38 / 43
商業ギルドのギルマスとの話し合い〜1〜。
しおりを挟む
翌日の昼頃に商業ギルドに到着したリョータ達が受付にカードを見せてギルマスに呼ばれてきた事を伝えると、マーサさんがやってきた。
「シュルフ帝国騎士爵様。お待ちしておりました。ご案内致します」
冒険者ギルドも商業ギルドも、ギルマスの執務室は2階にある。
マーサさんがドアをノックして、リョータ達の来訪を告げると「入って」という返事があったので中に入ると、書類の山に頭まで隠れている人がいた。
おそらくギルマスなんだろう。
どこのギルドでも、ギルマスは書類仕事が大変そうだ。
その人は書類の山から顔を出して、リョータ達を見ると、
「マーサ。紅茶を」
「畏まりました」
デスクから離れて、リョータ達にソファーに座るように勧めて、自分も座った。
「初めまして。私が商業ギルドミルフィナンド支部マスターのサリナ・ベルツ・マイスターです」
「どうも。リョータ・ベルツ・シュルフです。マイスターと仰いますと、帝都の冒険者ギルド統括マスターのエリック殿のご縁戚ですか?」
そう。
サリナはエルフ。
それもハイエルフなのだ。
「はい。ウチの馬鹿兄がお世話になっております」
「ああ。やっぱり。泣き虫リックの妹さんでしたか」
すると、サリナさんが「プッ」と吹き出した。
「兄から特急伝書鳩便で知っていましたが、本当に私達の両親と妹をご存知だったのですね。両親達は元気にしていますでしょうか?」
「ええ。勿論ですよ。メルヴィン殿はノエル殿にしょっちゅう叩かれていますし、ミュウには『お父さん、嫌い』と言われる度に死にそうな顔をしていましたよ」
サリナさんは声を上げて笑った。
「本当に変わっていないようで安心しました。たまには会いにいこうかしら」
「あはは。そうしてあげて下さい。特にミュウが喜びますよ」
ミュウの名前が出たので、ティアがポツリと呟いた。
「ミーちゃんに会いたいな」
と。
そう。ティアとミュウはとても仲良しで、リョータ達が魔境の森を離れる時には大泣きしてしまったほどだった。
ティアは魔境の森の西側を支配するボスモンスターだったか、ミュウ達の住んでいる場所が西側だったので、昔からの幼馴染みの関係にあった。それだけに会いたいという気持ちが人一倍強いのだ。
「ティア。ミュウに会いたかったら、いつでも言うんだよ。リル達と一緒に里帰りしようね」
「お兄ちゃん、本当!?また、ミーちゃんに会えるの?」
「ああ。本当だよ。俺も魔境の森には一度帰りたいって思ってたからね。リル達はどうだ?」
「ふむ。我らの眷族や支配下にあった者達の顔を見に帰るのは良いかもしれぬのじゃ」
「私達も同じです」
リルやエレノアだけではなく、クリフやマーベラス、バルザックも頷いた。
「そっか。それなら、時期を見て一度帰ろっか」
リョータの言葉にリル達が歓声をあげた。
「その時にはご一緒させていただいても宜しいですか?」
サリナさんの申し出にリョータ達は頷いた。
いくら魔法に長けたハイエルフと言っても、魔境の森に一人で入るには相当な危険が伴うので、ある意味でこの帝国で一番の戦力であるリョータ達と一緒なら安心して里帰りが出来るからだ。
まあ、魔境の森の東西南北、その他の地域を支配するボスモンスターが勢揃いしているので、これ以上の安心材料はないだろう。
と。
「ところで何のご用件でしたっけ?」
「え?あ、ああ!そうでした、そうでした!実はちょっとお願いがありまして」
「ほう。お願いですか。どのような?」
「はい。シュルフ卿は帝都のダンジョンを踏破されたとか。それで、もしもダンジョン産の宝石や鉱石類などをお持ちでしたら買い取らせていただきたいのですが」
ああ。
ダンジョン産の宝石や鉱石類か。
確かまだ残っていたはずだ。
冒険者ギルドでにはモンスターのドロップ品は買い取ってもらったが、商業ギルドに宝石や鉱石類は買い取りしてもらってなかったからな。
アイテムボックスから一枚の紙を取り出した。そこにはドロップした宝石と鉱石類の品数が記してあった。
「今、手元に残っているのはこれだけですね」
「拝見します」
サリナさんは宝石と鉱石類の品目に目を通していたが、段々と表情が固くなっていった。
「…帝都の商業ギルドで買い取りしてなかったのは何か理由でも?」
「ん?いや、別に何も。ただ単に忘れてただけです」
「…そ、そうですか…それにしても、物凄い品数ですね。こんなにもたくさんの品数は長いこと生きてきましが、初めてです。いやはや、何とも凄まじいですね」
サリナさんが持っている紙には、とんでもない数の宝石と鉱石類の品目が書いてあったので、驚かないほうが無理というものだろう。
