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第五章 五国統一
第19話 時に欲望は力にもなる
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第1レースが終わり、とりあえず客席に戻って来たユーキとアイバーン。
しかし、アイバーンはパティを恐れて離れた場所に座る。
「ア~イく~ん!? 何でそんな離れた所に座るの~? こっちいらっしゃいよ~!?」
パティが作り笑顔で優しく手招きする。
「い、いや! 遠慮しておくよ! 今そっちに行くと、何かと気まずいのでね」
パティと目を合わせないようにして拒むアイバーン。
「残念でしたね、ユーキさん」
「次こそは勝つ!」
「え!? 次も出るつもりなんですか?」
「当然! 結婚の権利を取り返さないと!」
「でも分かってるの、ユーキ? 次も出るって事は、更に結婚相手が増える可能性だってあるのよ?」
「うぐっ! で、でも最終的に僕が優勝しちゃえば問題無い訳でしょ!?」
「それはあくまでぇ、みんながこの大会に参加しているなら、の場合ですぅ」
「え!? それってどういう……」
「今回のような試合ルールの場合はぁ、指示された内容によっては、この大会に参加してない人が出て来る可能性もある訳ですぅ。それでもしもその人達がユウちゃんに勝っちゃったらぁ、ユウちゃんは結婚の権利を取り返す機会も無いままぁ、どこの馬の骨とも豚の骨とも分からない人とぉ、結婚しなくちゃならなくなるんですぅ」
「ちょ、ちょ、ちょおっと待ってよ!! さっきから聞いてれば、何だか公式ルールみたいになってるけど、僕が負けたら結婚ってのは、あくまで身近な人だけの話でしょ!? いや、元々それ自体理不尽な話なんだけども……」
「確かに初めはそうでしたぁ。でもこの前の前夜祭で派手に公表しちゃいましたからねぇ、相手がそれを知ってて主張して来たらぁ、従わざるを得なくなりますぅ」
「んなっ!?」
「無理に参戦してリスクを上げるより、ここは大人しく傍観してた方がいいんじゃないですか? そうすれば誰が勝ち上がるにせよ、Bグループの相手とは本戦トーナメントの1回戦で闘える訳だし、準決勝でアイバーン様の権利を取り返す事も出来る訳ですから……」
「う、うん……」
「そうね、ユーキだって権利を取り返すチャンスすら無いまま、見ず知らずのおっさんと結婚するのは嫌でしょ?」
「そりゃ、見ず知らずのおっさんと結婚するのはさすがに嫌だけど……そだね、分かった。これ以上は参加しないで大人しくしてる」
「それが良いわ」
ユーキが傍観する事を決めた頃、準備も整い借り物競争第2レースが開始される。
「さあ、お待たせしました! ただ今より、第2レースを開始いたします! あ、その前に言い忘れておりました。今回の借り物競争、選手に誘われて参加された方は、ただ怪我のリスクを負うだけでは申し訳ありませんので、参加者全員にこちらの景品をもれなく1つ差し上げたいと思います!」
「景品!?」
ピクッとなるユーキ。
巨大モニターに景品が映し出される。
「先程の第1レースに参加された方も、これから参加される方も、選手より渡された紙をお持ちになり、全てのレースが終わった後に、こちらまでお越しください。紙と引き換えに景品をお渡しします!」
「ユーキ、紙貰った?」
「う、うん……全レースが終わるまで大事に持ってるようにってザウスに渡された」
借り物競争で指示された、美少女と書かれた紙を見せるユーキ。
「そっか……敵になってユーキに勝った方が結婚出来るのに、何で大勢ユーキを誘いに来たのかと不思議だったけど、なるほど、みんなユーキに貢ぎ物をしたかった訳ね」
「貢ぎ物て……」
「10位までに入賞された方には更に! 順位に応じて、こちらの豪華商品も合わせてプレゼントいたしますので、皆様もどんどん選手にアピールして、奮ってご参加ください!!」
その景品の中には、ゲーム機らしき物も入っていた。
それを見たユーキの目の色が変わる。
