『ハズレ』召喚者『氣功術師』ののんびり異世界旅行!!

メガネの助

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初めての奴隷購入。

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 商業ギルドギルマスのサリナさんに教えてもらった場所に行くと、確かにゴルドン商会という看板が出ていて、店の前を箒で掃除しているお爺さんがいた。
 
 …この爺さん、かなりの遣い手だな。

 見る者が見れば直ぐに分かる。
 掃き掃除をしているだけなのに、一分の隙も無い。下手なCランク、いや、Bランク冒険者くらいなら箒1本で撃退できるだろう。
 ただの掃除夫じゃないな。
 恐らく…。

「失礼ですが、ゴルドン商会会頭のフォルザさんでしょうか?」
「ほう?良く分かったのぅ。そうか、お主がサリナの嬢ちゃんが言うとったリョータとやらか。中々の眼力じゃの。いかにも儂がフォルザじゃよ。話しはサリナの嬢ちゃんから聞いとるよ」

 フォルザ爺さんは、フォッフォッフォと笑いながら箒片手に店の中に招き入れてくれた。

「意味はなかろうがの、一応規則なもんでの。武器を預からせてもらうぞい」

 リョータは素直に腰の太刀と小太刀を渡した。

「ふむ。神津国の剣か。久しぶりにみたのぅ。さあ、こっちじゃ」

 フォルザ爺さんは太刀と小太刀を保管ボックスに入れてから、ドアの鍵を開けた。
 中に入ると、そこにはたくさんの奴隷達が勉強をしていた。

「驚いたかの?」
「ええ、まあ」
「読み書き計算の出来る奴隷は重宝されるからの。一般的な奴隷よりも買い主から厚遇されるのじゃよ。勿論、給金も少なくはないからのぅ」
「その分、購入金額が高くなる、と」
「そのとおりじゃよ」

 フォッフォッフォ。
 高らかに笑うフォルザ爺さんは、店員に目配せして、ソファーに座るように勧める。

「給金じゃが、あまり高くてもいかんし、かと言って安すぎてもいかん」
「ふむ。貴族家のメイドの給金は月に大銀貨3枚ですからね。奴隷なら…月に大銀貨1枚ではどうでしょう?」
「ふむ。妥当じゃな」

 給金の額を決めて紅茶を飲みながら待っていたら、さっきの店員が5人の奴隷を連れてきた。
 中年の男女に10歳くらいの男の子、8歳くらいの女の子に5歳くらいの女の子。

「家族ですか?」
「そうじゃ。バルバン一家じゃよ。出来れば家族ごと買い取ってくれるとありがたいの。値段は大金貨5枚じゃ」
「ふむ。鑑定してもいいですか?」
「ふむ。構わんよ」
「では遠慮なく。【鑑定】」

 ほう。
 成る程、成る程。
 悪くはないが、父親は肺の病気か。
 伝染病ではなさそうだが、肺炎の一歩手前ってところかな。
 まあ、ティアの特製ポーションがあるから問題はないな。

「一家ごと購入します」
「お買い上げありがとうございます。良かったの」

 バルバン一家は家族が離れ離れにならずに済んだ事を本当に良かったと泣いて喜んでいる。

「では次じゃな」

 今度は中年の男と8歳くらいの男の子だった。

 【鑑定】

 ほう。
 血の繋がりはないのか。
 ふむふむ。
 捨て子を拾ったのか。
 病気の類いは一切無いな。

「値段は大金貨1枚じゃ」
「購入します」
「では次じゃ」

 今度は虎獣人の男性とハーフドワーフの女性。

「珍しい組み合わせですね」
「うむ。男のほうは身体強化がメインの元Bランク冒険者で、女のほうは火魔法メインの元Cランク冒険者じゃ。値段は大金貨8枚じゃ」
「ふむ。良いでしょう。購入します」
「では次じゃ。というか最後じゃな」

 最後に出てきたのは…、

「何でお前がここにいるんだ?レンファ?」
「ひ、久しぶりね。リョータ」

 それは魔鏡の森で仲の良かったハイエルフの女性で名前をレンファと言う。
 メルヴィンの娘でサリナさんの妹だ。
 風・土・光の3属性持ちの強者だったのだが…、

「何でお前が奴隷になってるんだ?」
「まあ、色々あってね。で?買ってくれるのよね?」
「そりゃ当たり前だろ?フォルザさん。値段は?」
「白金貨10枚じゃ」
「購入します」
「お買い上げありがとうございますじゃ」

 フォルザ爺さんが店員に目配せして、奴隷達を奥の部屋に連れていった。

「代金は白金貨11枚と大金貨4枚じゃ」

 リョータは財布から代金を取り出して支払った。

「確かに。それで、奴隷紋はどこに刻むかの?」
「そうですね。見えない場所…足の裏でお願いします」
「了解じゃ」

 連れてこられた奴隷達は小綺麗な服を着ていた。
 元冒険者の二人は使い慣れた武器防具を装備していたし、レンファも同じだった。
 奴隷紋を刻み終えた奴隷達を連れて帰ったら、色々と話す事があるなぁ。
 でも…。

「レンファ。サリナさんに会いに行くからな。覚悟しておけよ」
「お姉ちゃんがいるの!?」

 姉のサリナがいると聞いたレンファは驚いた顔をしたが、直ぐに血の気が失せてガックリと肩を落として項垂れた。
 レンファにとっては誰よりも怖い人なんだろう。肩が小刻みに震えている。
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