ月の子猫の大きさでしかない。そんな2人が荷車を訳も無く引っ張っているのだ。そりゃ、知らないと驚くだろう。
驚く4人をよそに、荷車と私達は家に無事到着した。
あ、4人の名前まだ聞いてないや。
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