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第二章
第12話「見えぬ檻」
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──VEST本部、地下収容区画。
冷たい金属の壁に、規則正しい蛍光灯の光が反射していた。
歩調を揃えて廊下を進むのは、美羽と莉子。
二人の足音が、やけに大きく響く。
「次の任務、きっと厳しいものになる」
美羽が静かに言うと、莉子は迷いなく頷いた。
「平気。VESTのためなら、私は戦える。ね、クロウ」
『肯定。パイロットの覚悟を確認』
低く響く声に、莉子の表情はぱっと明るくなる。
「ほらね。大丈夫だよ」
⸻
そのとき、角を曲がった先で──小さな人影が目に入った。
背の低い少女が、護衛兵に付き添われて歩いている。
煤で汚れた頬、どこか怯えたような瞳。
少女の唇がかすかに動いた。
「……彩花……」
美羽の耳に、その名が届く。
聞き慣れないはずの響き。
けれど、なぜか小さな棘のように心に引っかかった。
一瞬、首を傾げる。
だが、隣の莉子は気づかず、柔らかく微笑んだ。
「新しい子? VESTが選んだなら、きっと大丈夫だよ」
美羽は小さく瞬きし、すぐに歩調を合わせ直した。
無表情を取り戻し、何も見なかったふりをする。
⸻
司令部の扉が開く。
「莉子、次の任務を伝える」
硬質な声が響いた。
莉子は真っ直ぐ前を見据え、迷いなく答える。
「はい。VESTのために!」
「よろしい。その調子だ」
美羽は黙ってライフルを肩にかけ、彼女の背中に続く。
さきほどの少女の声が、かすかな残響のように耳の奥で揺れていた。
──見えぬ檻。
その中で、小さな命が新たな役割へと組み込まれていく。
冷たい金属の壁に、規則正しい蛍光灯の光が反射していた。
歩調を揃えて廊下を進むのは、美羽と莉子。
二人の足音が、やけに大きく響く。
「次の任務、きっと厳しいものになる」
美羽が静かに言うと、莉子は迷いなく頷いた。
「平気。VESTのためなら、私は戦える。ね、クロウ」
『肯定。パイロットの覚悟を確認』
低く響く声に、莉子の表情はぱっと明るくなる。
「ほらね。大丈夫だよ」
⸻
そのとき、角を曲がった先で──小さな人影が目に入った。
背の低い少女が、護衛兵に付き添われて歩いている。
煤で汚れた頬、どこか怯えたような瞳。
少女の唇がかすかに動いた。
「……彩花……」
美羽の耳に、その名が届く。
聞き慣れないはずの響き。
けれど、なぜか小さな棘のように心に引っかかった。
一瞬、首を傾げる。
だが、隣の莉子は気づかず、柔らかく微笑んだ。
「新しい子? VESTが選んだなら、きっと大丈夫だよ」
美羽は小さく瞬きし、すぐに歩調を合わせ直した。
無表情を取り戻し、何も見なかったふりをする。
⸻
司令部の扉が開く。
「莉子、次の任務を伝える」
硬質な声が響いた。
莉子は真っ直ぐ前を見据え、迷いなく答える。
「はい。VESTのために!」
「よろしい。その調子だ」
美羽は黙ってライフルを肩にかけ、彼女の背中に続く。
さきほどの少女の声が、かすかな残響のように耳の奥で揺れていた。
──見えぬ檻。
その中で、小さな命が新たな役割へと組み込まれていく。
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