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チヅル(後輩)×ユウヤ(先輩) Part2
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「ここにいるじゃないですか。こーこ!」
そう言って俺は、両手で先輩の両頬を押さえた。
「ふぇっ!?」
「ユウヤ先輩…俺、先輩のこと好きです。…逃げないで俺の気持ちに答えてください。」
数秒の間、俺と先輩は見つめあっていた。
「えっ…その…。ごめん!俺…彼女いるし、…男同士とか…無理…。」
俺は、フラれた悲しみで泣き出しそうになったが、必死にこらえた。そして、
「…ジョーダンですよ!冗談!…先輩ってば、本気にしちゃってw…あー。思い出しただけで笑えるw」
自分自身に冗談だったと言い聞かせた。この気持ちも、この涙も…全部偽物…そう言い聞かせた…。
「なっ!!あの状況だったら誰だって誤解するだろ!もー!次からどうやってお前と顔合わせたらいいか悩んでたんだぞ!」
「そんなんだと、詐欺に騙されますよー!あ、そうそう!俺の好きな人なんですけど、…ドタキャンされました。」
俺は、涙を拭いながら言った。
「そっか…。そんな可愛そうな後輩を慰めてあげようじゃないか!」
そう言って先輩は、俺の手を引いて学校を出た。
「着いたぞ!」
そう言って先輩は、俺の手を離した。
「…ここですか?」
「そう!俺の行きつけの喫茶店。ほらほら!入った入った!」
俺と先輩は、その喫茶店に入った。
店に入った瞬間、コーヒーの香りがした。市販のものとは違う、いい香りだ。
「2人おねがいしまーす!」
後ろから先輩が言った。
「では、こちらのお席へ…。」
女の人に案内された席は、カウンター…それも、【マスター】と呼ばれるのがとても似合いそうな男の前だった。
「ここのマスターお手製のケーキが美味いんだ。」
先輩が言った。やはり、目の前の男はマスターだったようだ。
「ケーキよりもコーヒーを頼んでほしいのですがね…。ご注文は何になさいますか?」
お皿を拭きながらマスターが言った。
「俺は、紅茶のミルクとフルーツタルト。チヅルは何にする?」
俺にメニューを見せながら先輩が聞いた。
「フルーツタルトと…コーヒーにします。」
「かしこまりました。」
マスターはニコッと微笑み、軽く会釈すると、注文の品を用意しだした。
「紅茶のミルクとコーヒー、フルーツタルトになります。そして…こちらはサービスです。」
さっき案内してくれた女性の店員が料理をカウンターに置きながら説明した。紅茶のミルクとコーヒー、フルーツタルトが2切れ、そして…ココアとバニラのクッキーがいくつか入ったガラス製の小さなボウルが1つ…。
「マスター?なんでクッキー?」
先輩がマスターに聞いた。
「ユウヤ様のお連れ様…チヅル様のお元気がないようでしたので、少々サービスさせて頂きました。」
マスターが俺を見て微笑んだ。
「さすがマスター…気が利く。ほらチヅル!クッキー全部食べていいから元気出せ!」
「っ!…ありがとうございます!」
俺はクッキーを1つ、口の中に入れた。
クッキーのほど良いバニラの甘さが、噛む度に口の中に広がった…
先輩と過ごした時間も、こんな感じで甘かった…
ココアのクッキーも、バニラと同様に口の中に甘さが広がった…でも、その後からくるココア特有の苦味が、バニラとは違った…
先輩と彼女さんがキスをした時も…心がズキズキして…痛くて…苦かった…
自然と涙が頬を伝った…でも、…どの感情の涙なのか、俺にはわからなかった…
「おい。大丈夫か?」
先輩が、指で俺の頬の涙を拭った。
触れられたところが熱くて…切なくて…また、涙が溢れた。
