キンモクセイ

なす

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ここに

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2~3歳の頃、よく引っ越しをしていた。といっても2つ隣の町で同じ所を二ヶ所行ったりきたりで住む家も同じ。

一方の町では一戸建て、もう一方の町では二階建てアパートに住んでいた。一戸建ては本来の家なのだけど、父の仕事の都合で転勤を繰り返していた。


4、5才の時2階建てアパートの町でのことはよく覚えてる。
裏に田んぼがあり、用水路があった為に近寄らないよう言われてたり、通ってた幼稚園も見えるほどの見晴らしだったり。
今でも当時の景色が浮かんでくる。


でも、そんなに記憶が良いのは初めて好きな男の子が出来たことかもしれない。
私には3つ上の兄が一人いてその兄の友達のつばさ君。ではなくて、弟のみさき君が好きだった。
兄弟でその名前なのでやはりサッカー好きで父親の影響力の強さといったら子供ながらにすごいと思った。


正確な年はよく覚えてないが2つ上ぐらいのみさき君はとにかく優しくて女の子扱いが上手だった。
隠れてキスしたりぎゅーっとしたり。
ほとんどみさき君からで受け入れてた私はみさき君も私のことが好きなのかなーって嬉しくて。

子供の恋は純粋で恐れを知らない。とにかくピュアな心のもとで好きという気持ちを表してた。


でも少し間違うと同じ意味でも変わってしまうものもあると今になって分かったこともある。


当時はまったく意味が分からずしてたこと。
遊び友達の兄と同い年くらいの男の子に胸を触られてパンツの中も触られ舐められ。
その男の子はただ興味があっただけでそういう事をしてしまったんだと今では分かることも、子供の時は誰にも言えず秘密にしないといけない事をされてるんだと考えただけで辛い気持ちになった。


実際、秘密にしてねとも言われてたこともあるけど恥ずかしい誰にも言えないことが共犯の気持ちになっていたのかもしれない。


初めてイタズラされたのは覚えてる限りこの事が最初。
でもまだこれは序の口だったのかな。5歳にも満たない頃の話し。


この2階建てアパートの町で行方不明になってみたり、幼稚園では先生の言うことを聞かない問題児だとか色々覚えてる。

でも大好きなみさき君がいる町とも別れて5歳頃からは行ったりきたりの生活が終わり、一戸建ての町での定住生活が始まった。

大好きな、大嫌いな故郷になる町。

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