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第四章 某国の姫君
第14話 いつの間にか声に出てたとか言うけど、普通気がつくよね?
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リーゼル侵攻作戦が開始される前日。
トゥマールを出発しようとするアイバーンとメルク。
「それでは、一足先に行ってまいります国王!」
「うむ、気を付けて行くんじゃぞ! 全ては手筈通りにな……」
「ハッ! お任せください! では!」
リーゼルに向け、出発するアイバーンとメルク。
その日の夜、リーゼル城のマナの寝室で、一つのベッドにロロ、ネム、ユーキ、パティの順で並んで寝ている4人。
「ネム、あんなに大量に魔獣を召喚して大丈夫なの? 召喚するのにも魔力いるんでしょ?」
「うん……でも大丈夫! ネムの魔力は無限だから……」
「いや、魔力量が凄いのは認めるけど、無限って……」
「比喩的表現ではなく、ネムの魔力は文字通り無限なのです! だからネムは、魔力量だけでレベル7になったようなものなのです!」
「レ、レベル7? ネ、ネムってレベル7だったの?」
ネムがレベル7と聞き、驚愕するパティ。
「うん……そうだよ……」
「あ、あたしはようやくレベル6になったとこだっていうのに……」
「因みにロロは主であるネムの影響を受けるので、同じレベル7になるのです!」
「なん……ですって……」
「あ、じゃあ僕も魔力を封印される前はレベル7だったらしいから同じだね」
「あ、あんた達……寄ってたかって~」
「いよいよ明日かぁ……」
「怖い?」
「そりゃあね……今までだって色々バトルはやって来たけども、こんな、国と国との本格的な戦争なんて初めてだから……」
「大丈夫よ……ユーキはじっと城の中に居ればいいんだから、あたし達がここまでは攻めて来させないわよ」
「うん……ユーキ姉様はネム達が守る……」
「え? 何言ってんだよ! みんなに戦わせて僕だけ安全な所に居るなんて出来ないよ!」
「ユーキ! 今までとは訳が違うの! あなたはこの国の王女なのよ!? のこのこ戦場に出て行って、もしもの事があったらどうするの!?」
「いや、だけど!」
「だけどじゃありません!」
「ブゥー!」
(何だよ! 僕はパティにだって勝った事があるのに、見くびるんじゃないぞ~)
「なあに? 僕はパティにだって勝った事があるのに、見くびるんじゃないぞ~、とでも言いたそうな顔ね?」
(ドキィ!!)
「な、何の事だよ? べ、別にそんな事思ってないよ?」
「そう? ならいいんだけど……別に強い弱いの問題じゃ無いのよ……王女が前線に出る事が問題なのよ」
「グゥ……」
(ふんだっ! いいもん! 隙を見て出て行くんだから!)
「いいもん! 隙を見て出て行くんだから! とか考えてるんじゃないでしょうね?」
「何で分か!? あ、いやいや! そんな事思って無いから~!」
(だけど、いくら召喚獣の操作に専念するとはいえ、ネムみたいな小さい娘まで戦場に出るっていうのに僕だけ……)
「ネムの事は心配いらないわ、姉様……いざとなれば獣魔装があるし……」
「え!? あ……そ、そうだね」
(あれ? さっきから何か……もしかしていつの間にか声に出てたって奴か?)
確認の為に口を押さえて、心で喋るユーキ。
(パティ、いつも助けてくれてありがとう! ネム、とてもかわいいね! ロロ、また料理教えてね!)
