悪役令嬢のビッチ侍従

梅乃屋

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本編

28:ノンデリに悩み相談すると最終的にはネタ話にされる

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「AVかよ!」

 意を決して伝えたであろうヴィラードの心の傷は、俺にとってはエロネタにしか聞こえない内容で。
 うっかり笑いながら叫んでしまった。

 そんな俺を見つめ、呆然とするヴィラード。


「え、えーぶい?そして笑う所か?」
「あぁ悪い。アレだよ、官能小説とかであるだろ、読んだことない?『悶絶!後妻と淫らな午後』とか『父の居ない間にイケナイ関係』とか?」
 どこの国でも世界でもエロは共通だ。

「な、な?……は?」

 驚き固まっている彼には申し訳ないが、ノンケ男の夢のシチュエーションに吹き出さずにはいられなかったデリカシー皆無の俺。
 本人にしてみればトラウマになる程悩んでいた事実を笑うのは最低だが、それでEDになるなんて不憫すぎるだろ。
 何せこの世界は貴族女性に対して閨の行儀は正常位のみとされている。信じらんねーが表向きはそうだ。平民は違うけどな、寧ろ奔放だ。
 それが顔射なんて荒事を起こし、しかも相手が父親の後妻ならショックも大きかったのだろう。

 何よりもそれが事実なら被害者はヴィラードだ。
 眠っていた所を上に乗っかられ、慌てて突き放すとそのまま顔射なんて………グフっ!思い出してまた爆笑してしまった。ごめんて。

 なのでお詫びに俺のちょっとした失敗談を話した。

 久々にコルディア帝国の組織に顔を出した時の話だったが、懐かしい顔ぶれに興奮した俺は仲間を煽り五人を相手にヤっていた。勿論ヴィラードには組織のことは伏せて地元の仲間五人と遊んだとしか伝えていない。それで引っ張られすぎて両肩脱臼してえらい騒ぎになり、養父ボスに痴態がバレた。お陰で三ヶ月間セックスとオナ禁の呪いを掛けられるという酷いお仕置きを受けてしまった。複数プレイは三人が限度と学習したと話すと、またヴィラードは固まっていた。

 ボスは俺が仕事の対象者以外の奴と寝るのを許さないんだ。性欲を発散できない呪いが辛過ぎて今でも俺のトラウマだ。

 今回俺がヴィラードと寝たのもバレるとお仕置きされかねないので、正直少しドキドキしている。

 まぁそれは置いといて。
「俺のは軽いネタ話だ。その、笑って悪かったな。それよりもヴィラード様の継母?になるのか。その後どうなったんだ?」
 俺は話題を戻してヴィラードのトラウマに踏み込んでみた。

「彼女は大騒ぎしてしまい、屋敷中の者に痴態がバレた。当然俺の父にもだ。それで……」

 あぁ、察し。
「後妻は自分が襲われたと言ったんだな?」
 自分から襲っておいて被害者ヅラされた訳だ。

 ヴィラードは苦々しい顔で頷いた。
「当時否定をしたが誰も俺の言葉を信じてはくれなかった。後妻は社交界でも有名な美人だったし、俺が以前から彼女に懸想していたのではないかと誰もが疑った。それ以来俺は家に帰っていない」

 弱者である女性が襲われたと言えばそれは誰であろうと真実になる。父親にしてみればそれが自分の若くて美人な妻なら尚更、相手が自分の息子でもあり得ると判断されたのだろう。
 ……なんて不憫な男だ。

 多分だが、ヴィラードの問題は後妻に襲われ顔射したことよりも、父親に信じてもらえなかった事が原因だろうな。それが精神の傷と重なり、イく寸前で萎えるのではなかろうかと。まぁ俺、精神科医じゃねーからよく分からんけど。

「因みにその後妻はヴィラード様と何歳離れてるんだ?」
「俺が十五歳の時、二十二歳でやってきた」

 ほーぅ七歳差か。十分範囲内だな?
 因みに後妻は元々平民で貴族に嫁いだものの早くに主人に先立たれた未亡人だったらしく、ヴィラードの父親とは再婚同士だったとか。

「なんて言うかさー俺の勝手な統計論だけどな?一番手を出しちゃいけない義理の息子に手を出す緩い人間ってのはさー、他にも相手がいる確率高いんだよ。別にヴィラード様の後妻がそうとは限らないけど可能性の話をしていてだな。つまりアレだよ、一度後妻の身辺調査をしてみるのも手じゃね?ヴィラード様の父親のためにも」

 ヴィラードの父親が彼にとって大事な人だと思い提案をしてみた。
 俺の言葉は堅物なヴィラードには衝撃だったのか、もしくは心当たりがあるのか大きな手で口元を覆い暫く逡巡していた。

 そして少しずつだがヴィラードは自分の話をしてくれた。

 ヴィラードの母親が儚くなったのは彼が十歳の時。
 元々西大陸の北国で育った母親はコルディア帝国の環境が合わなかったのか、病気がちで風邪を拗らせそのまま亡くなる。
 彼女を愛していた父親の憔悴は激しく、周囲は再婚を強く勧め根負けした形で後妻を娶った。

 ヴィラードとしてみれば何となく後妻が気に入らなかったものの、憔悴していた父親に対して何も口出しをしなかった。
 そして父親は少しずつだが元気を取り戻し、すぐに弟が生まれるとヴィラードは家督を弟に譲ろうと心の中で決めて騎士を目指したらしい。

 それから騎士になり、その類稀な魔力を生かしてルシャードの専属になると家を出て皇宮で生活する様になる。
 たまに帰省すると何度か後妻に誘われるようなことがあったとか。

 その度に拒否をしていたが、三年前に寝込みを襲われたと。

「なぁ。後妻はヴィラード様が家督を譲ろうとしているの知ってるのか?」
 ちょっとした疑問を投げかけた。

「いいや。当時は俺に譲るのが父の決定だったから、俺は時期が来たら断ろうとしていた」
「それってさー。弟に家督を譲るために嵌められたんじゃね?」
「冷静な今なら、何となくそう思える気がしてきた……」
「気付くの遅ぇよ。あと普通にヴィラード様に欲情してたんだろ」
「俺に?何故だ。彼女は父の妻だぞ」
「その前に女なんだろ」

 単純なハニートラップだがそこに下心も混じってんのは容易に想像がつく。
 だって普通にトラップ仕掛けたいだけならわざわざ顔射するまで襲わなくとも服を破いて叫べばいい。
 となると、やはり他に男作ってる可能性は高いなぁ。

「しかし、彼女はもう子供を産み父と誓いを立てた妻なのに…」

 あー、信じられないって顔してるな。この世界の貴族夫人は貞淑でいるのが当たり前だ。
 男の方は同性の愛人を持つのが貴族のステータスみたいな?
 前世の世界だと色々炎上する思想だが、世界の常識はマジョリティにある。

 男でも女でも、どうしても一人の人間じゃ満足出来ないヤツってのは少なからず居る。
 俺の前世の母親がそうだったからな。俺の苗字、三回くらい変わったし。他にも彼氏とかセフレとか…自由な人だったわ。

 俺のことは良いとして、やはり後妻の身辺調査はした方が良いな。
 それがどんな結果になるのかは責任持てんが、ヴィラードの濡れ衣くらいは晴らせるんじゃないのかな。

「まぁ、モヤモヤする前にやっぱり調査する事をお勧めするよ」
 俺は吸い終わった煙草をジュッと消し、バスルームに行くためベッドからのそりと這い出た。

「ん、そうだな。ありがとうセバスティアン。俺も、セブと呼んでも構わないか?俺のことはヴィルと呼んで欲しい」

「良いよ」

 そう答えて俺はバスルームに行った。


 予想はしていたが…


 エロボディ、最高だったな♡





◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 





懐いたヴィラード、大満足のセブ。


お立ち寄り頂きありがとうございます♪
宜しければ最後までお付き合い頂ければ幸いです(๑>◡<๑)

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