ジャンク階層

シートン

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序章

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私が生まれたのは、王侯支配世界の10層だった。
1から10まである階層、1が1番偉くて10が何の権威もない。
普通、下には下がいるって見下して生きているんだけど、下がない。
そして灰の空は有限、まやかしによってできた無機物。
1話
ジャンクがここにはよく流れ着く、それは山になって、最下層を灰色にする。
ほとんどが使えないものだし、中には危険なものもあるんだけど、目敏い奴らはその中から面白いものを見つけるんだ。
「ラジオ」「ドライバー」「水晶」「ブリキの歩兵」
今でもブリキの歩兵は私達のために働いている。
普段は下を見てる私達も、別の意味で頭が上がらない存在だ。
ほら、やってきた。
ガッチャンガッチャン鳴りながら、彼は私を見ると敬礼をした。
だから私もそっと返すのだった。
どうやらブリキの歩兵には子供がいたらしく、小さな服を持っていた。
10歳の頃、心なしかニコニコした顔で私にそれを渡してきた。
その日から私はその服を着ている。
ペアルックにしては悪趣味なものかもしれないけど、実際着るものにも困っていた私は有難いと思った。
月と金槌のマークが入った軍隊服。

12歳の頃、魔力判定があった。
動いているのかどうかさえ分からなかった水晶だけど、層長が手に当てると光り出した。
常に曇っていた私達の居場所では、その光とブリキの歩兵の目と虹色に輝く川だけがきれいに光るものだったような気もする。
ほんとはもっとあるのだろうけど私は知らない、少なくとも私の世界はそこまで。
私が触ると一瞬大きく光って壊れてしまった、悪いとは思ったが元々廃棄品、寿命の先まで生きてた方が驚きだ。
それでもちゃんと判定はできてたようで、私には魔力があるらしく1ヶ月もすると浮遊くらいはできるようになった。
浮遊感が気持ち悪かった。
ところで、私達の仕事は鉄を燃やしたり、砂を溶かしたりすることだ。
そこで燃えてるものは光りというよりは熱だ、見ているのも辛い、熱い。
魔法を使ってシャーと顔に水を当てる。
皆んなは羨ましいと騒ぐものだから皆んなにもやる。
意外と疲れるんだよこれ。
とにかく、仕事をすれば上から食べ物が降りてくる。
他のことをやってる人もいるけどごく僅か、反骨心を持った気概のある奴と、単純に馴染めない奴、どっちも異分子だけど私にはその気持ちが分かる。
恐らく、私はそちら側の人間だ。
それでもなんだかんだ馴染むものさと、気にしなかった。
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