「シュルフ帝国騎士爵様。お待ちしておりました。ご案内致します」
冒険者ギルドも商業ギルドも、ギルマスの執務室は2階にある。
マーサさんがドアをノックして、リョータ達の来訪を告げると「入って」という返事があったので中に入ると、書類の山に頭まで隠れている人がいた。
おそらくギルマスなんだろう。
どこのギルドでも、ギルマスは書類仕事が大変そうだ。
その人は書類の山から顔を出して、リョータ達を見ると、
「マーサ。紅茶を」
「畏まりました」
デスクから離れて、リョータ達にソファーに座るように勧めて、自分も座った。
「初めまして。私が商業ギルドミルフィナンド支部マスターのサリナ・ベルツ・マイスターです」
「どうも。リョータ・ベルツ・シュルフです。マイスターと仰いますと、帝都の冒険者ギルド統括マスターのエリック殿のご縁戚ですか?」
そう。
サリナはエルフ。
それもハイエルフなのだ。
「はい。ウチの馬鹿兄がお世話になっております」
「ああ。やっぱり。泣き虫リックの妹さんでしたか」
すると、サリナさんが「プッ」と吹き出した。
「兄から特急伝書鳩便で知っていましたが、本当に私達の両親と妹をご存知だったのですね。両親達は元気にしていますでしょうか?」
「ええ。勿論ですよ。メルヴィン殿はノエル殿にしょっちゅう叩かれていますし、ミュウには『お父さん、嫌い』と言われる度に死にそうな顔をしていましたよ」
サリナさんは声を上げて笑った。
「本当に変わっていないようで安心しました。たまには会いにいこうかしら」
「あはは。そうしてあげて下さい。特にミュウが喜びますよ」
ミュウの名前が出たので、ティアがポツリと呟いた。
「ミーちゃんに会いたいな」
と。
そう。ティアとミュウはとても仲良しで、リョータ達が魔境の森を離れる時には大泣きしてしまったほどだった。
ティアは魔境の森の西側を支配するボスモンスターだったか、ミュウ達の住んでいる場所が西側だったので、昔からの幼馴染みの関係にあった。それだけに会いたいという気持ちが人一倍強いのだ。
「ティア。ミュウに会いたかったら、いつでも言うんだよ。リル達と一緒に里帰りしようね」
「お兄ちゃん、本当!?また、ミーちゃんに会えるの?」
「ああ。本当だよ。俺も魔境の森には一度帰りたいって思ってたからね。リル達はどうだ?」
「ふむ。我らの眷族や支配下にあった者達の顔を見に帰るのは良いかもしれぬのじゃ」
「私達も同じです」
リルやエレノアだけではなく、クリフやマーベラス、バルザックも頷いた。
「そっか。それなら、時期を見て一度帰ろっか」
リョータの言葉にリル達が歓声をあげた。
「その時にはご一緒させていただいても宜しいですか?」
サリナさんの申し出にリョータ達は頷いた。
いくら魔法に長けたハイエルフと言っても、魔境の森に一人で入るには相当な危険が伴うので、ある意味でこの帝国で一番の戦力であるリョータ達と一緒なら安心して里帰りが出来るからだ。
まあ、魔境の森の東西南北、その他の地域を支配するボスモンスターが勢揃いしているので、これ以上の安心材料はないだろう。
と。
「ところで何のご用件でしたっけ?」
「え?あ、ああ!そうでした、そうでした!実はちょっとお願いがありまして」
「ほう。お願いですか。どのような?」
「はい。シュルフ卿は帝都のダンジョンを踏破されたとか。それで、もしもダンジョン産の宝石や鉱石類などをお持ちでしたら買い取らせていただきたいのですが」
ああ。
ダンジョン産の宝石や鉱石類か。
確かまだ残っていたはずだ。
冒険者ギルドでにはモンスターのドロップ品は買い取ってもらったが、商業ギルドに宝石や鉱石類は買い取りしてもらってなかったからな。
アイテムボックスから一枚の紙を取り出した。そこにはドロップした宝石と鉱石類の品数が記してあった。
「今、手元に残っているのはこれだけですね」
「拝見します」
サリナさんは宝石と鉱石類の品目に目を通していたが、段々と表情が固くなっていった。
「…帝都の商業ギルドで買い取りしてなかったのは何か理由でも?」
「ん?いや、別に何も。ただ単に忘れてただけです」
「…そ、そうですか…それにしても、物凄い品数ですね。こんなにもたくさんの品数は長いこと生きてきましが、初めてです。いやはや、何とも凄まじいですね」
サリナさんが持っている紙には、とんでもない数の宝石と鉱石類の品目が書いてあったので、驚かないほうが無理というものだろう。
59
あなたにおすすめの小説
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる