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第一夜《妖怪が出た》
しおりを挟む「 妖怪、妖怪が出た。」
隣の家の兵吉が言う。••••またか。
「それ位自分でどうにかしてくれ。」
兵吉の能力は戦闘向きではない。
「いいよ。やっておくよ。」
夜遅いのにやれやれ全くだ。
「ほんとかよぉぉ。ありがてぇ。」
まぁお詫びがそのうち来るだろうから、俺は鬼のところへ向かった。
と、ここで色々聴き慣れない言葉が出てきたと思う。
それもそうだ、俺、こと神崎勇太は元々2020年の東京に住んでいた大学生だった。
あの日、俺は居酒屋で級友と飲みくれて潰れてしまっていた。記憶が曖昧なまま自分の床に入って、寝て起きたらここだった。
そこには大名やら侍やら居て、戦国時代とかそのくらいの時代に来てしまったらしい。
でも一つだけ学んだことがある。
「この時代には確かに妖怪がいたこと。」
「能力と呼ばれる謎の力が個人で備わっていること。」
多分転移だと思うからこれから転移と呼ぶ。
転移ボーナスか何かで俺は結構チートな力を持っている。
それは、「伝説上の日本の武器を召喚して、それを行使できる力。」••もうこの際驚きはしなかった。
さてさっきから俺が向かっている妖怪というやつはほぼ鬼のようなやつだ。
そして俺の仕事は、そいつらを退治することだ。
今回は【小鬼】。かなり楽な相手だ。
「お、いたな、あいつか。」
【普通剣召喚】【十握剣】
この剣は特殊な能力はないが、かなり硬い為、汎用性がある。
---難なく退治した俺は自分の家に戻った。
翌日 朝
「昨日の夜はありがとな!たすかったよぉ」
そう言って兵吉は野菜をくれた。
これがうまいのだ。
正午前、俺は街へ向かった。お世話になっている妖怪処へ向かう為だ。
ちなみに妖怪処とは冒険者ギルドのようなものだと思ってくれていい。
妖怪の退治依頼とかそのほかにもあるけど。
俺はそこの専属の退治人だ。
「お!勇太じゃないかい!」
この元気そうなおばさんは俺を専属退治人に推薦してくれたこの町でよく顔の通る人だ。
この前妖怪に襲われているところを助けたら推薦してくれた。
「勇太さんねぇ、【牛鬼】がまた出ちゃったから退治してくれないかい?」
「もちろん一人とは言わないさ。この娘と言ってもらうよ。」
この娘?
「はじめました!あぁ噛んじゃった…」
「はじめまして!私、内海 真子と言います!竜使いです!」
「ほぉ。竜使いとは珍しいですね。」
そう…俺はもう驚かない。
「俺は剣を使います。よろしくね。娘っ子」
「あ、あの!わ、私、言っておきますがこれでも25歳ですよ!」
……………⁉︎。見た目15なのに、俺より年上じゃねぇか。
「そうなんですね。俺も同じくらいです。ははは。」
ここは笑って誤魔化そう。
「牛鬼はかなり強い鬼だからね。お互いに助けあって頑張ろうか。」
「そ、そうですね!」まだ緊張しているようだ。
------その夜、【牛鬼】発見
「あれが牛鬼だ。」
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