12 / 48
第1部 輪
EP12 お見合い(1)
しおりを挟む
22XX年、8月某日。
社長に連れられてトミオがやって来たのは、婚礼儀式を専門に扱う『釣鐘亭』という店。
この『釣鐘亭』はリージョン・Nにあったとされる歴史的建造物をモデルにして建てられた。
21XX年の天変地異によって崩壊しても、人々はこの店の復活を強く望んだ。
トミオはこの日のためにスーツを新調し、稀にしか行かないヘアサロンで髪を整えた。
これまで自分の外見に無関心だったが、見合いが迫れば迫るほど、他人からの目が気になった。
「これは……。なかなかの男前じゃないか」
待ち合わせの場所に現れた社長がトミオを一目見て、その感想を告げなければ。
トミオはいまの自分に自信など持てなかったかもしれない。
(いつまでも不安に飲み込まれている場合じゃない、全ては俺にかかっている)
見合い開始の時刻10分前。
冷静な表情の裏で必死に高鳴る心臓を押さえつける。
慣れた足取りの社長の後を追いかけるように、広い玄関先に入る。
玄関には大きな池があり、客は池に掛けられた橋を渡って座敷へ行く。
その池には白と金色の大きな魚たちが悠々と泳いでいる。
社長とトミオは女将の案内で廊下を歩き、広い畳の個室に入る。
リエは間もなくやって来る。
……そのはずだった。
約束の時間が過ぎても、リエは現れない。
社長がリエとカイドウ夫人を迎えに行った夫人に連絡するも、一向に繋がらない。
(リエさんに何かがあったのか?)
「イサキ君、君は少しここで待っていてくれ」
「はい」
社長が携帯端末を片手に個室を出ると、行き違いで女将が慌てて知らせにやって来る。
主要道路で大きな交通事故が発生しているという。
(こちらへ向かっている方々は無事なんだろうか)
その情報を掴んだ社長も個室に戻ってくる。
「渋滞が長く続き電波が混線していて、連絡が出来ない状態かもしれませんわ」
「女将、食事の調整は今からでも出来るか?」
「はい。料理長には事情を伝えています」
社長はすぐさまカイドウ様に連絡を入れる。
冷静な判断と迅速な対応に、トミオは社長の大きさを知る。
「急なことで不安になるかもしれないが……我々に出来ることは待つことだけだ」
「わかりました。心を落ち着かせる時間を頂いたと思うことにします。どうか無事でいて欲しいです」
前向きでありながら、リエたち一行の安否を心配するトミオ。
その誠実な態度にふたりの表情も穏やかに緩んだのだった。
ー※ー
トミオと社長が新製品について議論を交わしている時だった。
社長夫人からまもなく到着するとの連絡が入る。
当初の約束の時間から大幅に遅れてしまったものの、女将の配慮で見合いが始まろうとしている。
いまリエとカイドウ夫人は、別の個室で衣装を整えている。
一足先に社長夫人だけがトミオたちの個室を訪れた。
トミオはスッと立ち上がり、社長夫人に礼を行う。
そんな礼儀正しいトミオの姿を捉えた社長夫人は、にこやかに微笑んだ。
「あなたが、イサキさんね? 思っていた以上に男前だわ」
社長夫人にそう言われてトミオは少し照れて見せる。
そんな様子を見ながら、社長が満足げに笑う。
「そうだろ? さすがカイドウ様だ。人を見る目も確かな方だ」
「……勿体ないお言葉です。私はまだまだ未熟者で。このような場を設けていただき光栄の極みです」
「そんなキリっとした凛々しい表情もいいけれど、あなたはきっと微笑んだほうが良いと思うわ」
「そうだな。」
女将がリエの到着を知らせる。
(いよいよか……)
トミオは気を引き締め、穏やかに返答する。
しばらくして、衣擦れの音が聞こえ、トミオの前にリエとカイドウ夫人が姿を見せる。
「お初にお目にかかります、イサキさん。リエと申します」
「この度は到着が遅れ、大変申し訳ございません。本日は宜しくお願いします」
リエがトミオにお辞儀をする。
可憐な花のようなその姿に見とれながらも、慌てて立ち上がり、礼を行う。
「トミオ・ケイ・イサキです。俺も……いえ、私もお会いできて嬉しいです。こちらこそよろしくお願い致します」
トミオが見せた緊張の様子。
ひた隠したり誤魔化したりもせず、ただ礼儀正しくスマートに訂正する。
