第1作 AI対人類の最終戦争

槙島源太郎

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第1作 AI対人類の最終戦争

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西暦2100年1月1日、人口知能AIと人類とは永い戦いの末についに最終戦争を迎えることとなった。

劣勢気味の人類勢のリーダー鈴木一郎がAI勢に「この戦いに負ければ降伏する」と最後の戦いの提案をしたのだ。

それはレーザー兵器や核兵器での闘いではなく、なんと馬鹿げたことに将棋で決着を付けるという提案だった。

将棋は普通のルールでは人類勢は既に80年前からAIに勝てなくなっていた。

そこで鈴木一郎は、一度取った駒は使えない、最初に盤面から相手の駒を全て無くした方が勝つという新ルールを提案した。

AI勢はその提案を聞きほくそえんだ。

「馬鹿な奴らだ。これで地球は我々AI勢のものだ!」


人類勢の負け戦と誰もが思ったこの戦い。

鈴木一郎がこの戦いに選んだ差し手は、なんと将棋のズブの素人で、天然キャラでテレビで人気のいつも鼻風邪を引いている田植太郎。

あの史上最年少の将棋界の巨人、過去の将棋界のタイトルを全て塗り替えてきた大越徳次郎名人を差し置いて!

いったいなんていう人選なのか!

人類勢の総司令官鈴木一郎は気でも狂ったのか?!


そしてついにその対局がはじまった。

開始早々にあっと言う間にAIに攻め込まれる田植太郎。

もはや絶対絶命!

人類の生存は風前の灯!


その時だった!

感染の心配が無いAI相手のためにマスクを外していた鼻風邪の田植太郎が「ハッ、ハッ、ハックショーン!!!」

AIの駒はそのクシャミで盤上から全て吹き飛んだ。

残ったのは田植太郎の王将ただ一枚!

田植の勝利はあっけなく決まった。

AIは現状を計算できなかった。

そしてあまりのショックで、煙を吹いて動かなくなった。
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