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【11】護衛の復讐 ――ジョエルSIDE
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オレは、生まれてこの方、抱えたことのない怒りを覚えた。
オレに抱きついて泣いているミルティアお嬢様。
ただでさえ、昔のトラウマで苦しんでいるのに、またこんなことになって。
……実はレイブンと婚約してからはトラウマが良くなってきているのを感じていた。
なのに――
オレは、泣いているミルティアお嬢様にこっそり、持ち歩いてる魔法スクロールで眠りの魔法をかけた。
誘眠程度の軽い魔法だ。
ミルティアお嬢様の寝付きが悪い時に使ったり、オレが留守にする時に使用されてる。
彼女は今、眠ってしまったほうが良い。
オレは彼女を眠らせると、そのまま屋敷へとテレポートし、事情は当主様に話してから、と彼女を侍女に預けた。
さて。
旦那様に事件のあらましを伝えるまえにオレには、やることがある。
オレは再びテレポートして、夜会会場へと戻った。
◆
ミルティアお嬢様の話しだと、『彼ら』は庭園にいたという事だったが、もうそこにはいなかった。
探し当てた時は、個室で婚前交渉におよぼうとしていたところだった。
邪魔してすいませんね。――けど、オレ許せないんですよね。
彼らが両思いなのはどうでもいい、知っていたし。
いつかはこうなるだろうと思っていたし、それでも『オレのミルティア』がレイブンを諦めきれないだろうから、いつかは傷つくとは思いつつも、彼女の好きにさせてやりたかった。
しかし。しかし、だ。
「ミルティアお嬢様を夜会会場で放ったらしにして、ちちくりあおうとしてるカップルはこちらですかねー」
乱れた服装で重なり合うベッドの上の二人の脇に、オレは亡霊のように立ち、唐突にそう言った。
不敬罪? 知らん、そんなこと。
「ジョ……ジョエル!?」
「ち、ちちくり……!?」
「それとも、また喧嘩っすか。ベッドの上で格闘するまで意見がこじれたんですかー(棒)」
まだ衣類は身につけていた二人は、慌てて起き上がる。
いや~、すいませんね、盛り上がりに盛り上がったお楽しみ寸前で、お邪魔しまして。
きっと一生に一度あるかないかの最高の夜を中断してしまって、ホントすいません。
多分もう今日ほどの盛り上がりは、今後ないっすね。一生物の夜の思い出を台無しにして、すんません。
しかし、こちとらお前らが許せないんですよ。
ミルティアだって今夜はデビュタント。
それこそ一生物の思い出の夜だったはずだ。
……なのに、こいつらは。
庭園でちちくりあうだけならまだしも、お泊りコース?
完全にミルティアのこと忘れきっている。
許せない。
それにオレは、アシュリード家の騎士だから、未婚であるテレジア(呼び捨て)の貞操を守る義務がある。
ほんとすいません。悪気は有ります。
ついでに言うと、お前らの専属護衛とテレジアのパートナーもどこ行ったんだ。
護衛はともかくパートナーほったらかしは、家門の体裁的にヤバイだろ。
いくら長年の思いを告げて両思いになったからって、弾けすぎだろ。周囲への迷惑考えろ。
それとも今宵一晩だけの悲劇の恋人ごっこでもするつもりだったか。
――それはともかく、だ。
オレの根底の怒りは、オレのミルティアを燃料(ダシ)にしたことだ。
ミルティアの介入がなければ、何年もだらだらと告白できなかったような意志薄弱な奴らが、ロマンチックに月明かりのなか抱き合い、そのまま気持ち良い思いを遂げてめでたしめでたしするだと?
