スパダリ伯爵様のため美少女となって魔界征服します

みずほ

文字の大きさ
11 / 21
第3章 幼女編

5

しおりを挟む
1階の大広間へ出ると、ギルと出くわした。
私の首元で光る、紫の石を使ったネックレスを見て第一声、

「うっわ、またえげつないプレゼントだな」

「どういうこと?」

「なんでもねぇよ、お前は知らなくて良いことだ。余計なこと言うと怒られるからな」

「ねぇ、ギルちゃんとおしえて。どういう意味?」

くいくいっとズボンを引っ張り、必殺うるうる攻撃をかます。今のところ、これが効かない大人はいない。


「あー、もうしつけぇな。そのネックレスもリボンも売ればとんでもない高値が付く位の強い魔力が込められている」

「すごいのこれ?」

「例えば今ここで超特大爆裂魔法ぶっ放して草木一本も残らず、建物さえ砂と化してまっさら更地にしたとしても、リリアだけは傷一つつかないっていうそれはそれは強固な防御魔法だよ。上級クラスの強い魔法が幾重にも複雑にかけられている」

「リリア、まもられてる?」

「あぁ、多分襲い掛かって来た魔物の方が自滅する位だ」

「おそともでれる?」

「あぁ、本当過保護過ぎるよな。ここまで防御魔法をかけるなら別に……って、まさか!」

「ぎる、おそとつれってって?」

必殺うるうる目の困り顔でギルのズボンを掴んだ。
しかし、そんな健気なお願いも左右に激しく首を振って断られた。

「だめだめ、俺がレインに殺される!」

「なんでー?いまだいじょうぶっていった!」

「だめだ、だめだ!外で何かあったらどうするんだ」

「ぎるつよいから、だいじょうぶっ」

「全く、まだこんなガキんちょのくせに、人をノせるのは上手いんだから。だけど今回ばかりはだめだ」

強情なギルに私も盛大に頬を膨らませて対抗する。

「……もう、こーらあげない。げーむもあげない」

「えぇっ!」

現世からの支給品を一番楽しんでいたのはギルだ。この私の発言にはこたえたようで、分かりやすい程狼狽えている。

「じゃつれてって。このこがいきたいばしょにつれていってあげるって、やくそくしたの」

そう言うと私のポシェットから顔を覗かせるフィー。ギルに悪意がないことを感じ取ったのか外に出てきた。

「このこ?うわっ、お前、ついにそんな妖精まで従えるようになったのか」

(良かった、見えて)

と、心の中でほっと胸を撫でおろす。

(まぁ当たり前か)


「ぎる、まほうつかえる?」

「使えるが剣の方が得意だ」

「じゃ、けんをおしえて」

「はぁ!?」

「女の子に剣技なんて必要ありません!嫁に行けなくなったらどうする!?」

「わたし、よめいかない」

「いや、姫様がいかないわけないだろ。それにこんなに可愛いんだ諸外国の王子様がほっとかないさ」

「りりあ、がいこうのしゅだんにされるの?」

またもや眉を八の字にさせ得意の困り顔をかます。

「外交の手段って、どこでそんな難しい言葉を」

「そんなのいや!ぎる、おねがい、おそとへつれていって!」

100万回程外へ連れて行けと訴えたところ、やっと折れたギル。
こっそり連れて行ってもらえることになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

神様の失敗作ガチャを引かされた俺(元SE)、ハズレ女神たちと寂れた異世界を「再創生(リ・ジェネシス)」する

月下花音
ファンタジー
過労死した社畜SE・天野創が転生したのは、創造神に見捨てられた「廃棄世界」。 そこで待っていたのは、ポンコツすぎて「失敗作」の烙印を押された三人の女神たちだった。 「麦が生えない? ……ああ、これ土壌パラメータの設定ミスですね」 「家が建たない? ……設計図(仕様書)がないからですよ」 創は持ち前の論理的思考と管理者権限を駆使し、彼女たちの「バグ(欠点)」を「仕様(個性)」へと書き換えていく。 これは、捨てられた世界と女神たちを、最強の楽園へと「再創生」する物語。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...