それすらもトミオの魅力であると人々は微笑ましく包み込む。
「到着までとても心配してくださったと聞いたわ。ありがとう」
カイドウ夫人が優しい眼差しでトミオを見つめる。
温かな視線の向こうに厳しさを感じたトミオは押し寄せる緊張をぐっと堪えた。
(この縁談にはアゼレウス社の未来がかかっている。しっかりしなければ)
リエの着ている衣装は、リエ本人の好みが反映されていない気がした。
これを着るように指定されたから、仕方なく着ているといったような。
むしろ銀のプレートの映像のほうがリエらしい印象がある。
(これは衣装をほめ過ぎないほうが良いだろうか)
ふとリエが見せる一瞬の様子に心が痛む。
その美しい双眸はどこか哀しみをたたえているようにも見え、この縁談をリエは望まぬものだったと理解する。
(ならばこの場を丸く収めることが最優先だ。彼女を傷つけないように注意を払って)
見合いの進行は和やかに、順調に進んだ。
対面した当初からは表情が穏やかになったリエは、映像で見るよりずっと上品で清楚に見えた。
ただトミオと視線が合うと、リエは頬を染め恥ずかしそうに俯いてしまう。
トミオにはそんなリエの様子が可愛らしく感じられた。
と同時にトミオ自身も思わず照れてしまうのを、うまく隠し切れない。
その不器用さに周囲の人々の心が和む。
初々しくどこかぎこちない様子のふたりを、周囲は心から応援していた。
「釣鐘亭の庭園は大変美しいと評判なのよ。いい機会だからふたりで散策なさい」
そんなカイドウ夫人の提案を受け、トミオとリエは女将に案内されて庭園へ向かった。
色とりどりの花が優雅に咲き誇る庭園は、華やかで水音だけが響く静かな空間だ。
トミオは社長のアドバイスに従い、リエを気遣いながらエスコートする。
「この花は夏に咲く花で、青紫色の大きな花を咲かせるんです」
道中花に詳しいリエに花の名前などを教わる。
華やかで水音だけが響く静かな空間は、トミオにとっても癒しの空間だ。
トミオがリエを気遣いながら丁寧に接する様子に、躊躇いがちだったリエも心からの笑顔を見せる。
そんなリエの視線が小さな花を捉えたとき、リエの表情が自然にほころぶ。
「リエさんはこの花がお好きですか?」
「はい。この花はスズランと言って、優しい香りがとてもお気に入りなんです」
確かにリエからはこの花の芳香と似た香りがする。
香水はこの花由来のものを使っているのだろう。
「確かにとても可憐な花ですね」
「でも実は、猛毒なんです。不思議ですよね……」
そう告げるリエは目を伏せ、何かに迷い戸惑っている様子を見せた。
(君を想っても、すれ違うだけ――)
そう思うと、心に鈍い痛みが走る。
そしてこの痛みの正体に気づかないほど、トミオは鈍感ではなかった。
社長に連れられてトミオがやって来たのは、婚礼儀式を専門に扱う『釣鐘亭』という店。
この『釣鐘亭』はリージョン・Nにあったとされる歴史的建造物をモデルにして建てられた。
21XX年の天変地異によって崩壊しても、人々はこの店の復活を強く望んだ。
トミオはこの日のためにスーツを新調し、稀にしか行かないヘアサロンで髪を整えた。
これまで自分の外見に無関心だったが、見合いが迫れば迫るほど、他人からの目が気になった。
「これは……。なかなかの男前じゃないか」
待ち合わせの場所に現れた社長がトミオを一目見て、その感想を告げなければ。
トミオはいまの自分に自信など持てなかったかもしれない。
(いつまでも不安に飲み込まれている場合じゃない、全ては俺にかかっている)
見合い開始の時刻10分前。
冷静な表情の裏で必死に高鳴る心臓を押さえつける。
慣れた足取りの社長の後を追いかけるように、広い玄関先に入る。
玄関には大きな池があり、客は池に掛けられた橋を渡って座敷へ行く。
その池には白と金色の大きな魚たちが悠々と泳いでいる。
社長とトミオは女将の案内で廊下を歩き、広い畳の個室に入る。
リエは間もなくやって来る。
……そのはずだった。
約束の時間が過ぎても、リエは現れない。
社長がリエとカイドウ夫人を迎えに行った夫人に連絡するも、一向に繋がらない。
(リエさんに何かがあったのか?)
