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僕が呼び出された広間は、“ここに来た時“と同じ場所だった。
そして、立たされている場所も同じだった。
これからどうなるんだろうか、やっぱり殺人未遂だったら死刑になるのか……
自殺で死ぬのと処刑で死ぬこと…その先に待つ死は同じでも、自分で行う方が恐怖感がないに決まっている。
自ら命を絶つことに慣れていても他人に殺されることを考えると”お母さん“を思い出して恐怖感に襲われた。
そんな恐怖を感じながらグルグルと考えていると、僕両隣になっている騎士たちが槍で僕を突いた。
「痛っ?!」
突然のことで目を白黒させていると、目の前の立っている被害者面したユリアスと僕を憎い者を見るように睨んでいるシシエノークと目があった。
「貴様、このような場でも余裕だな。先程から話しかけているのにそれを無視するとは…ふざけているのか!!」
ものすごい声量で僕を罵るシシエノークは、僕を睨みながら裁判の続きをする様に裁判官のような人に言い渡した。
そう言われた裁判官は呆れたように僕に向き直り溜息をつきながら言った。
「えぇ、先程も申し上げました通りスノードロップ様がユリアス様を突き落とすところを見た従者が数名確認できました。
そして、その者たちの証言とユリアス様の証言を聞き”スノードロップ様がユリアス様を殺害もしくは怪我をさせようとしていたこと“がわかりました。
よってこの事故はスノードロップ様が起こした殺人未遂事件だと判明しました。
つきましては、殿下とスノードロップ様の婚約破棄とスノードロップ様が受けるべき罰を決めなければなりません。
スノードロップ様はこの判決に対する質問や言いたいことはありませんか?」
ズラズラと事件の判決を言い渡した裁判官は僕に向かってそう問いかけた。
勿論僕が言えることはない。
僕がやってないと言っても、見ていたという従者がそう証言しているのだ。
それが、嘘の証言だったとしてもそれを肯定する人は誰もいないのだから。
「……何も、ありません。」
「そうですか、分かりました。
では、殿下との婚約を破棄することを誓いなさい。」
大勢の冷たい視線と隠れながらニタニタと笑うユリアスの視線が感じられる。
「スノードロップは今回の事件の罪を認め第一王子、シシエノーク・ヴォールク様との婚約を破棄することを誓います。」
「第一王子シシエノーク・ヴォールクはそれを認め、婚約を破棄することを誓います。」
胸の辺りから光る文字が抜けていくのが見えた。
この国では、高貴な者の婚約・結婚は一部の呪いのようなものだ。
婚約・結婚を誓い合う時は大勢の前で宣言し、胸の辺りに文字で誓い合った者同士の名前などが記される。
誓いをすれば一生離れることのできない”呪い“。
そのため、破棄するときもその宣言をしなければならないのだ。
裁判官が僕が受けるべき罰を言い渡そうとした…瞬間だった。
「スノードロップが受ける罰は無しにしろ。」
その言葉を聞き周囲がザワザワとし始めた。
そう大声で言ったのは、この国に君臨する陛下だった。そんな陛下は続けて裁判官と僕に告げた。
「スノードロップは、この国でも少ない”妊娠ができる身体“の男だ。その身体を持っているからこそ第一王子との婚約を決めたのだ。
高位の者の血を引き継がせるためにな。
そんな稀な存在を事件を起こしたからと言って殺してしまうのも勿体無いじゃないか?
だったら私が貰い受けようじゃないか。」
笑いながらそう告げる陛下に周りは少し動揺していたが、一部拍手が起きた瞬間パラパラと拍手の波が大きくなっていった。
…賛成の合図だ。
皆晴れ晴れしたような表情で拍手をしていたが、僕は真っ青な顔をしていたと思う………。
罪人であるが、高貴な血を持ち子供も作ることができる僕を陛下は”子供を産む道具にしよう“と提案したのだ。
これからはきっと、奴隷のような扱いを受けることになるだろう。
自由もない、ただ子供を産むだけの道具。
そんな生活を強いられると考えると血の気が引いた。
そんなの処刑された方がマシじゃないか!!
そんなことを口にできないままこの裁判は終わった。
力なく地面にへたり込んでしまった僕は、気がつくと部屋に戻っていて日も暮れていた。
裁判は昼間に行われていたはずなのになぁ…もうこんなに日が暮れたんだ。
そんなどうでもいいことしか考えられない僕を現実に戻したのは、いつの間にか部屋に入っていたウルスの一声だった。
「スノードロップ様、3日後に新しい部屋を用意するそうです。よかったですね、こんな牢屋のような部屋から出て陛下の側室になれるなんて……っ?!」
僕はどんな顔をしてたんだろう。
ウルスがこんなに驚いた顔…いや、こんなに不憫な者を見るような顔をしていたのは初めてだった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
誤字・脱字があったらすみません。
作者が引っ越しやらなんやらで投稿が遅れてしまいました…
胸糞展開がもう少し続く予定ですが、最後はハッピーエンドを目指します!!
僕が呼び出された広間は、“ここに来た時“と同じ場所だった。
そして、立たされている場所も同じだった。
これからどうなるんだろうか、やっぱり殺人未遂だったら死刑になるのか……
自殺で死ぬのと処刑で死ぬこと…その先に待つ死は同じでも、自分で行う方が恐怖感がないに決まっている。
自ら命を絶つことに慣れていても他人に殺されることを考えると”お母さん“を思い出して恐怖感に襲われた。
そんな恐怖を感じながらグルグルと考えていると、僕両隣になっている騎士たちが槍で僕を突いた。
「痛っ?!」
突然のことで目を白黒させていると、目の前の立っている被害者面したユリアスと僕を憎い者を見るように睨んでいるシシエノークと目があった。
「貴様、このような場でも余裕だな。先程から話しかけているのにそれを無視するとは…ふざけているのか!!」
ものすごい声量で僕を罵るシシエノークは、僕を睨みながら裁判の続きをする様に裁判官のような人に言い渡した。
そう言われた裁判官は呆れたように僕に向き直り溜息をつきながら言った。
「えぇ、先程も申し上げました通りスノードロップ様がユリアス様を突き落とすところを見た従者が数名確認できました。
そして、その者たちの証言とユリアス様の証言を聞き”スノードロップ様がユリアス様を殺害もしくは怪我をさせようとしていたこと“がわかりました。
よってこの事故はスノードロップ様が起こした殺人未遂事件だと判明しました。
つきましては、殿下とスノードロップ様の婚約破棄とスノードロップ様が受けるべき罰を決めなければなりません。
スノードロップ様はこの判決に対する質問や言いたいことはありませんか?」
ズラズラと事件の判決を言い渡した裁判官は僕に向かってそう問いかけた。
勿論僕が言えることはない。
僕がやってないと言っても、見ていたという従者がそう証言しているのだ。
それが、嘘の証言だったとしてもそれを肯定する人は誰もいないのだから。
「……何も、ありません。」
「そうですか、分かりました。
では、殿下との婚約を破棄することを誓いなさい。」
大勢の冷たい視線と隠れながらニタニタと笑うユリアスの視線が感じられる。
「スノードロップは今回の事件の罪を認め第一王子、シシエノーク・ヴォールク様との婚約を破棄することを誓います。」
「第一王子シシエノーク・ヴォールクはそれを認め、婚約を破棄することを誓います。」
胸の辺りから光る文字が抜けていくのが見えた。
この国では、高貴な者の婚約・結婚は一部の呪いのようなものだ。
婚約・結婚を誓い合う時は大勢の前で宣言し、胸の辺りに文字で誓い合った者同士の名前などが記される。
誓いをすれば一生離れることのできない”呪い“。
そのため、破棄するときもその宣言をしなければならないのだ。
裁判官が僕が受けるべき罰を言い渡そうとした…瞬間だった。
「スノードロップが受ける罰は無しにしろ。」
その言葉を聞き周囲がザワザワとし始めた。
そう大声で言ったのは、この国に君臨する陛下だった。そんな陛下は続けて裁判官と僕に告げた。
「スノードロップは、この国でも少ない”妊娠ができる身体“の男だ。その身体を持っているからこそ第一王子との婚約を決めたのだ。
高位の者の血を引き継がせるためにな。
そんな稀な存在を事件を起こしたからと言って殺してしまうのも勿体無いじゃないか?
だったら私が貰い受けようじゃないか。」
笑いながらそう告げる陛下に周りは少し動揺していたが、一部拍手が起きた瞬間パラパラと拍手の波が大きくなっていった。
…賛成の合図だ。
皆晴れ晴れしたような表情で拍手をしていたが、僕は真っ青な顔をしていたと思う………。
罪人であるが、高貴な血を持ち子供も作ることができる僕を陛下は”子供を産む道具にしよう“と提案したのだ。
これからはきっと、奴隷のような扱いを受けることになるだろう。
自由もない、ただ子供を産むだけの道具。
そんな生活を強いられると考えると血の気が引いた。
そんなの処刑された方がマシじゃないか!!
そんなことを口にできないままこの裁判は終わった。
力なく地面にへたり込んでしまった僕は、気がつくと部屋に戻っていて日も暮れていた。
裁判は昼間に行われていたはずなのになぁ…もうこんなに日が暮れたんだ。
そんなどうでもいいことしか考えられない僕を現実に戻したのは、いつの間にか部屋に入っていたウルスの一声だった。
「スノードロップ様、3日後に新しい部屋を用意するそうです。よかったですね、こんな牢屋のような部屋から出て陛下の側室になれるなんて……っ?!」
僕はどんな顔をしてたんだろう。
ウルスがこんなに驚いた顔…いや、こんなに不憫な者を見るような顔をしていたのは初めてだった。
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誤字・脱字があったらすみません。
作者が引っ越しやらなんやらで投稿が遅れてしまいました…
胸糞展開がもう少し続く予定ですが、最後はハッピーエンドを目指します!!
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