“先輩…大好きでした…。初めて恋を知れて…先輩と出会えて良かったです…。”
心の中でそう呟いて、俺の初恋は…幕を閉じた……
そう言って俺は、両手で先輩の両頬を押さえた。
「ふぇっ!?」
「ユウヤ先輩…俺、先輩のこと好きです。…逃げないで俺の気持ちに答えてください。」
数秒の間、俺と先輩は見つめあっていた。
「えっ…その…。ごめん!俺…彼女いるし、…男同士とか…無理…。」
俺は、フラれた悲しみで泣き出しそうになったが、必死にこらえた。そして、
「…ジョーダンですよ!冗談!…先輩ってば、本気にしちゃってw…あー。思い出しただけで笑えるw」
自分自身に冗談だったと言い聞かせた。この気持ちも、この涙も…全部偽物…そう言い聞かせた…。
「なっ!!あの状況だったら誰だって誤解するだろ!もー!次からどうやってお前と顔合わせたらいいか悩んでたんだぞ!」
「そんなんだと、詐欺に騙されますよー!あ、そうそう!俺の好きな人なんですけど、…ドタキャンされました。」
俺は、涙を拭いながら言った。
「そっか…。そんな可愛そうな後輩を慰めてあげようじゃないか!」
そう言って先輩は、俺の手を引いて学校を出た。
「着いたぞ!」
そう言って先輩は、俺の手を離した。
「…ここですか?」
「そう!俺の行きつけの喫茶店。ほらほら!入った入った!」
俺と先輩は、その喫茶店に入った。
店に入った瞬間、コーヒーの香りがした。市販のものとは違う、いい香りだ。
「2人おねがいしまーす!」
後ろから先輩が言った。
「では、こちらのお席へ…。」
女の人に案内された席は、カウンター…それも、【マスター】と呼ばれるのがとても似合いそうな男の前だった。
「ここのマスターお手製のケーキが美味いんだ。」
先輩が言った。やはり、目の前の男はマスターだったようだ。
「ケーキよりもコーヒーを頼んでほしいのですがね…。ご注文は何になさいますか?」
お皿を拭きながらマスターが言った。
「俺は、紅茶のミルクとフルーツタルト。チヅルは何にする?」
俺にメニューを見せながら先輩が聞いた。
「フルーツタルトと…コーヒーにします。」
「かしこまりました。」
マスターはニコッと微笑み、軽く会釈すると、注文の品を用意しだした。
「紅茶のミルクとコーヒー、フルーツタルトになります。そして…こちらはサービスです。」
さっき案内してくれた女性の店員が料理をカウンターに置きながら説明した。紅茶のミルクとコーヒー、フルーツタルトが2切れ、そして…ココアとバニラのクッキーがいくつか入ったガラス製の小さなボウルが1つ…。
「マスター?なんでクッキー?」
先輩がマスターに聞いた。
「ユウヤ様のお連れ様…チヅル様のお元気がないようでしたので、少々サービスさせて頂きました。」
マスターが俺を見て微笑んだ。
「さすがマスター…気が利く。ほらチヅル!クッキー全部食べていいから元気出せ!」
「っ!…ありがとうございます!」
俺はクッキーを1つ、口の中に入れた。
クッキーのほど良いバニラの甘さが、噛む度に口の中に広がった…
先輩と過ごした時間も、こんな感じで甘かった…
ココアのクッキーも、バニラと同様に口の中に甘さが広がった…でも、その後からくるココア特有の苦味が、バニラとは違った…
先輩と彼女さんがキスをした時も…心がズキズキして…痛くて…苦かった…
自然と涙が頬を伝った…でも、…どの感情の涙なのか、俺にはわからなかった…
「おい。大丈夫か?」
先輩が、指で俺の頬の涙を拭った。
触れられたところが熱くて…切なくて…また、涙が溢れた。
“先輩…大好きでした…。初めて恋を知れて…先輩と出会えて良かったです…。”
心の中でそう呟いて、俺の初恋は…幕を閉じた……
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