最恐の私

桜の花の妖精

文字の大きさ
1 / 1

最恐の私

しおりを挟む
暗闇の中で目を覚ましたとき、私は見覚えのない場所にいた。頭上には古びたシャンデリア、壁にはくすんだ絵画、四方を囲むのは窓のない高い壁。最初の疑問は、「ここはどこだ?」よりも、「私は誰だ?」だった。

足元を見ると、鏡が一枚地面に置かれていた。私はその鏡を覗き込んだ。映った顔は私のものとは思えないほど歪んでいた。そこには、憎しみや怒り、狂気に満ちた目が浮かび上がっていた。

鏡の中の私が口を開き、「ようこそ、最恐の私の世界へ」と微笑んだ。私はその言葉に固まった。この世界、この部屋は私の心の中だったのだ。

「君は知っているか?人は誰もが闇を持っている。君の闇、それが私だ。」と鏡の私が語りかけてきた。

私は恐怖で震えた。しかし、逃げる場所はどこにもなかった。そして、鏡の私は続けた。「私と向き合わなければ、この部屋からは出られない。」

それからの時間は、私と鏡の私の対話の連続だった。私たちは過去の失敗、悔しい思い出、未練や恨みといった闇の部分を一つ一つ掘り下げていった。

時間が経つにつれて、私は少しずつ闇の自分を受け入れることができるようになった。そして、最後に鏡の私は言った。「君が自分の闇と向き合えたことで、この部屋から出ることができるようになった。」

目の前の壁が開き、明るい光が部屋に溢れ込んだ。私はその光の中へと歩いていった。そして、私は理解した。真の強さは、自分の闇を知り、それを受け入れることにあるのだと。

明るい世界に戻った私は、過去の失敗や痛みに囚われることなく、前に進むことができた。そして、私はこれからも、最恐の自分とともに、真の強さを求めて生きていくことを決意した。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

妹の初恋は私の婚約者

あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、第一王子から婚約破棄を宣言されたカミーユ。王子が選んだのは、カミーユの妹ジョフロアだった。だが、ジョフロアには王子との婚約が許されない秘密があった。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

処理中です...