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第五章 五国統一
第39話 何事も制限があるから尊い
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ブレンの間合いを確かめるべく、じりじりとブレンに近付いて行くヤマト。
(普通に考えれば、刀の間合いより槍の間合いの方が長いんだから、こちらが有利なはず……まあ、ブレンがじっとしていてくれるなら、の話だが)
「ヤマト選手が槍を構えたままゆっくりと距離を詰めて行きます! さあ、先に動くのはどっちだ!?」
槍の間合い一歩手前まで詰めたヤマト。
(あと一歩踏み込めば届……)
間合いに踏み込もうとした瞬間、ブレンの斬撃を受けて弾け飛ぶヤマト。
「ぐあっ!! 何だと!?」
弾き飛ばされた事により、2人の距離が広がってしまう。
「一閃~!! ヤマト選手が一歩踏み込んだ瞬間、まだ届かないと思われたブレン選手の剣が、ヤマト選手を切り裂いた~!! いや、しかしヤマト選手! どうやら重装甲の鎧のおかげで無傷のようです!」
(あの距離で届くのか!? 魔道士タイプの魔装のままだったらバッサリ行かれてたな!)
「危なかったな。俺の鎧じゃなかったら今の一撃で決まってたかもしれないぞ!?」
「ええ、そしてまた刀を鞘に収めましたから、次は更に強力な攻撃が来ます」
「だけどぉ、これではお互い決定打にはなりませんねぇ」
(しかしまいったな……斬撃が全く見えなかったぞ。鎧のおかげで致命傷にならないとはいえ、これでは決め手が!?)
考えを巡らせていたヤマトが、槍に付いている魔石が淡い光を放っている事に気付く。
(これってもしかして?)
ヤマトが魔装具にあるリボルバーを開くと、中から赤い色のカートリッジが飛び出して来た。
それをキャッチしてニヤリと笑うヤマト。
「コピー完了ってか!?」
セットされていた黄色のカートリッジを取り出し、出来立ての赤色のカートリッジをセットし直して叫ぶヤマト。
「魔装!!」
光が消えると、ブレンと同じ鎧と刀を持ったヤマトが現れる。
「ああっとお~っ!! ヤマト選手、またしても魔装を変えた~!! これは、色こそ違えどブレン選手と全く同じタイプの魔装だ~!! それにしても、ブレン選手の赤とヤマト選手の白で何だかめでたいぞ~!」
「白じゃない! プラチナホワイトだ!」
ヤマトの魔装を見つめているブレン。
(話には聞いていたが、あれがマナ王女のコピー能力って奴か。見た目は俺様の魔装と同じだが、はたして能力まで同じなのか?)
お互い居合の構えをしたまま、再びじりじりと距離を詰めて行く2人。
先程斬撃を受けた一歩手前の所まで来たヤマト。
(さっきはここから一歩踏み込んだ瞬間に攻撃をくらったんだよな? 明らかに剣の届く距離じゃないが……やはり、縮地的な何かか?)
一歩踏み込んだ瞬間、また斬撃により弾き飛ばされるヤマト。
「ヤマト選手また飛ばされた~!! 居合勝負を挑んだと思われますが、やはり一朝一夕には行かないか~!?」
「ヤマトさん!? 魔装を変えちゃったからダメージを受けたんじゃ?」
「いや、大丈夫だ。マナ……いや、ヤマトは攻撃を捨てて防御に徹していた。刀で受けたからダメージは無い筈だ」
「え!? レノさん、今の攻防が見えたんですか?」
「ん? ああ、俺は一応雷使いだからな。見る事に集中すれば、あれぐらいのスピードには対応できる」
「そんな能力を全く披露する事なく負けちゃいましたけどねぇ」
「うるさいぞセラ!」
その後も、2度3度と近付いては飛ばされるという事を繰り返すヤマト。
「ヤマト選手、何度も何度も果敢に挑戦しますが近付けない~!! しかし一方のブレン選手も決定打を与える事が出来ずにいます! これは長期戦になるか~!?」
「うむ……どうやら、またマナちゃんの悪いクセが出ているようだな?」
「そうですね~」
いつもの事かといった表情で呟くマルス国王。
「マルス様? 悪いクセというのは、ワザと相手の力量に合わせるってやつですか?」
「そうだ。マナちゃんならば、あんな闘い方をせずともいくらでもやりようはある筈だが、あえて居合勝負を挑んでいるのだろう」
「まったく……マナらしいと言えばらしいのだが、見ているこっちがハラハラしてしまうぞ」
「んふふ~、でもぉ、今のマナちゃんは昔のマナちゃんとはひと味違いますよぉ」
「え? それって……」
メルクが聞き返そうとした時、会場がざわつき始める。
「ああっとお~!! ヤマト選手の姿がユーキちゃんに戻ってしまいました~!! しかも、魔装まで元の魔道士タイプに変わってしまった~!! 変身ヒーローのように、ヤマトの姿には制限時間があるのでしょうか!?」
「え!? 制限時間? そんな話聞いてますか? セラさん!?」
「いいえぇ、初耳ですよぉ。そりゃ、以前のユウちゃんならぁ、すぐに魔力切れを起こして変身が解けてましたけどぉ、今のユウちゃんに魔力切れは無いですからねぇ」
「じゃあ何で元の姿に? いえ、確か今のユーキさんなら、姿を変えなくても魔装だけを変化させる事も出来る筈。それなのに、魔装まで戻して……魔道士タイプの魔装でブレン様の斬撃を受けたら、致命傷になりかねませんよ!?」
(んふふ~、確かに魔装は元に戻しましたがぁ、武器は刀のままなんですよねぇ)
解せないのはブレンも同じだった。
(せっかく居合勝負で熱くなって来たのに、何故魔装を戻した? あれではもし斬撃が入れば、一撃で終わってしまうぞ? 本当に時間切れなのか? それとも、何かの作戦か?)
色々考えていたブレンだったが、フゥッと一息吐き。
「マナ王女!!」
「ん? 何?」
「俺様は少々頭が悪いからあれこれ考えるのは苦手だ! だから単刀直入に聞く! 何故魔装を元に戻した!? その姿で俺様の攻撃を受けたら死ぬぞ!?」
「ん~? まあ、全部は教えられないけど……君の攻略法を思い付いたから、かな?」
「なん……だと!?」
ワナワナと震えるブレン。
ニヤッと笑うユーキ。
「君ではない!! レン君だ!!」
「いや、聞き逃さないね!!」
(普通に考えれば、刀の間合いより槍の間合いの方が長いんだから、こちらが有利なはず……まあ、ブレンがじっとしていてくれるなら、の話だが)
「ヤマト選手が槍を構えたままゆっくりと距離を詰めて行きます! さあ、先に動くのはどっちだ!?」
槍の間合い一歩手前まで詰めたヤマト。
(あと一歩踏み込めば届……)
間合いに踏み込もうとした瞬間、ブレンの斬撃を受けて弾け飛ぶヤマト。
「ぐあっ!! 何だと!?」
弾き飛ばされた事により、2人の距離が広がってしまう。
「一閃~!! ヤマト選手が一歩踏み込んだ瞬間、まだ届かないと思われたブレン選手の剣が、ヤマト選手を切り裂いた~!! いや、しかしヤマト選手! どうやら重装甲の鎧のおかげで無傷のようです!」
(あの距離で届くのか!? 魔道士タイプの魔装のままだったらバッサリ行かれてたな!)
「危なかったな。俺の鎧じゃなかったら今の一撃で決まってたかもしれないぞ!?」
「ええ、そしてまた刀を鞘に収めましたから、次は更に強力な攻撃が来ます」
「だけどぉ、これではお互い決定打にはなりませんねぇ」
(しかしまいったな……斬撃が全く見えなかったぞ。鎧のおかげで致命傷にならないとはいえ、これでは決め手が!?)
考えを巡らせていたヤマトが、槍に付いている魔石が淡い光を放っている事に気付く。
(これってもしかして?)
ヤマトが魔装具にあるリボルバーを開くと、中から赤い色のカートリッジが飛び出して来た。
それをキャッチしてニヤリと笑うヤマト。
「コピー完了ってか!?」
セットされていた黄色のカートリッジを取り出し、出来立ての赤色のカートリッジをセットし直して叫ぶヤマト。
「魔装!!」
光が消えると、ブレンと同じ鎧と刀を持ったヤマトが現れる。
「ああっとお~っ!! ヤマト選手、またしても魔装を変えた~!! これは、色こそ違えどブレン選手と全く同じタイプの魔装だ~!! それにしても、ブレン選手の赤とヤマト選手の白で何だかめでたいぞ~!」
「白じゃない! プラチナホワイトだ!」
ヤマトの魔装を見つめているブレン。
(話には聞いていたが、あれがマナ王女のコピー能力って奴か。見た目は俺様の魔装と同じだが、はたして能力まで同じなのか?)
お互い居合の構えをしたまま、再びじりじりと距離を詰めて行く2人。
先程斬撃を受けた一歩手前の所まで来たヤマト。
(さっきはここから一歩踏み込んだ瞬間に攻撃をくらったんだよな? 明らかに剣の届く距離じゃないが……やはり、縮地的な何かか?)
一歩踏み込んだ瞬間、また斬撃により弾き飛ばされるヤマト。
「ヤマト選手また飛ばされた~!! 居合勝負を挑んだと思われますが、やはり一朝一夕には行かないか~!?」
「ヤマトさん!? 魔装を変えちゃったからダメージを受けたんじゃ?」
「いや、大丈夫だ。マナ……いや、ヤマトは攻撃を捨てて防御に徹していた。刀で受けたからダメージは無い筈だ」
「え!? レノさん、今の攻防が見えたんですか?」
「ん? ああ、俺は一応雷使いだからな。見る事に集中すれば、あれぐらいのスピードには対応できる」
「そんな能力を全く披露する事なく負けちゃいましたけどねぇ」
「うるさいぞセラ!」
その後も、2度3度と近付いては飛ばされるという事を繰り返すヤマト。
「ヤマト選手、何度も何度も果敢に挑戦しますが近付けない~!! しかし一方のブレン選手も決定打を与える事が出来ずにいます! これは長期戦になるか~!?」
「うむ……どうやら、またマナちゃんの悪いクセが出ているようだな?」
「そうですね~」
いつもの事かといった表情で呟くマルス国王。
「マルス様? 悪いクセというのは、ワザと相手の力量に合わせるってやつですか?」
「そうだ。マナちゃんならば、あんな闘い方をせずともいくらでもやりようはある筈だが、あえて居合勝負を挑んでいるのだろう」
「まったく……マナらしいと言えばらしいのだが、見ているこっちがハラハラしてしまうぞ」
「んふふ~、でもぉ、今のマナちゃんは昔のマナちゃんとはひと味違いますよぉ」
「え? それって……」
メルクが聞き返そうとした時、会場がざわつき始める。
「ああっとお~!! ヤマト選手の姿がユーキちゃんに戻ってしまいました~!! しかも、魔装まで元の魔道士タイプに変わってしまった~!! 変身ヒーローのように、ヤマトの姿には制限時間があるのでしょうか!?」
「え!? 制限時間? そんな話聞いてますか? セラさん!?」
「いいえぇ、初耳ですよぉ。そりゃ、以前のユウちゃんならぁ、すぐに魔力切れを起こして変身が解けてましたけどぉ、今のユウちゃんに魔力切れは無いですからねぇ」
「じゃあ何で元の姿に? いえ、確か今のユーキさんなら、姿を変えなくても魔装だけを変化させる事も出来る筈。それなのに、魔装まで戻して……魔道士タイプの魔装でブレン様の斬撃を受けたら、致命傷になりかねませんよ!?」
(んふふ~、確かに魔装は元に戻しましたがぁ、武器は刀のままなんですよねぇ)
解せないのはブレンも同じだった。
(せっかく居合勝負で熱くなって来たのに、何故魔装を戻した? あれではもし斬撃が入れば、一撃で終わってしまうぞ? 本当に時間切れなのか? それとも、何かの作戦か?)
色々考えていたブレンだったが、フゥッと一息吐き。
「マナ王女!!」
「ん? 何?」
「俺様は少々頭が悪いからあれこれ考えるのは苦手だ! だから単刀直入に聞く! 何故魔装を元に戻した!? その姿で俺様の攻撃を受けたら死ぬぞ!?」
「ん~? まあ、全部は教えられないけど……君の攻略法を思い付いたから、かな?」
「なん……だと!?」
ワナワナと震えるブレン。
ニヤッと笑うユーキ。
「君ではない!! レン君だ!!」
「いや、聞き逃さないね!!」
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