「礼なんていらないわよ! まあどうしてもと言うなら、またマッサージでもしてもらおうかしら?」
「ネム、可愛くないよ……ユーキ姉様の方がうんとかわいい……」
「料理の事ならロロにお任せなのです! 料理の鉄人ロロなのです!」
「いやもう、完全に聞こえてるよねー!?」
ノーヴェ大陸の沖合に停泊している船で、夜明けを待っているヴェルン軍。
「レノ様、セラ様! もうすぐ夜明けです、出撃のご準備を!」
「ああ! 分かった! もうすぐだな、セラ……リーゼルと戦う事になるが、覚悟は出来てるか?」
「怖いんですかぁ? レノ!」
「だ、誰も怖いなんて言ってないだろー!! いや……マナを傷付けてしまうのではないかと思うと、怖いのかも知れないな……」
「大丈夫ですよぉ、ユウちゃん……いや、マナちゃんは必ず守りますぅ!」
「そうだな! 必ず守る! これより、リーゼル侵攻作戦を開始する! 船を出せ!!」
「おおーっ!!」
リーゼルに向けて動き出すヴェルン船団。
その様子を更に後方にいる船団で見ているパラス軍。
「バーダ隊長! ヴェルン船団がリーゼルに向けて侵攻を開始しました!!」
「とりあえずは素直に出撃しましたか……まあ、しばらくは様子を見させてもらうとしましょう」
同時刻、リーゼル侵攻作戦を既に知っている事をパラス軍に気取られないように、平静を装いつつも迎撃態勢を整えているリーゼル軍とパティ達。
「そろそろね……」
「来ました!! ヴェルン軍です!! 海岸線にヴェルンの船団が現れました!!」
ヴェルン船団発見の報が、国王に伝えられる。
「パラス軍は居るか!?」
「前線には見当たりません!!」
「やはり後方で待機している、か……よし! では予定通りにヴェルン軍を迎え撃つぞ! パラス軍に気取られないように、ヴェルン軍が完全に上陸してから迎撃開始だ!!」
「ハイッ!!」
陸に到着して、続々と上陸を始めるヴェルン軍。
「ヴェルン軍が上陸を開始し始めました!!」
「よし!! 出撃開始ー!!」
「おおーっ!!」
「それじゃあ行って来るわね、ユーキ! 大人しく待ってなさいよ!」
「行って来ます、姉様……」
「ね、ねえ! やっぱり僕も……」
「ダメって言ってるでしょ!!」
「うう~!」
「ロロ! ユーキ姉様の護衛、お願いね……あと、絶対に城から出さないように……」
「了解なのです! マスターユーキの事はロロにお任せなのです! ガーディアンロロなのです!」
パティは飛行魔法で、ネムは召喚したガーゴイルに乗って飛び出して行く。
「ふ、2人共気を付けてねー!!」
「ヴェルン軍の先頭集団が目視出来ます!! 先頭は……セ、セラ王女です!!」
「え!? セラが先頭!? いや王女様最前線に出てるじゃんか~!!」
思わずツッコむユーキであった。
トゥマールを出発しようとするアイバーンとメルク。
「それでは、一足先に行ってまいります国王!」
「うむ、気を付けて行くんじゃぞ! 全ては手筈通りにな……」
「ハッ! お任せください! では!」
リーゼルに向け、出発するアイバーンとメルク。
その日の夜、リーゼル城のマナの寝室で、一つのベッドにロロ、ネム、ユーキ、パティの順で並んで寝ている4人。
「ネム、あんなに大量に魔獣を召喚して大丈夫なの? 召喚するのにも魔力いるんでしょ?」
「うん……でも大丈夫! ネムの魔力は無限だから……」
「いや、魔力量が凄いのは認めるけど、無限って……」
「比喩的表現ではなく、ネムの魔力は文字通り無限なのです! だからネムは、魔力量だけでレベル7になったようなものなのです!」
「レ、レベル7? ネ、ネムってレベル7だったの?」
ネムがレベル7と聞き、驚愕するパティ。
「うん……そうだよ……」
「あ、あたしはようやくレベル6になったとこだっていうのに……」
「因みにロロは主であるネムの影響を受けるので、同じレベル7になるのです!」
「なん……ですって……」
「あ、じゃあ僕も魔力を封印される前はレベル7だったらしいから同じだね」
「あ、あんた達……寄ってたかって~」
「いよいよ明日かぁ……」
「怖い?」
「そりゃあね……今までだって色々バトルはやって来たけども、こんな、国と国との本格的な戦争なんて初めてだから……」
「大丈夫よ……ユーキはじっと城の中に居ればいいんだから、あたし達がここまでは攻めて来させないわよ」
「うん……ユーキ姉様はネム達が守る……」
「え? 何言ってんだよ! みんなに戦わせて僕だけ安全な所に居るなんて出来ないよ!」
「ユーキ! 今までとは訳が違うの! あなたはこの国の王女なのよ!? のこのこ戦場に出て行って、もしもの事があったらどうするの!?」
「いや、だけど!」
「だけどじゃありません!」
「ブゥー!」
(何だよ! 僕はパティにだって勝った事があるのに、見くびるんじゃないぞ~)
「なあに? 僕はパティにだって勝った事があるのに、見くびるんじゃないぞ~、とでも言いたそうな顔ね?」
(ドキィ!!)
