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この子は誰?
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「ねぇねぇお父さん。」
息子の裕太が話しかけてきた。
「愛ってなぁに?」
想像の斜め上の質問に少し姿勢が傾いだ。
「それはいつかわかるんじゃないかな?」
「いつかじゃなくて今知りたいの。」
息子は今年で5歳になる。こんなにもはっきりと言葉を操るものなのか、5歳児というのは。
「愛っていうのはね、お父さんやお母さんが裕太に与えているものだよ。」
「僕、ゲームとかはもらったことあるけど愛って見えないものなの?」
「見るものじゃなくて感じるものなんだよ。」
「ふうん、変なの。」
俺が知ってる5歳児のような発言を残して裕太はお母さんのところへ行った。
「ねぇねぇお母さん。」
息子の裕太が話しかけてきた。
「愛ってお父さんやお母さんが僕にくれてるものなの?」
いきなり奇妙なことを言い出した裕太に不信感を抱いた。
いつから裕太がこんなに饒舌になったのか、私には見当もつかない。
「そうよ?どうしたの裕太、いきなり。」
「愛って何かなっていうのが気になったの。」
「そうなのね、自分から興味を持つことはとても良いことよ。何でも聞いていいから何でも知りたいっていう気持ちを大事にするのよ。」
「はぁい。」
「いい返事ね。」
「ねぇお母さん。」
「なあに?」
「お母さんはお父さんに愛をあげてるの?」
「ええもちろんよ。」
「じゃあお母さんはお父さんに愛ってもらってるの?」
「...当たり前じゃない。」
「じゃあなんでお母さんはお父さんにいつも怒られてるの?」
「それはお母さんが悪いからなのよ。」
「そうなの?じゃあぼくはあまり怒られてないのは愛をもらってないからなの?」
「そうじゃないのよ。」
「じゃあどういうことなの?」
私の息子の目は光を宿していない。ただ闇を映しているだけの穴になっていた。
「お母さんが貰ってる愛って本当の"愛"なのかな。見せかけだけの"アイ"なのかな。」
「...お父さんに聞いてみなさい。」
「お父さんにはもう聞いた。」
「なんて言われたの?」
「目に見えるものじゃなくて感じるものだって。」
「そう、それも間違いじゃないのよ。」
「一体何が正解なの?」
「正解はないのよ。」
「じゃあなんで間違いじゃないって言えたの?」
「それは...」
「お母さんはお父さんのことが好きなの?」
「もちろんじゃない。」
「じゃあなんでお父さんの前では黙っちゃうの?」
「ねぇお母さん、お父さん。」
「お父さんとお母さんが渡しあっているものって愛なの?」
「愛ってなぁに?」
「形はあるの?触れるの?色は?食べれるの?」
「愛って。」
「殺せるの?」
私達はこの日息子に対してとてつもない恐怖を感じた。
私達の息子はこんな事を言う子じゃなかった。
ねぇ
返してよ。
返して。
お願いだから。
息子の裕太が話しかけてきた。
「愛ってなぁに?」
想像の斜め上の質問に少し姿勢が傾いだ。
「それはいつかわかるんじゃないかな?」
「いつかじゃなくて今知りたいの。」
息子は今年で5歳になる。こんなにもはっきりと言葉を操るものなのか、5歳児というのは。
「愛っていうのはね、お父さんやお母さんが裕太に与えているものだよ。」
「僕、ゲームとかはもらったことあるけど愛って見えないものなの?」
「見るものじゃなくて感じるものなんだよ。」
「ふうん、変なの。」
俺が知ってる5歳児のような発言を残して裕太はお母さんのところへ行った。
「ねぇねぇお母さん。」
息子の裕太が話しかけてきた。
「愛ってお父さんやお母さんが僕にくれてるものなの?」
いきなり奇妙なことを言い出した裕太に不信感を抱いた。
いつから裕太がこんなに饒舌になったのか、私には見当もつかない。
「そうよ?どうしたの裕太、いきなり。」
「愛って何かなっていうのが気になったの。」
「そうなのね、自分から興味を持つことはとても良いことよ。何でも聞いていいから何でも知りたいっていう気持ちを大事にするのよ。」
「はぁい。」
「いい返事ね。」
「ねぇお母さん。」
「なあに?」
「お母さんはお父さんに愛をあげてるの?」
「ええもちろんよ。」
「じゃあお母さんはお父さんに愛ってもらってるの?」
「...当たり前じゃない。」
「じゃあなんでお母さんはお父さんにいつも怒られてるの?」
「それはお母さんが悪いからなのよ。」
「そうなの?じゃあぼくはあまり怒られてないのは愛をもらってないからなの?」
「そうじゃないのよ。」
「じゃあどういうことなの?」
私の息子の目は光を宿していない。ただ闇を映しているだけの穴になっていた。
「お母さんが貰ってる愛って本当の"愛"なのかな。見せかけだけの"アイ"なのかな。」
「...お父さんに聞いてみなさい。」
「お父さんにはもう聞いた。」
「なんて言われたの?」
「目に見えるものじゃなくて感じるものだって。」
「そう、それも間違いじゃないのよ。」
「一体何が正解なの?」
「正解はないのよ。」
「じゃあなんで間違いじゃないって言えたの?」
「それは...」
「お母さんはお父さんのことが好きなの?」
「もちろんじゃない。」
「じゃあなんでお父さんの前では黙っちゃうの?」
「ねぇお母さん、お父さん。」
「お父さんとお母さんが渡しあっているものって愛なの?」
「愛ってなぁに?」
「形はあるの?触れるの?色は?食べれるの?」
「愛って。」
「殺せるの?」
私達はこの日息子に対してとてつもない恐怖を感じた。
私達の息子はこんな事を言う子じゃなかった。
ねぇ
返してよ。
返して。
お願いだから。
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