青空

雪水

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「またなー!」

「おう、またな」

俺は高校2年生の勇斗、今俺が喋ってたのが同じクラスの圭太。

とある晴れた日の放課後俺は圭太とアイスを食べにイオンモールに来ていた。

アイスを食べ終わりゲームセンターで1時間使ってから圭太と分かれて家路についた。

テスト終わりだったのもあり結構時間を使ってもまだまだ頭上には青空が澄み渡っていた。

俺はなんとなく家に帰る気にならなくて脇道に逸れた所の川べりに座って空を眺める。

ふと風が強くなって葉が舞った。

俺の頭では過去の出来事に思いを馳せる。

そういえばあの日も 「またな」 って言ったな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

中学2年生の夏、今日のように澄んだ青空の日のこと。

俺の親友は死んだ。

「またな」

「おーまた明日な」

確かあの日はテスト前で2人で勉強した帰りの日曜日だった記憶がある。

家に帰ってからも課題の終わってない分を済ましていた。

すると滅多に鳴らない家の電話が鳴った。

rrrrr

rrrrr

「はい」

「もしもし、勇斗くんあのね落ち着いて聞いてほしいんだけど」

電話の主は近所で1番大きい病院からだった。

親友が車にはねられたらしい。

俺は電話を切ってすぐに自転車で件の病院に向かった

病院に着いたはいいものの今は面会もできないようで行っただけになってしまった。

とにかく気を強く持って家までたどり着いた。

なんの味も感じない晩ごはんを食べて気がつくと泥の様に眠っていた。

次の日、学校に行くと親友の姿はなかった。

正直すぐにでも早退したかったが今行っても面会はできないだろうし大人しく授業を受けて学校が終わってからそのまま自転車で病院に向かうことにした。

病院について受付に言うと面会はできるようなので親友に会った。

面会ができると言っても意識が戻ってるわけではなかったので喋れはしなかったが会えただけで俺には十分だった。

でも運の悪いことにその日から5日間雨が続いて会いに行けなかった。

雨が降ってる中でも行こうかと思ったが親友の家族に怒られそうだったからちゃんと雨じゃない日まで待つことにした。

きっとあいつは回復する そう信じて。

雨が上がったその日は日曜日だったから朝から面会に行くことにした。

病室に入ると

「よぉ」

親友が軽く手を上げてそう言った。

「...よぉ」

俺も軽く手を上げて応える。

そこからは楽しかった、学校であったことを話したり寝すぎた話だったり、本当にいろんな話をした。

どうでもいいような話でも親友と喋るだけでとても楽しかった。

面会の時間が終わってしまうので次の日も来ることを約束してその日は帰った。

次の日、学校で3時間目の授業が終わったタイミングで先生に職員室に呼ばれた。

俺宛に電話らしい。

「もしもし?」

「今すぐ病院に来れる?」

親友の親からだった。

「行きます」

先生には早退する旨を伝え、後で親に怒られること覚悟で勝手に病院に行った。

病室を開けたそこにはベッドに力なく横たわりたくさんの器具に繋がれた親友の姿があった。

親友の名前を呼びながらベッド脇に駆け寄る。

かすれた声で親友は俺に

「勇斗...いつも...ありがとう」

「だめ、そんなこと言っちゃだめ、やめて」

「...うれしかっ...た」

「まだ行かないで、そんなことって無いよ、だから」

「おねがい...聞いて」

「聞く、聞くからもっと喋ろうよ」

「俺は勇斗に、会えて、良かった、しあ、わせだっ、た」

「俺も幸せだった、まだ幸せでいようよ2人で、だから、まだ、逝かないで...」

「勇斗、手...」

俺は手を差し出した。

ゆっくりと、でもしっかりと俺の手を握った親友の手は温かくて柔らかかった。

「ゆう、と」

「...」

「あり、が...」

そこまで言ったところで親友の手から力がなくなった。

俺はもう何も言葉を発せなかった。

ただ一言、ありがとうとつぶやく以外は。

病院の外に出たとき、空は青く広がっていた。

憎らしいほどにきれいな青空が。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眼の前を通りがかった原チャの音でふと我に返った俺は誰にも聞かせるつもりのない独り言をこぼす。

「はぁ、そろそろ帰るか」

そう言って立ち上がったとき風が強く吹いた。

その風に載せて親友に届けと思いながらまた独り言を言う。

「空が青くてとてもしんどい、お前のせいで」
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