「な、何の事だよ? べ、別にそんな事思ってないよ?」
「そう? ならいいんだけど……別に強い弱いの問題じゃ無いのよ……王女が前線に出る事が問題なのよ」
「グゥ……」
(ふんだっ! いいもん! 隙を見て出て行くんだから!)
「いいもん! 隙を見て出て行くんだから! とか考えてるんじゃないでしょうね?」
「何で分か!? あ、いやいや! そんな事思って無いから~!」
(だけど、いくら召喚獣の操作に専念するとはいえ、ネムみたいな小さい娘まで戦場に出るっていうのに僕だけ……)
「ネムの事は心配いらないわ、姉様……いざとなれば獣魔装があるし……」
「え!? あ……そ、そうだね」
(あれ? さっきから何か……もしかしていつの間にか声に出てたって奴か?)
確認の為に口を押さえて、心で喋るユーキ。
(パティ、いつも助けてくれてありがとう! ネム、とてもかわいいね! ロロ、また料理教えてね!)
「礼なんていらないわよ! まあどうしてもと言うなら、またマッサージでもしてもらおうかしら?」
「ネム、可愛くないよ……ユーキ姉様の方がうんとかわいい……」
「料理の事ならロロにお任せなのです! 料理の鉄人ロロなのです!」
「いやもう、完全に聞こえてるよねー!?」
ノーヴェ大陸の沖合に停泊している船で、夜明けを待っているヴェルン軍。
「レノ様、セラ様! もうすぐ夜明けです、出撃のご準備を!」
「ああ! 分かった! もうすぐだな、セラ……リーゼルと戦う事になるが、覚悟は出来てるか?」
「怖いんですかぁ? レノ!」
「だ、誰も怖いなんて言ってないだろー!! いや……マナを傷付けてしまうのではないかと思うと、怖いのかも知れないな……」
「大丈夫ですよぉ、ユウちゃん……いや、マナちゃんは必ず守りますぅ!」
「そうだな! 必ず守る! これより、リーゼル侵攻作戦を開始する! 船を出せ!!」
「おおーっ!!」
リーゼルに向けて動き出すヴェルン船団。
その様子を更に後方にいる船団で見ているパラス軍。
「バーダ隊長! ヴェルン船団がリーゼルに向けて侵攻を開始しました!!」
「とりあえずは素直に出撃しましたか……まあ、しばらくは様子を見させてもらうとしましょう」
同時刻、リーゼル侵攻作戦を既に知っている事をパラス軍に気取られないように、平静を装いつつも迎撃態勢を整えているリーゼル軍とパティ達。
「そろそろね……」
「来ました!! ヴェルン軍です!! 海岸線にヴェルンの船団が現れました!!」
ヴェルン船団発見の報が、国王に伝えられる。
「パラス軍は居るか!?」
「前線には見当たりません!!」
「やはり後方で待機している、か……よし! では予定通りにヴェルン軍を迎え撃つぞ! パラス軍に気取られないように、ヴェルン軍が完全に上陸してから迎撃開始だ!!」
「ハイッ!!」
陸に到着して、続々と上陸を始めるヴェルン軍。
「ヴェルン軍が上陸を開始し始めました!!」
「よし!! 出撃開始ー!!」
「おおーっ!!」
「それじゃあ行って来るわね、ユーキ! 大人しく待ってなさいよ!」
「行って来ます、姉様……」
「ね、ねえ! やっぱり僕も……」
「ダメって言ってるでしょ!!」
「うう~!」
「ロロ! ユーキ姉様の護衛、お願いね……あと、絶対に城から出さないように……」
「了解なのです! マスターユーキの事はロロにお任せなのです! ガーディアンロロなのです!」
パティは飛行魔法で、ネムは召喚したガーゴイルに乗って飛び出して行く。
「ふ、2人共気を付けてねー!!」
「ヴェルン軍の先頭集団が目視出来ます!! 先頭は……セ、セラ王女です!!」
「え!? セラが先頭!? いや王女様最前線に出てるじゃんか~!!」
思わずツッコむユーキであった。
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