精悍な囚人騎士を護送したら溺愛されました

吉桜美貴

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本編

38. わ……すご……

 わ……すご……。こんな素敵な経験、したことないかも……
 深く口づけをされ、キャンディスは恍惚となっていた。
 最初こそ乱暴だったキスも、今は穏やかで優しい。強面のアランからは到底想像できないぐらいに。
 男の人ってこんなに優しくなれるものなんだ……
 感動に近いものがキャンディスの胸に湧き上がる。普段、粗野で横柄な男しかいない隊にいるから、感慨もひとしおだ。
 舌の表面を舌先でくすぐられ、骨の髄までジィーンと痺れた。
 あ……甘い……
 やがて、口内は彼の舌でいっぱいになる。
 同時に、両方の乳房をいやらしく揉まれ、先端の蕾は石みたいに硬くなった。
 んぅ……。キスされながら、さわられるの、すっごく気持ちいい……かも……
 蕾をキュッと摘ままれ、ゾクッと鳥肌が立つ。
 アランに触れられたところは、どこもかしこもうっとりするような快感が弾ける。まるで魔法みたいだ。
 アランの唇が離れ、じっと覗き込まれた。
 あ……綺麗……
 銀の月みたいな瞳に、キャンディスの顔が映っている。
 私、アランに恋してる……
 今まで異性を好きになった経験はない。異性どころか人類に興味がなく、動植物だけが興味の対象だった。一応うら若き乙女なので、恋愛にまったく興味がないと言えば嘘になるけど、優先順位は低い。切羽詰まった家計のことや、これからなにを生業とし、どう生きていくかで頭がいっぱいだったから。
 けど、憧れはあった。
 本の虫と揶揄されてきたのは伊達じゃない。聖典から大衆娯楽まで、ジャンル問わず熱心に読みまくってきた。宮廷ロマンやドラマティックな恋愛ものも好きだ。
 愛し愛される殿方と結婚して幸せになれるなんて、もちろん信じていない。
 たぶん、好きでもない老人と生活のために結婚し、これでいいんだと思い込みながら生きていくんだろう。
 いつだって「なにがマシか」の選択肢しかなかった。現実なんてそんなものだし、別にいい。こんな世の中だし、とっくにあきらめている。
 けど、憧れるだけなら自由だ。
 生涯に一度ぐらい、詩人に語り継がれるような恋をしてみたい。別に成就しなくていい。バッドエンドで構わない。せめて身も心も焦がすような、一世一代の本気の恋を……
 きっと恋しないよりは、したほうが人生は豊かだろうから。
 ただ不安はあった。
 こんな自分に恋なんてできるだろうか?
 そもそも「恋する」という感情がわからない。いったいどういう状態なのか。物語で語られるように盲目的にのめり込めるんだろうか?
 万が一チャンスが到来したとき、これが恋だと気づけるの? 恋って、私にもちゃんとできるかな……?
 今ひとつ自信がなかった。
 けど、今ならはっきりわかる。大丈夫、ちゃんと気づける。こういうのはゴチャゴチャ理屈で考えるものじゃないんだ。
「キャンディス……」
 アランに名を呼ばれただけで、胸がいっぱいになり、体も熱くなった。
 私がアランを好きなのと同じように、アランも私のことを……?
 そうなのかもしれない。直接的な言葉はないけど。
 アランの唇が下りてきて、チュッと頬にキスされる。彼を好きな気持ちが小さな泡みたく弾けた。
「キャンディス、綺麗だ……」
 アランからの称賛は素直にうれしい。
 れろり、と首筋を舐められ、背筋が震える。彼になら、どこを舐められても感じてしまう。
 鎖骨にキスされ、乳房の柔らかいところを甘噛みされた。
 肌に食い込む歯の硬さが好ましい。もっと中心に触れてほしい。
 もどかしさが募り、乳房の蕾がツンと尖る。
「あぁ……。キャンディス……」
 興奮で上ずる声も素敵だ。
 湿った息が蕾にかかり、よく濡れた舌が、ぬるりと蕾に巻きついた。
「あぅっ……」
 くすぐったいっ……!
 あったかくて、ぬるぬるして、いやらしい。
 そのまま甘く吸い上げられ、思わず吐息が漏れた。
「ああ……」
 すっごく気持ちよくて、夢の中にいるみたい……
 二つの蕾を交互に優しく吸われ、下腹部の奥がもやもやと疼く。
 アランが動くたびに、硬い怒張が太腿を掠め、堪らなくドキドキした。彼の中で抑え込まれた興奮が伝わってくる。
 アラン。好き……
 やにわにアランは腕を下へ伸ばし、秘裂に触れた。
 そっと花びらをめくられ、割れ目をなぞられる。
「もうびしょびしょだ。感じやすいんだな……」
 感心したように言われ、無性に恥ずかしい。なにも答えられない。
 指先で優しくクチュクチュされ、恍惚となった。
「あっ……。あぁ……あ……」
 蜜口から、ぬるっと指が挿入はいってくる感触。浅いところを掻き回され、どんどん蜜が溢れ出す。
「んぅ……。んぁっ……」
 ここを触られるの、こんなに気持ちいいなんて……
 うっとりしていると、もう一本指が増やされた。
 より深く挿れられ、二本の指で奥を探られ、快感がより強くなる。
「はぁ……。んんぅ……」
 伸ばした二本指がグッと開かれ、膣道を拡げられる。パクパクと繰り返され、ぐちゅぐちゅ、と微かな水音が響く。
 ゆっくりと優しく解され、心地よさに腰が痺れた。
 アランの指……硬くて、長くて、ゴツゴツしてて、好き……
 指だけじゃない。唇も舌も眼差しも、アランのなにもかもが好ましい。
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