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2わ「イデアル」

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「何か『チート』みたいなものはいただけるのでしょうか?」

そう『チート』
俺がもっとも憧れるあのチートだ

「そんなに焦らないでください
まずは転移する世界『イデアル』について少しだけ説明させていただきます」

おっと、いけない
何も考えず自分の欲しいものだけ追い求めてしまった

次からはもう少し順序だてて会話するか

女神様相手だと注意されても素直に受け入れれるな


女神様に少し謝ると笑顔を向けてくれた

やっぱりめっちゃ美しいな


「では、『イデアル』についてお話いたします
『イデアル』では今、転移が起きやすくなってます
理由は申し訳ございませんがお話出来ません


相づちをうち、隣を少し見るが、まだ隣の天希は話についてけているようで、安心だ

というか『転移が起きやすい』?
どういうことなんだろうな

「『イデアル』は魔法が使えるファンタジーな世界です」

おお!俺が望んでた世界じゃねえか!
思わず顔に喜びの色がでてしまう
隣を見ると少し不安そうな顔をしているが今は無視だ

「『イデアル』には大きな国が4つ、それと少数で独自に運営する村が無数にあり、森や魔界もあります」

ファンタジーっぽい!
ん、魔界?
ま、あるとは思ってたけどさ…

ここで思ったんだが女神様情報小出しにして俺らの反応楽しんでるよな

ま、いいや
魔界について聞いて見るかと思ったら女神様にこっちが話すのを遮られた

「次はお待ちかねの職業の発表です
職業は『ステータス』に関わる重要なものとなります」

と、興奮気味の女神様から小さい箱を渡された
いったいどこから出したんだよっていう疑問をもつのも無駄だな

開けて欲しそうにしてるし開けてみるか…
SDカードじゃねえか!

「えぇ、なにこれ?
SDカード?」

しばらく静かに聞いていた天希も思わず声をあげる

と思ったのもつかの間でなんとそのSDカードが手から身体のなかにめり込むように入ってくる

「え、あ、いや、いたいたいただだだだだだああああぁぁぁぁぁ…………………くない」

二人でまったく同じリアクションとっちゃったじゃねえかぁ!
女神様めっちゃ笑ってるし

かわいいから許すけど

「何この入りかた?
ってか何入れたんだよ」

思わず敬語を忘れたわ

「ふふふ、大事な大事な『ステータス』ですよ
あなたの望んでいる『チート』も入っているのではないでしょうか」

マジか

「ここから先ももっともっと不思議なことに出会うと思います
あなたたちが行くのは今までいた世界の常識の通じない『異世界』なのですから
そのための練習だと思ってください」

急に『異世界』の恐ろしさを感じたな
練習ってことはここに来たやつは皆やるんかな

ま、いいやどうせ転移は決定事項なら受け入れるしかねえだろ

ふと隣を見たら…

完全にグロッキーで放心状態の物体があったわ
少し復活まで待ってもらうか


「大丈夫でしょうか
では『ステータスオープン』と念じてみて下さい」

めっちゃワクワクするな


『ステータスオープン』


名前 佐渡翔
年齢  19
職業 悪魔
種族 魔人族
状態 正常

レベル 1
体力 250/250
魔力 100/100
俊敏性 100

魔法属性 闇 無
スキル 自己強化 覗き見 偽眼 犠牲 憑依 偽装



は?
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