強気なうさぎはNO.1ホスト様には懐かない

8-4★

　宙也はそう言うと嬉しそうに笑んで、額をこつん、とつけた。その笑顔に引かれ、累も微笑む。
「好きだ、累。累も、俺の名前、ちゃんと呼んで？」
「……宙也、さん……」
　遠慮がちに累が宙也を呼ぶと、宙也は累をぎゅっと抱きしめ、そのままベッドに転がった。
　累を組み敷き、宙也が少し真剣な顔をする。
「俺は、累が望むなら、番になるよ。ちゃんと、累たちの習慣も受け入れる。だから今は……俺を受け入れてくれないか？」
「……ありがとう、宙也さん」
　累はそう言って微笑むと、少し体を起こして、宙也にキスをした。そのキスは次第に深くなり、宙也の舌が累の口の中を全て舐め切る頃には、累の頭はその心地良さにぼんやりとしていた。
「やばい……めっちゃ可愛い」
　宙也は嬉しそうな、けれど切なそうな表情でそう言うと、累が着ていたＴシャツの裾から手を入れ、そのままたくし上げる。肌を撫でられ、びくりとそれに大きく反応してしまう。恥ずかしくて宙也を見上げるが、その表情は優しかった。何も言わないけれど、大丈夫、と言われている気がして累が手を伸ばす。宙也がそれを受け止め、指を絡め、手の甲にキスをする。それから片手で累のパンツのボタンとファスナーを開けた。
「宙也、さん……」
　無防備な姿にされ、累が不安で宙也を呼ぶと、宙也は累の頬にキスをして微笑む。
「累の全部、貰ってもいい？」
　前回のように途中では止めない、ということだろう。累にだってその覚悟はあるし、宙也がしてくれるのなら、全部をあげたいと思っていた。だからこそ、ちゃんと確認したい。後悔したくないし、してほしくない。
「オレでいいんですか……？　オレ、こんな耳だし、半分うさぎなんですよ？　人間じゃないのに……」
「でも、累だろ？　なら、半分うさぎだろうが、何だろうがいいよ。むしろ、耳も尻尾も可愛いし」
　その言葉に心臓がぎゅっと痛くなる。嬉しかった。他でもない『自分』を欲しいと思ってくれていることが嬉しい。
「……全部、貰ってください」
　累はそう言うと繋いだ宙也の手にキスをした。その瞬間、宙也が累に覆いかぶさる。胸にキスをして、乳首に吸い付く。その刺激に累の背中が弓なりにしなる。
「あ、や、急に……！」
「ごめん、余裕ない」
　宙也はそう言うと、累の中心に腰を擦りつけた。硬く熱い宙也の欲望を感じて、累は顔を赤くした。自分の体を見てこうなっているのが嬉しいし、これから宙也と繋がるのだと思うとやっぱり期待してしまう。
　宙也は言葉通り、少し乱暴な手つきで累の中心を下着から取り出すとそれを上下に扱く。長い指が絡まるその感覚に累が声を漏らす。恥ずかしくて口を塞ごうと手を寄せるが宙也は繋いでいた手を解いて、それを制するようにその手を押さえた。
「全部貰っていいって、言っただろ？　声も欲しい」
　そんなことを言われ、累は驚いて宙也を見つめた。全部、の範囲が広すぎてなんだか笑ってしまう。
「宙也さん、欲張りですね」
「そうだよ。累の一部だって、誰にも渡したくない」