初めての恋

桜の花の妖精

文字の大きさ
1 / 1

初めての恋

しおりを挟む
夏の夕暮れ、海辺の小さな町での出来事だった。私、菜々子は毎年この町を訪れていた。祖母の家での夏休みは、のんびりとした時間が流れる場所だった。

ある日、浜辺で砂の城を作っていると、一人の少年が近づいてきた。彼の名前は陸。彼もこの町に住んでいる子供で、今まで気づかなかったけれど、同じ学年だという。

陸は控えめで、いつも照れくさい笑顔を浮かべていた。私たちはすぐに仲良くなり、夏の日々を共に過ごすようになった。

私たちの日常は、海で遊ぶこと、小道を散歩すること、地元のお祭りに参加すること。そんな中、私は陸のことが好きだと気づいた。彼の笑顔、話し方、一緒にいるときの暖かさ。初めての恋心が私の中で芽生えていた。

でも、私にはその気持ちを伝える勇気がなかった。夏が終わり、私は都会に戻ることになる。陸とは離れてしまう。そんな思いが胸を締め付けた。

夏休みの最後の日、私たちはお気に入りの場所、小高い丘で夕日を見た。太陽が水平線に沈む景色は、美しく切なかった。

陸が突然、私の手を握った。「菜々子、夏が終わっても、君を忘れない。」その言葉に、私の気持ちが溢れ出た。

「私も、陸のことを忘れない。」

二人は夕日と共に初めての恋を確認した。夏の終わりが、新しい物語の始まりとなった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

嘘はあなたから教わりました

菜花
ファンタジー
公爵令嬢オリガは王太子ネストルの婚約者だった。だがノンナという令嬢が現れてから全てが変わった。平気で嘘をつかれ、約束を破られ、オリガは恋心を失った。カクヨム様でも公開中。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...