「さあそれでは! 借り物競争第2レース、スタート!!」
ボックスから紙を引いた選手達が客席に向かうと、先程とは打って変わって、観客達が次々に選手に声をかける。
「うわぁ、さっきまではみんなむしろ逃げ腰だったのに、凄い変わり様ですね」
「たかがひとレースに参加するだけで豪華商品を貰えるとなったら、そりゃあね」
少し経った頃、再びブレンがアイバーンを誘いにやって来た。
「アイバーン!! さあ、また俺様と共に行こう!!」
「うわっ、また暑苦しいのが来たわね」
「ん!? 我が友アイバーンが見当たらないようだが、どこへ行った!?」
「ブレン様! アイバーン様ならあちらに」
メルクが離れた場所に座っているアイバーンを指差す。
「おお!? 何だアイバーン! 1人だけそんな離れた場所で……イジメか!?」
「違うわっ!! それで? 今回貴様が指示されたのは何だ?」
「ああ、これだ!」
アイバーンに見せた紙には【2人きりで旅行に行きたい人】と書かれてあった。
「貴様……まさかそっちの気があるのではなかろうな?」
「ん!? よく分からんが、俺様はただアイバーンと旅行に行ったら楽しそうだと思っただけだぞ!?」
「むう……まあいい、それでは行くとするか!」
「旅行かっ!?」
「レースにだ!!」
アイバーン達がスタートした頃、ザウスもまたユーキを誘いにやって来る。
「ユーキちゃんほら! 今回引いたのは10代の子だ! バッチリだろ!?」
「うん! じゃあ行こうか!」
「ええー!?」
あっさりオーケーしたユーキに驚くパティ達。
行こうとするユーキを呼び止めるパティ。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、ユーキ!」
「ええ!? 何だよパティ、急いでるのに~?」
「あなたさっき、これ以上は参加しないで大人しくしてるって言ったじゃないの!? 何で行こうとしてるのよ!?」
「いや~、だって景品の中にゲーム機があったから……」
「いやゲーム機って……ゲーム機欲しさに結婚のリスクを上げるつもりなの!?」
「パティ……リスクを恐れてちゃ、何も始まらないんだよ!」
「なに名言みたいに言ってるのよ!?」
しかし、アイバーンはパティを恐れて離れた場所に座る。
「ア~イく~ん!? 何でそんな離れた所に座るの~? こっちいらっしゃいよ~!?」
パティが作り笑顔で優しく手招きする。
「い、いや! 遠慮しておくよ! 今そっちに行くと、何かと気まずいのでね」
パティと目を合わせないようにして拒むアイバーン。
「残念でしたね、ユーキさん」
「次こそは勝つ!」
「え!? 次も出るつもりなんですか?」
「当然! 結婚の権利を取り返さないと!」
「でも分かってるの、ユーキ? 次も出るって事は、更に結婚相手が増える可能性だってあるのよ?」
「うぐっ! で、でも最終的に僕が優勝しちゃえば問題無い訳でしょ!?」
「それはあくまでぇ、みんながこの大会に参加しているなら、の場合ですぅ」
「え!? それってどういう……」
「今回のような試合ルールの場合はぁ、指示された内容によっては、この大会に参加してない人が出て来る可能性もある訳ですぅ。それでもしもその人達がユウちゃんに勝っちゃったらぁ、ユウちゃんは結婚の権利を取り返す機会も無いままぁ、どこの馬の骨とも豚の骨とも分からない人とぉ、結婚しなくちゃならなくなるんですぅ」
「ちょ、ちょ、ちょおっと待ってよ!! さっきから聞いてれば、何だか公式ルールみたいになってるけど、僕が負けたら結婚ってのは、あくまで身近な人だけの話でしょ!? いや、元々それ自体理不尽な話なんだけども……」
「確かに初めはそうでしたぁ。でもこの前の前夜祭で派手に公表しちゃいましたからねぇ、相手がそれを知ってて主張して来たらぁ、従わざるを得なくなりますぅ」
「んなっ!?」
「無理に参戦してリスクを上げるより、ここは大人しく傍観してた方がいいんじゃないですか? そうすれば誰が勝ち上がるにせよ、Bグループの相手とは本戦トーナメントの1回戦で闘える訳だし、準決勝でアイバーン様の権利を取り返す事も出来る訳ですから……」
「う、うん……」
「そうね、ユーキだって権利を取り返すチャンスすら無いまま、見ず知らずのおっさんと結婚するのは嫌でしょ?」
「そりゃ、見ず知らずのおっさんと結婚するのはさすがに嫌だけど……そだね、分かった。これ以上は参加しないで大人しくしてる」
「それが良いわ」
ユーキが傍観する事を決めた頃、準備も整い借り物競争第2レースが開始される。
「さあ、お待たせしました! ただ今より、第2レースを開始いたします! あ、その前に言い忘れておりました。今回の借り物競争、選手に誘われて参加された方は、ただ怪我のリスクを負うだけでは申し訳ありませんので、参加者全員にこちらの景品をもれなく1つ差し上げたいと思います!」
「景品!?」
ピクッとなるユーキ。
巨大モニターに景品が映し出される。
「先程の第1レースに参加された方も、これから参加される方も、選手より渡された紙をお持ちになり、全てのレースが終わった後に、こちらまでお越しください。紙と引き換えに景品をお渡しします!」
「ユーキ、紙貰った?」
「う、うん……全レースが終わるまで大事に持ってるようにってザウスに渡された」
借り物競争で指示された、美少女と書かれた紙を見せるユーキ。
「そっか……敵になってユーキに勝った方が結婚出来るのに、何で大勢ユーキを誘いに来たのかと不思議だったけど、なるほど、みんなユーキに貢ぎ物をしたかった訳ね」
「貢ぎ物て……」
「10位までに入賞された方には更に! 順位に応じて、こちらの豪華商品も合わせてプレゼントいたしますので、皆様もどんどん選手にアピールして、奮ってご参加ください!!」
その景品の中には、ゲーム機らしき物も入っていた。
それを見たユーキの目の色が変わる。
「さあそれでは! 借り物競争第2レース、スタート!!」
ボックスから紙を引いた選手達が客席に向かうと、先程とは打って変わって、観客達が次々に選手に声をかける。
「うわぁ、さっきまではみんなむしろ逃げ腰だったのに、凄い変わり様ですね」
「たかがひとレースに参加するだけで豪華商品を貰えるとなったら、そりゃあね」
少し経った頃、再びブレンがアイバーンを誘いにやって来た。
「アイバーン!! さあ、また俺様と共に行こう!!」
「うわっ、また暑苦しいのが来たわね」
「ん!? 我が友アイバーンが見当たらないようだが、どこへ行った!?」
「ブレン様! アイバーン様ならあちらに」
メルクが離れた場所に座っているアイバーンを指差す。
「おお!? 何だアイバーン! 1人だけそんな離れた場所で……イジメか!?」
「違うわっ!! それで? 今回貴様が指示されたのは何だ?」
「ああ、これだ!」
アイバーンに見せた紙には【2人きりで旅行に行きたい人】と書かれてあった。
「貴様……まさかそっちの気があるのではなかろうな?」
「ん!? よく分からんが、俺様はただアイバーンと旅行に行ったら楽しそうだと思っただけだぞ!?」
「むう……まあいい、それでは行くとするか!」
「旅行かっ!?」
「レースにだ!!」
アイバーン達がスタートした頃、ザウスもまたユーキを誘いにやって来る。
「ユーキちゃんほら! 今回引いたのは10代の子だ! バッチリだろ!?」
「うん! じゃあ行こうか!」
「ええー!?」
あっさりオーケーしたユーキに驚くパティ達。
行こうとするユーキを呼び止めるパティ。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、ユーキ!」
「ええ!? 何だよパティ、急いでるのに~?」
「あなたさっき、これ以上は参加しないで大人しくしてるって言ったじゃないの!? 何で行こうとしてるのよ!?」
「いや~、だって景品の中にゲーム機があったから……」
「いやゲーム機って……ゲーム機欲しさに結婚のリスクを上げるつもりなの!?」
「パティ……リスクを恐れてちゃ、何も始まらないんだよ!」
「なに名言みたいに言ってるのよ!?」
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