双影レゾナンス ~依存と共存~

Y-z

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第二章

第16話「揺れる刃」

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──NEST本部、冷たい光に満ちたブリーフィングルーム。

白い壁に映し出された戦闘記録。
漆黒の《SNR-12》が敵を圧倒するはずの映像の中で、現実は違った。
画面には、赤白の《AX-04》が光弾を放ち、ひよりの窮地を救い出す瞬間が繰り返し映し出されていた。

「……あの時……」

ひよりは無意識に呟いていた。
冷たい椅子の上で、膝の上に置いた両手がわずかに震える。

自分が押されるなど、考えたこともなかった。
セラと組めば、誰にも負けないはずだったのに。



『解析結果。あなたの反応速度は標準値を上回っている。しかし、勝率は低下傾向にある』
《セラ》の声が冷静に響く。

「……低下?」

『原因不明の変数。赤白の機体の行動は予測範囲を逸脱している』

ひよりは唇を噛み、画面を凝視する。
そこには、恐怖に震えながらも前へ踏み出す少女──彩花の姿があった。
アルの指示を復唱しながら、それでも時折、自分の直感で動いている。

「……ただの指示待ちじゃ、なかった……」

胸の奥に、言葉にならないざわめきが広がっていく。
彼女の動きが、セラの計算すら外していた。



「ひより」
司令官の声が彼女を現実に引き戻す。
「次の任務に備えろ。お前とセラに期待している」

「了解。必ず果たします」
声は揺れなかった。

だが、部屋を出るとき、ひよりは無意識に天井を見上げていた。
無数の蛍光灯の光が滲む。

(……どうして、あの子の動きに惑わされたの……?)
(私が信じてきたものは……本当に揺るがないの?)

答えのない問いが、刃のように心を突き刺していた。

──揺れる刃。
ひよりの心に、深い影が刻まれ始めていた。
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