残る世界の光

ふずきまる

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「ふむ…それで?」
フェルナンドは私の話を理解してくれておりうんうんとうなずく。
「どうか、私達の陣営について欲しいのです。彼らを止めなければ世界が、終わるんです。」
「そうだね…。だけど自国の自治もままらない国が参戦していいのかな?」
「…。」
返す言葉がなかった。
「僕たちの国の八十パーセントは元々いる民族、残り二十パーセントは移民などで構成された多民族。僕はこの民族を統制しなければいけないんだ。簡単に構っていられる状況ではないんだ。」
「しかし…。そのありふれた資源は必ずや、どちらかの陣営についた際大きな影響力となる。どうか…。」
ネイは頭を下げてフェルナンドに懇願する。
「頭をあげてください。」
フェルナンドはネイに頭を上げるよう頼む。
「私は貴方のような立派な指導者に頭を下げられるほどの存在ではないのです。もう少し、見送らさせていただきませんか?まだこちらの問題が解決していないので…。」
「…。わかりました。そうしましょう。ただし、石油等の輸出の量を我々久遠同盟国に多くなるようにしてくれませんか?」
「それは承知したよ。僕の返事としてはまだ参戦はしない。これでいいかな?」
「勿論でございます。いつか、貴方が参戦できるよう何度も説得しにきますから。」
「ははは。それはいいね。」
フェルナンドは笑ってからネイと手を取り合った。
「またお越し下さい。帰路は気をつけて。」
「どうも、ありがとうございます。」
まだ彼は若い。若さもあり国の運命を握っているため迷うのは当たり前だ。どうか、彼にはいい選択をしてほしい。とネイは願っている。
ネイは大部屋をあとにした。

「大ロータヴェル帝国からの催促、アスバリチア帝国からの催促…。どうしたものか…。」
フェルナンドは迷ってしまう。当たり前だ。世界に影響力のある二国からの参加要請。どちらかにつけば滅ぶまで戦い続ける運命になる。
「そのことなんですが…。」
フェルナンドの最も信頼のおける幹部、クラマチーニョが声をかける。
「どうした?」
「いえ、私の意見としてはアスバリチアについたほうがいいかなと…。」
「何故?」
「あそこは世界の最新の技術を要しております。私達がつけば資源さえ多く送れば大ロータヴェルに負けない武器を手に入れる。そしてそれを我々で共有すれば彼らを破るのも簡単ではないでしょうか?」
「ふむ…。考えさせてくれ。」
「承知しました。」
クラマチーニョが部屋をあとにする。若き元帥の決断がこの国の運命を、左右する。




「え、アレリスト帝国にはこれ以上の陣営の参加要請を行わないのですか?」
ゼーベはフェルダリオの言葉を聞き驚く言葉を見せる。
「当たり前だ。」
フェルダリオは素っ気ない表情で、ペンを走らせながら答える。
「何故?」
「あいつが若いのはよくわかる。だが国のリーダーならば時には非情だが決断を下さなければならない時がくる。あいつはその非情に逃げている。」
「なるほど…。しかし我々の国はあまり資源が取れません。それこそアレリストに頼るべきでは?」
「あと二回やつのところに訪問する。それで決断を下さなければ我々は彼を敵国とみなし攻撃する。」
「…!?そこまでしなくても…。」
「あいつは俺の脅威がわかっているはずだ。さあてと…。それに実は…。」
「実は?」
「とある国に参加要請している。」
「アレリストの代わりということですか?」
「まぁそんなもんだ。しかし実力は本物。簡単に舐めてもらっては困るね。」
「なるほど。その国とは?」
「まーだシークレットだ。お前にも明かさないぜ。」
「とにかく、アレリストを意地でも呼び込む。」
フェルダリオはまたペンを走らせる。ゼーベはやれやれと言わない顔で彼の部屋を後にする。どこの国かはわからない。しかし私はフェルダリオ様についていくだけ。ゼーベは忠誠心の高い秘書。思わぬところで活躍するなど、まだ誰も思ってはいなかった。
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