そんなことは許されない。
少なくとも、このオレは許さん。
ミルティアは、考え方に幼さが残るが、それでもひたむきに生きている彼女が――オレは可愛いんですよね。
あんなふうに……泣かさないでくださいよね。
「レイブン様。失礼ですが、あなたは私の主であるミルティアお嬢様のパートナーだったかと認識しているのですが、違いましたでしょうか。こちらで何を? しかも我がアシュリード家の跡取り娘であり未婚のテレジアお嬢様の上にまたがっていらっしゃるのは、ずいぶんとマナーが悪いのではないでしょうか」
オレは、脱ぎ散らかされ床に転がってる靴や、アクセサリーをわざとらしく見て、明らかに解っていることを嫌味ったらしく質問する。
場合によっては強制わいせつとして報告してやるぞ、という意味も含めて。
「あ……いや、その通りだが。いや、その……これは」
「ジョエル、これは、……ち、ちがうの」
レイブンは常識ある令息なので、自分がいま手順をかっとばした間違いを犯そうとしていたことはわかっているんだろう。
まあ人生そういうこともありますよね。若いみそらですし。オレのほうがひとつ年下ではありますが。
わかりますよ、オレだって元カノとは、その場の雰囲気でなだれこんだこともありますし。
でもあなた達はオレなんかとは立場が違うでしょーが。
万が一、赤ん坊ができたら、オレの純粋なミルティアの教育に悪い。
結婚してからにしてくださいよね。
あと、テレジアお嬢様、違うのって何が違うんですかね。
普段は利発なご令嬢が言葉につまっているのを見るのは、ちょっと楽しいですね。
だからって許しませんけど。
「レイブン様、ミルティアお嬢様が今どうされているかご存知ですか?」
「え? ミルティア……」
明らかにしまった、という顔をした。
言われるまで忘れてたんですよね、わかります。
とても楽しい時間でしたからね。
ミルティアのことなんて頭の片隅にもなかったんでしょうね。
「ミルティアお嬢様は、あなたを追いかけて庭園にでました。そこであなた達のちちくり、もとい密会を見てショックを受けられました」
「み、ミルティアが、見ていたの!?」
驚愕するテレジア。
賢い令嬢だと思っていたのに、意外と頭悪いなおまえ。
レイブンがおまえを追ってきたら、ミルティアだって近くにいる可能性を考えろよな。……と言いたい所だが、無理な話だな、うん。
完全に恋に酔ってたもんな。
「そうですよ。その後ショックで庭園をふらついたミルティアお嬢様は、知らない令息に空き部屋に連れ込まれました。パートナーがちゃんと気を配っていれば、そんなことは起きなかったでしょうね」
オレはレイブンに向き直ってそう言った。
レイブンは、サーッと青ざめた。
「なんだって……! それで、ミルティアは……」
「オレが幸い助けに入り無事ではありますが、かなりのショックを受けられています。あなた達の密会のことも合わせてね」
「あ……」
「ミルティアなんてこと……!」
ほんと、なんてことだよ。
「僕が、会場においていってそのままにしてしまったから……ミルティアにあわせる顔がない……」
「私達のせいで、怖い目に合わせてしまったの? どうしよう……!」
そうですね、とりあえず。
もう声をかけられる相手じゃなくなりましたよねー。
大切にはしていたんだろうが、利用もしてたよな、いままで。
ミルティアは、お前らにとって都合の良い存在でもあったんだろ。
お前たちは成年して、二人きりだとしょっちゅう会うのが難しい年齢だが、ミルティアを挟めば「二人で遊んでやってる」という体裁ができるもんな。
意識してやってたかは知らんが、そういうことだろ。
たまにミルティア残して二人で消えてたし。
「この件は、きちんとご当主様にお伝えします。――しばらくミルティア様には近づかないでください。トラウマが悪化する恐れがありますからね。では、あなたたちの護衛を呼んできます。レイブン様、テレジア様……秘めた思いが結ばれたこと、おめでとうございます。もっとも、ご当主様がお二人の今後の関係をお許しになるかどうかは……わかりませんがね」
「ま、待ってくれ。僕たちはまだなにも……っ」
「全く何もなかった、なんて無理ですよ――おや、ミルティア様のことより、自分たちのことですか? ……最低ですね(ボソ)」
「……」
テレジアは言葉をなくして、青い顔だった。
二人に不穏な空気を残して俺は去った。彼らが常識的である分、きっと効くだろう。
オレは性格が悪い。
二人がこのあとどうなるか楽しみだな。
ただ……ミルティアは二人が傷つくことを望まないだろうな、と思うと、多少の罪悪感も覚える。
けれど、ミルティア。あなたを逢瀬の材料にされたこと、オレはどうしても許せなかったんですよ。
オレに抱きついて泣いているミルティアお嬢様。
ただでさえ、昔のトラウマで苦しんでいるのに、またこんなことになって。
……実はレイブンと婚約してからはトラウマが良くなってきているのを感じていた。
なのに――
オレは、泣いているミルティアお嬢様にこっそり、持ち歩いてる魔法スクロールで眠りの魔法をかけた。
誘眠程度の軽い魔法だ。
ミルティアお嬢様の寝付きが悪い時に使ったり、オレが留守にする時に使用されてる。
彼女は今、眠ってしまったほうが良い。
オレは彼女を眠らせると、そのまま屋敷へとテレポートし、事情は当主様に話してから、と彼女を侍女に預けた。
さて。
旦那様に事件のあらましを伝えるまえにオレには、やることがある。
オレは再びテレポートして、夜会会場へと戻った。
◆
ミルティアお嬢様の話しだと、『彼ら』は庭園にいたという事だったが、もうそこにはいなかった。
探し当てた時は、個室で婚前交渉におよぼうとしていたところだった。
邪魔してすいませんね。――けど、オレ許せないんですよね。
彼らが両思いなのはどうでもいい、知っていたし。
いつかはこうなるだろうと思っていたし、それでも『オレのミルティア』がレイブンを諦めきれないだろうから、いつかは傷つくとは思いつつも、彼女の好きにさせてやりたかった。
しかし。しかし、だ。
「ミルティアお嬢様を夜会会場で放ったらしにして、ちちくりあおうとしてるカップルはこちらですかねー」
乱れた服装で重なり合うベッドの上の二人の脇に、オレは亡霊のように立ち、唐突にそう言った。
不敬罪? 知らん、そんなこと。
「ジョ……ジョエル!?」
「ち、ちちくり……!?」
「それとも、また喧嘩っすか。ベッドの上で格闘するまで意見がこじれたんですかー(棒)」
まだ衣類は身につけていた二人は、慌てて起き上がる。
いや~、すいませんね、盛り上がりに盛り上がったお楽しみ寸前で、お邪魔しまして。
きっと一生に一度あるかないかの最高の夜を中断してしまって、ホントすいません。
多分もう今日ほどの盛り上がりは、今後ないっすね。一生物の夜の思い出を台無しにして、すんません。
しかし、こちとらお前らが許せないんですよ。
ミルティアだって今夜はデビュタント。
それこそ一生物の思い出の夜だったはずだ。
……なのに、こいつらは。
庭園でちちくりあうだけならまだしも、お泊りコース?
完全にミルティアのこと忘れきっている。
許せない。
それにオレは、アシュリード家の騎士だから、未婚であるテレジア(呼び捨て)の貞操を守る義務がある。
ほんとすいません。悪気は有ります。
ついでに言うと、お前らの専属護衛とテレジアのパートナーもどこ行ったんだ。
護衛はともかくパートナーほったらかしは、家門の体裁的にヤバイだろ。
いくら長年の思いを告げて両思いになったからって、弾けすぎだろ。周囲への迷惑考えろ。
それとも今宵一晩だけの悲劇の恋人ごっこでもするつもりだったか。
――それはともかく、だ。
オレの根底の怒りは、オレのミルティアを燃料(ダシ)にしたことだ。
ミルティアの介入がなければ、何年もだらだらと告白できなかったような意志薄弱な奴らが、ロマンチックに月明かりのなか抱き合い、そのまま気持ち良い思いを遂げてめでたしめでたしするだと?
そんなことは許されない。
少なくとも、このオレは許さん。
ミルティアは、考え方に幼さが残るが、それでもひたむきに生きている彼女が――オレは可愛いんですよね。
あんなふうに……泣かさないでくださいよね。
「レイブン様。失礼ですが、あなたは私の主であるミルティアお嬢様のパートナーだったかと認識しているのですが、違いましたでしょうか。こちらで何を? しかも我がアシュリード家の跡取り娘であり未婚のテレジアお嬢様の上にまたがっていらっしゃるのは、ずいぶんとマナーが悪いのではないでしょうか」
オレは、脱ぎ散らかされ床に転がってる靴や、アクセサリーをわざとらしく見て、明らかに解っていることを嫌味ったらしく質問する。
場合によっては強制わいせつとして報告してやるぞ、という意味も含めて。
「あ……いや、その通りだが。いや、その……これは」
「ジョエル、これは、……ち、ちがうの」
レイブンは常識ある令息なので、自分がいま手順をかっとばした間違いを犯そうとしていたことはわかっているんだろう。
まあ人生そういうこともありますよね。若いみそらですし。オレのほうがひとつ年下ではありますが。
わかりますよ、オレだって元カノとは、その場の雰囲気でなだれこんだこともありますし。
でもあなた達はオレなんかとは立場が違うでしょーが。
万が一、赤ん坊ができたら、オレの純粋なミルティアの教育に悪い。
結婚してからにしてくださいよね。
あと、テレジアお嬢様、違うのって何が違うんですかね。
普段は利発なご令嬢が言葉につまっているのを見るのは、ちょっと楽しいですね。
だからって許しませんけど。
「レイブン様、ミルティアお嬢様が今どうされているかご存知ですか?」
「え? ミルティア……」
明らかにしまった、という顔をした。
言われるまで忘れてたんですよね、わかります。
とても楽しい時間でしたからね。
ミルティアのことなんて頭の片隅にもなかったんでしょうね。
「ミルティアお嬢様は、あなたを追いかけて庭園にでました。そこであなた達のちちくり、もとい密会を見てショックを受けられました」
「み、ミルティアが、見ていたの!?」
驚愕するテレジア。
賢い令嬢だと思っていたのに、意外と頭悪いなおまえ。
レイブンがおまえを追ってきたら、ミルティアだって近くにいる可能性を考えろよな。……と言いたい所だが、無理な話だな、うん。
完全に恋に酔ってたもんな。
「そうですよ。その後ショックで庭園をふらついたミルティアお嬢様は、知らない令息に空き部屋に連れ込まれました。パートナーがちゃんと気を配っていれば、そんなことは起きなかったでしょうね」
オレはレイブンに向き直ってそう言った。
レイブンは、サーッと青ざめた。
「なんだって……! それで、ミルティアは……」
「オレが幸い助けに入り無事ではありますが、かなりのショックを受けられています。あなた達の密会のことも合わせてね」
「あ……」
「ミルティアなんてこと……!」
ほんと、なんてことだよ。
「僕が、会場においていってそのままにしてしまったから……ミルティアにあわせる顔がない……」
「私達のせいで、怖い目に合わせてしまったの? どうしよう……!」
そうですね、とりあえず。
もう声をかけられる相手じゃなくなりましたよねー。
大切にはしていたんだろうが、利用もしてたよな、いままで。
ミルティアは、お前らにとって都合の良い存在でもあったんだろ。
お前たちは成年して、二人きりだとしょっちゅう会うのが難しい年齢だが、ミルティアを挟めば「二人で遊んでやってる」という体裁ができるもんな。
意識してやってたかは知らんが、そういうことだろ。
たまにミルティア残して二人で消えてたし。
「この件は、きちんとご当主様にお伝えします。――しばらくミルティア様には近づかないでください。トラウマが悪化する恐れがありますからね。では、あなたたちの護衛を呼んできます。レイブン様、テレジア様……秘めた思いが結ばれたこと、おめでとうございます。もっとも、ご当主様がお二人の今後の関係をお許しになるかどうかは……わかりませんがね」
「ま、待ってくれ。僕たちはまだなにも……っ」
「全く何もなかった、なんて無理ですよ――おや、ミルティア様のことより、自分たちのことですか? ……最低ですね(ボソ)」
「……」
テレジアは言葉をなくして、青い顔だった。
二人に不穏な空気を残して俺は去った。彼らが常識的である分、きっと効くだろう。
オレは性格が悪い。
二人がこのあとどうなるか楽しみだな。
ただ……ミルティアは二人が傷つくことを望まないだろうな、と思うと、多少の罪悪感も覚える。
けれど、ミルティア。あなたを逢瀬の材料にされたこと、オレはどうしても許せなかったんですよ。
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