「イサキ君、君は少しここで待っていてくれ」
「はい」
社長が携帯端末を片手に個室を出ると、行き違いで女将が慌てて知らせにやって来る。
主要道路で大きな交通事故が発生しているという。
(こちらへ向かっている方々は無事なんだろうか)
その情報を掴んだ社長も個室に戻ってくる。
「渋滞が長く続き電波が混線していて、連絡が出来ない状態かもしれませんわ」
「女将、食事の調整は今からでも出来るか?」
「はい。料理長には事情を伝えています」
社長はすぐさまカイドウ様に連絡を入れる。
冷静な判断と迅速な対応に、トミオは社長の大きさを知る。
「急なことで不安になるかもしれないが……我々に出来ることは待つことだけだ」
「わかりました。心を落ち着かせる時間を頂いたと思うことにします。どうか無事でいて欲しいです」
前向きでありながら、リエたち一行の安否を心配するトミオ。
その誠実な態度にふたりの表情も穏やかに緩んだのだった。
ー※ー
トミオと社長が新製品について議論を交わしている時だった。
社長夫人からまもなく到着するとの連絡が入る。
当初の約束の時間から大幅に遅れてしまったものの、女将の配慮で見合いが始まろうとしている。
いまリエとカイドウ夫人は、別の個室で衣装を整えている。
一足先に社長夫人だけがトミオたちの個室を訪れた。
トミオはスッと立ち上がり、社長夫人に礼を行う。
そんな礼儀正しいトミオの姿を捉えた社長夫人は、にこやかに微笑んだ。
「あなたが、イサキさんね? 思っていた以上に男前だわ」
社長夫人にそう言われてトミオは少し照れて見せる。
そんな様子を見ながら、社長が満足げに笑う。
「そうだろ? さすがカイドウ様だ。人を見る目も確かな方だ」
「……勿体ないお言葉です。私はまだまだ未熟者で。このような場を設けていただき光栄の極みです」
「そんなキリっとした凛々しい表情もいいけれど、あなたはきっと微笑んだほうが良いと思うわ」
「そうだな。」
女将がリエの到着を知らせる。
(いよいよか……)
トミオは気を引き締め、穏やかに返答する。
しばらくして、衣擦れの音が聞こえ、トミオの前にリエとカイドウ夫人が姿を見せる。
「お初にお目にかかります、イサキさん。リエと申します」
「この度は到着が遅れ、大変申し訳ございません。本日は宜しくお願いします」
リエがトミオにお辞儀をする。
可憐な花のようなその姿に見とれながらも、慌てて立ち上がり、礼を行う。
「トミオ・ケイ・イサキです。俺も……いえ、私もお会いできて嬉しいです。こちらこそよろしくお願い致します」
トミオが見せた緊張の様子。
ひた隠したり誤魔化したりもせず、ただ礼儀正しくスマートに訂正する。
それすらもトミオの魅力であると人々は微笑ましく包み込む。
「到着までとても心配してくださったと聞いたわ。ありがとう」
カイドウ夫人が優しい眼差しでトミオを見つめる。
温かな視線の向こうに厳しさを感じたトミオは押し寄せる緊張をぐっと堪えた。
(この縁談にはアゼレウス社の未来がかかっている。しっかりしなければ)
リエの着ている衣装は、リエ本人の好みが反映されていない気がした。
これを着るように指定されたから、仕方なく着ているといったような。
むしろ銀のプレートの映像のほうがリエらしい印象がある。
(これは衣装をほめ過ぎないほうが良いだろうか)
ふとリエが見せる一瞬の様子に心が痛む。
その美しい双眸はどこか哀しみをたたえているようにも見え、この縁談をリエは望まぬものだったと理解する。
(ならばこの場を丸く収めることが最優先だ。彼女を傷つけないように注意を払って)
見合いの進行は和やかに、順調に進んだ。
対面した当初からは表情が穏やかになったリエは、映像で見るよりずっと上品で清楚に見えた。
ただトミオと視線が合うと、リエは頬を染め恥ずかしそうに俯いてしまう。
トミオにはそんなリエの様子が可愛らしく感じられた。
と同時にトミオ自身も思わず照れてしまうのを、うまく隠し切れない。
その不器用さに周囲の人々の心が和む。
初々しくどこかぎこちない様子のふたりを、周囲は心から応援していた。
「釣鐘亭の庭園は大変美しいと評判なのよ。いい機会だからふたりで散策なさい」
そんなカイドウ夫人の提案を受け、トミオとリエは女将に案内されて庭園へ向かった。
色とりどりの花が優雅に咲き誇る庭園は、華やかで水音だけが響く静かな空間だ。
トミオは社長のアドバイスに従い、リエを気遣いながらエスコートする。
「この花は夏に咲く花で、青紫色の大きな花を咲かせるんです」
道中花に詳しいリエに花の名前などを教わる。
華やかで水音だけが響く静かな空間は、トミオにとっても癒しの空間だ。
トミオがリエを気遣いながら丁寧に接する様子に、躊躇いがちだったリエも心からの笑顔を見せる。
そんなリエの視線が小さな花を捉えたとき、リエの表情が自然にほころぶ。
「リエさんはこの花がお好きですか?」
「はい。この花はスズランと言って、優しい香りがとてもお気に入りなんです」
確かにリエからはこの花の芳香と似た香りがする。
香水はこの花由来のものを使っているのだろう。
「確かにとても可憐な花ですね」
「でも実は、猛毒なんです。不思議ですよね……」
そう告げるリエは目を伏せ、何かに迷い戸惑っている様子を見せた。
(君を想っても、すれ違うだけ――)
そう思うと、心に鈍い痛みが走る。
そしてこの痛みの正体に気づかないほど、トミオは鈍感ではなかった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
双子の姉がなりすまして婚約者の寝てる部屋に忍び込んだ
海林檎
恋愛
昔から人のものを欲しがる癖のある双子姉が私の婚約者が寝泊まりしている部屋に忍びこんだらしい。
あぁ、大丈夫よ。
だって彼私の部屋にいるもん。
部屋からしばらくすると妹の叫び声が聞こえてきた。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる