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終章 いつも楽しく面白く
第18話 プロレスでよくある光景
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ゾルーガの特性が自分の能力と同じタイプと分かり、作戦を考えるブレン。
(あの小手をこする動き……確かに気にはなっていたが、まさか俺様と同じ能力だったとはな。つまり、お互いこのまま威力を上げ続けても決着が付かないという事か?)
同じように作戦を考えるゾルーガ。
(さあ、どないしたろかな~。見た感じ、威力の上がり具合はワイと同じぐらいやな。一応ワイの方がレベルは1個上やけど、その分はあの加速と踏み込みで帳消しにされとる。となると、こりゃ中々決着付かへんで?)
「う~ん」
「う~ん」
同じように腕組みして考え込むブレンとゾルーガ。
(戦闘中に揃って腕組みして考え込むとか。有り得ないです)
「ええい! やめだっ!!」
「ええい! やめやっ!!」
同じタイミングで考えるのをやめた2人。
「戦いとは、ただ全力でぶつかるのみ! 行くぞ!! ゾルーガ!!」
「やっとワイの名前覚えよったか!? なら来いやぁ!! ブレン!!」
素早く居合の構えを取ったブレンが、すぐさまゾルーガに斬りつける。
「爆炎斬!!」
「ぐうっ!!」
何と、その斬撃を全く防御する事無く、腹部にもろに受けるゾルーガ。
勢いで少し後方に飛ばされるが、何とか立ったまま持ちこたえる。
(え!? 防御しなかった!? 確かにブレン様の攻撃速度が上がっているとはいえ、さっきまでの事を考えると全く反応できない筈は……)
「ふうっ、確かにさっきより威力が上がっとるな~。せやけど、どや!? 耐えきったで~!!」
「うむ、見事だ! ならば来い!!」
「よっしゃあ! 覚悟しぃや~!!」
パシンと左の手の平に右拳を打ち付けたゾルーガが、小手をこすって炎を起こす。
2人のやり取りを見て、何かを気付いたメルク。
(ま、まさかこの人達……)
「ボンバーナックルうう!!」
燃え盛る右拳でブレンの顔を殴りつけるゾルーガ。
しかし、先程のゾルーガと同じように、ブレンもまた防御する事無くそのパンチを受けきる。
殴られた勢いで一瞬顔が横を向くが、すぐに戻してゾルーガを睨みつけるブレン。
「ハッ! 実際に食らってみたが、別に大した事は無いな!!」
「ぬかせ! すぐに足腰立たんようにしたるわ! ほら来いや!!」
「腹に力入れろおお!!」
先程と同じように、刀を鞘に収めてから居合で斬りつけるブレン。
そしてそれをまた無防備で受けるゾルーガ。
「今度はワイの番や! 歯ぁ食いしばれ!!」
ブレンの攻撃を耐えきったゾルーガが、小手をこすってからブレンの顔を殴りつける。
また同じように無防備で受けるブレン。
(やっぱりだ! この人達、お互いの攻撃を無防備状態で受けて、どっちかが倒れるまでやるつもりだ! ど、どっちも本当のバカだ……)
交互に無防備状態で相手の攻撃を受けるという事を何度か繰り返した後、2人の動きが止まる。
「な、何や!? も、もう終わりかいな? ハアッ、ワ、ワイはまだまだ元気いっぱいやで!?」
「ハアッ、よ、よく言う。ハアッ、み、見た所、た、立っているのがやっとではないか!?」
2人の行動に、初めは馬鹿馬鹿しさを感じていたメルクだったが、その凄まじい光景に圧倒されつつあった。
(馬鹿な事でも、ここまでやり通したら逆にカッコよくすら見えて来ますね。でもこのまま続けたら、間違いなくブレン様は負ける)
メルクがそう思った根拠は、明らかに違う2人のダメージ具合だった。
(ブレン様の斬撃はゾルーガさんの腹部に当たっていますが、当たっているのは鎧で守られた部分。なのでダメージはあくまで衝撃と炎によるもの。斬撃そのもののダメージは、鎧に阻まれて肉体には届いていない。片やゾルーガさんの打撃は、鎧で守られていないブレン様の顔を的確に捉えている。いくら魔装により魔法障壁が張られているとはいえ、この差は大きいです。ブレン様、ここは意地を捨てて遠距離攻撃に切り替えるべきです!)
しかしメルクの心配を他所に、再び意地の張り合いを続けるブレンとゾルーガ。
そして幾度となく技の撃ち合いが続き、まだ余裕のありそうなゾルーガとは対照的に、遂に倒れる寸前の状態となるブレン。
「ハハッ! ど、どうやらこの勝負、ワ、ワイの勝ちみたいやな!? 次で終いやっ!! ウルトラ! ボンバー! ブースト! ダイナマイト! ファイアー! ナックルうう!!」
(意味も無く長いぃ!)
ただ無駄に長いだけの技名を叫びながら撃った拳がブレンの頬を捉えた時、遂に膝から崩れ落ちるブレン。
(勝った!!)
(ブレン様!!)
それを見たゾルーガが勝利を確信するが、倒れる寸前の所で踏ん張るブレン。
「何やてっ!?」
「メ、メルクがここまで頑張ったのだ。副団長の俺様が、こ、これしきの事で倒れる訳にはいかない!」
ブレンの言葉にちょっと感動するメルク。
(ブ、ブレン様……さっきはおバカなんて言ってごめんなさい)
「ただの一団員の、アイバーンの腰巾着の、つい最近まで魔装すら出来なかった、1人じゃ弱っちくて何も出来ない、一見したら男だか女だか分からない紛らわしい顔の、もういっそ性転換してアイバーンと結婚すればいいんじゃないかと思うメルクがここまで頑張ったのだ! 俺様が負ける訳には……」
(うん、前言撤回します……)
(あの小手をこする動き……確かに気にはなっていたが、まさか俺様と同じ能力だったとはな。つまり、お互いこのまま威力を上げ続けても決着が付かないという事か?)
同じように作戦を考えるゾルーガ。
(さあ、どないしたろかな~。見た感じ、威力の上がり具合はワイと同じぐらいやな。一応ワイの方がレベルは1個上やけど、その分はあの加速と踏み込みで帳消しにされとる。となると、こりゃ中々決着付かへんで?)
「う~ん」
「う~ん」
同じように腕組みして考え込むブレンとゾルーガ。
(戦闘中に揃って腕組みして考え込むとか。有り得ないです)
「ええい! やめだっ!!」
「ええい! やめやっ!!」
同じタイミングで考えるのをやめた2人。
「戦いとは、ただ全力でぶつかるのみ! 行くぞ!! ゾルーガ!!」
「やっとワイの名前覚えよったか!? なら来いやぁ!! ブレン!!」
素早く居合の構えを取ったブレンが、すぐさまゾルーガに斬りつける。
「爆炎斬!!」
「ぐうっ!!」
何と、その斬撃を全く防御する事無く、腹部にもろに受けるゾルーガ。
勢いで少し後方に飛ばされるが、何とか立ったまま持ちこたえる。
(え!? 防御しなかった!? 確かにブレン様の攻撃速度が上がっているとはいえ、さっきまでの事を考えると全く反応できない筈は……)
「ふうっ、確かにさっきより威力が上がっとるな~。せやけど、どや!? 耐えきったで~!!」
「うむ、見事だ! ならば来い!!」
「よっしゃあ! 覚悟しぃや~!!」
パシンと左の手の平に右拳を打ち付けたゾルーガが、小手をこすって炎を起こす。
2人のやり取りを見て、何かを気付いたメルク。
(ま、まさかこの人達……)
「ボンバーナックルうう!!」
燃え盛る右拳でブレンの顔を殴りつけるゾルーガ。
しかし、先程のゾルーガと同じように、ブレンもまた防御する事無くそのパンチを受けきる。
殴られた勢いで一瞬顔が横を向くが、すぐに戻してゾルーガを睨みつけるブレン。
「ハッ! 実際に食らってみたが、別に大した事は無いな!!」
「ぬかせ! すぐに足腰立たんようにしたるわ! ほら来いや!!」
「腹に力入れろおお!!」
先程と同じように、刀を鞘に収めてから居合で斬りつけるブレン。
そしてそれをまた無防備で受けるゾルーガ。
「今度はワイの番や! 歯ぁ食いしばれ!!」
ブレンの攻撃を耐えきったゾルーガが、小手をこすってからブレンの顔を殴りつける。
また同じように無防備で受けるブレン。
(やっぱりだ! この人達、お互いの攻撃を無防備状態で受けて、どっちかが倒れるまでやるつもりだ! ど、どっちも本当のバカだ……)
交互に無防備状態で相手の攻撃を受けるという事を何度か繰り返した後、2人の動きが止まる。
「な、何や!? も、もう終わりかいな? ハアッ、ワ、ワイはまだまだ元気いっぱいやで!?」
「ハアッ、よ、よく言う。ハアッ、み、見た所、た、立っているのがやっとではないか!?」
2人の行動に、初めは馬鹿馬鹿しさを感じていたメルクだったが、その凄まじい光景に圧倒されつつあった。
(馬鹿な事でも、ここまでやり通したら逆にカッコよくすら見えて来ますね。でもこのまま続けたら、間違いなくブレン様は負ける)
メルクがそう思った根拠は、明らかに違う2人のダメージ具合だった。
(ブレン様の斬撃はゾルーガさんの腹部に当たっていますが、当たっているのは鎧で守られた部分。なのでダメージはあくまで衝撃と炎によるもの。斬撃そのもののダメージは、鎧に阻まれて肉体には届いていない。片やゾルーガさんの打撃は、鎧で守られていないブレン様の顔を的確に捉えている。いくら魔装により魔法障壁が張られているとはいえ、この差は大きいです。ブレン様、ここは意地を捨てて遠距離攻撃に切り替えるべきです!)
しかしメルクの心配を他所に、再び意地の張り合いを続けるブレンとゾルーガ。
そして幾度となく技の撃ち合いが続き、まだ余裕のありそうなゾルーガとは対照的に、遂に倒れる寸前の状態となるブレン。
「ハハッ! ど、どうやらこの勝負、ワ、ワイの勝ちみたいやな!? 次で終いやっ!! ウルトラ! ボンバー! ブースト! ダイナマイト! ファイアー! ナックルうう!!」
(意味も無く長いぃ!)
ただ無駄に長いだけの技名を叫びながら撃った拳がブレンの頬を捉えた時、遂に膝から崩れ落ちるブレン。
(勝った!!)
(ブレン様!!)
それを見たゾルーガが勝利を確信するが、倒れる寸前の所で踏ん張るブレン。
「何やてっ!?」
「メ、メルクがここまで頑張ったのだ。副団長の俺様が、こ、これしきの事で倒れる訳にはいかない!」
ブレンの言葉にちょっと感動するメルク。
(ブ、ブレン様……さっきはおバカなんて言ってごめんなさい)
「ただの一団員の、アイバーンの腰巾着の、つい最近まで魔装すら出来なかった、1人じゃ弱っちくて何も出来ない、一見したら男だか女だか分からない紛らわしい顔の、もういっそ性転換してアイバーンと結婚すればいいんじゃないかと思うメルクがここまで頑張ったのだ! 俺様が負ける訳には……」
(うん、前言撤回します……)
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