23 / 93
第二章 常夏の参戦
トレイントレイン!?
しおりを挟む
たまにカルマくんが心の中で解説したりするのは全て読者様の仕業です。念話的な能力で質問したりしてるという設定があったりする。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
私が走りながら後ろを振り返ると目が血走っているゴブリンの集団が殺気全開で私達を追ってきていた。
「兄貴ぃぃーー!!!! 兄貴が呼び寄せたんだから、なんとかしてくれよ!!!」
「無理ですね。魔術を使う際に出てくる魔法陣から出ると強制失敗しますから、私にそれ以外の範囲攻撃はありません」
「お兄ちゃん! もう私の体力無いんですけど!」
ランとユリが泣き叫びながら走っているのを聞きつつ
どうしてこうなったのか、と軽く現実逃避しながら思い出していた。
◇past ~数分前~
双子がしばらく休憩した後、私達はゴブリン狩りに興じていた、最近はウルフかアンデットしか狩っていなかったせいか少し違和感があるが鈍った対人技術を思い出しながらゴブリンに腹パンをする。
「よっ、ほっ、せい!」
隣ではランが慣れない剣で苦戦しながらゴブリンを叩き切っていた、ランの剣はショートソードと呼ばれる剣であり、森で戦うには短い方が良いと短剣を選ぼうとしたのだがランが「短剣じゃなくて普通の剣がいい!」と我が儘を言ってきたので比較的短いショートソードになった。
まぁ確かに短剣は懐に潜って超近接戦闘をしないといけないから扱いの難しい武器ではある、が木が並び立つこの原初の森林ではリーチの短い武器の方が有利なんですけどね。
場所によって武器を使い分けることを教えた方が良いか戦いながら考えてると、いつのまにか周辺にいたゴブリンは光になって消えていた。
どうやら考えに没頭しすぎたようだ。
「お兄ちゃんは相変わらず訳分かんない強さだよね。」
「あぁ、最初にそんなステータス差で変わるのかと思ったが予想以上だったな」
「まぁ私の場合は技術も合わさってますから余計に強く見えるのでしょう、多分」
「多分……」
ええ、多分です。私に他のプレイヤー……ランとユリ以外との交流がないボッチプレイヤーですからね、仕方ないんですよ。
それをユリに言ったら哀れな目で見られた……兄をそんな目で見ないで下さい、死にたくなるじゃないですか
「オーキッド、リリィ、私に友達は居ますよ? だからそんな目で見ないで下さい」
「……お兄ちゃんが人見知りなのは知ってるから良いよ」
………よし!気持ちを切り替えて行きましょう、おや?
「この先にゴブリンの集団がいるので魔術で倒して良いですか?」
ゴブリンの数は14匹くらい、2人では2匹で限界だこの場合は殲滅力の高い魔術を使った方が良い、私の負担はあまり少ないだろうからね。
「いいぜ兄貴がそう言うなら俺達には倒せないんだろうからな」
「おぉ!私、魔術って初めて見る! ねぇねぇ詠唱とかするの?」
「いえ、少し魔法陣の上で待機するだけです。」
「むぅつまんないな、お兄ちゃん1回だけでいいから詠唱してみてよ」
「詠唱……ですか、1回だけですよ?」
考えたことも無かったな、詠唱……まぁ即興でやってますか
『我が力は理を戻すもの・全てを正常へと還す・理外の化物よ我が浄化の光で消え去れ・ピリファイ』
即興の詠唱を唱えた途端、一気に気力が持っていかれる感覚がし、倒れかけたが耐えて下を向くと普通は魔法陣から淡い光が出るだけのはずだが凄まじい光を放っていた。
「は?」
その瞬間、魔法陣の光が爆発したと思うとさっきまで周りにポツポツといたゴブリンらしきモンスターの気配が消え去った、どう考えても私の詠唱のせいだろう。
「…………わお」
「目が!目がぁぁ!」
「……この魔術の光は目にダメージは与えませんよ」
「あ、ホントだ」
「ところで今、悪い情報があるんですけど、聞きたいですか?」
2人は顔を見合わせて、嫌な予感がしたのか恐る恐る私に話を促してくる。
「……実はですね、さっきの魔術の余波でモンスターが集まってきてるんですよね。」
「「へ?」」
私の耳に遠くから何かが走ってくるような音が聞こえてきた、これは不浄の霊園でもあった現象だがあっちには霧があった分、光が届きにくかったのでまだマシだったのだがここは森の中、多少は遮られるだろうがそれでもかなり遠くまで届くだろう。
そのせいで広範囲でヘイトを買ってしまった、やっぱりこの魔術は封印すべきでは?
次の魔術はチャージが短くて使い勝手の良い魔術がいいなぁ
ま、そんな現実逃避は置いておいて私達は顔を見合わせて頷くと
「「「逃げよう」」」
とは言っても私達は包囲されている上、ここは街から結構距離があるのでハッキリ言って無謀ですが別に死んでもデメリットは……無くは無いですがそれならば挑戦した方が面白いでしょう、これはゲームなのですしね。
「うぉーー!!!」
「ラン!叫びながら走るとスタミナが切れやすくなりますよ!」
「…………」
「なんで!こうなるかなーー!!!」
そして今に至る、という訳だ
うん、まぁ取り敢えずこの鬼ごっこは私達のスタミナが切れるまで続いたと言っておこう。
【Tips】カオスにはPKが不可能である。そもそもプレイヤーがプレイヤーにダメージを与えることが不可能である。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
・PK
プレイヤーキルの略称、プレイヤーがプレイヤーを倒すという意味であり、その行為を行う者をそう呼称することもある。
・PVP
プレイヤーvsプレイヤーの略称、これはプレイヤーとプレイヤーが戦うことを意味している。
ちなみにモンスターと戦う時はPVEである
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
私が走りながら後ろを振り返ると目が血走っているゴブリンの集団が殺気全開で私達を追ってきていた。
「兄貴ぃぃーー!!!! 兄貴が呼び寄せたんだから、なんとかしてくれよ!!!」
「無理ですね。魔術を使う際に出てくる魔法陣から出ると強制失敗しますから、私にそれ以外の範囲攻撃はありません」
「お兄ちゃん! もう私の体力無いんですけど!」
ランとユリが泣き叫びながら走っているのを聞きつつ
どうしてこうなったのか、と軽く現実逃避しながら思い出していた。
◇past ~数分前~
双子がしばらく休憩した後、私達はゴブリン狩りに興じていた、最近はウルフかアンデットしか狩っていなかったせいか少し違和感があるが鈍った対人技術を思い出しながらゴブリンに腹パンをする。
「よっ、ほっ、せい!」
隣ではランが慣れない剣で苦戦しながらゴブリンを叩き切っていた、ランの剣はショートソードと呼ばれる剣であり、森で戦うには短い方が良いと短剣を選ぼうとしたのだがランが「短剣じゃなくて普通の剣がいい!」と我が儘を言ってきたので比較的短いショートソードになった。
まぁ確かに短剣は懐に潜って超近接戦闘をしないといけないから扱いの難しい武器ではある、が木が並び立つこの原初の森林ではリーチの短い武器の方が有利なんですけどね。
場所によって武器を使い分けることを教えた方が良いか戦いながら考えてると、いつのまにか周辺にいたゴブリンは光になって消えていた。
どうやら考えに没頭しすぎたようだ。
「お兄ちゃんは相変わらず訳分かんない強さだよね。」
「あぁ、最初にそんなステータス差で変わるのかと思ったが予想以上だったな」
「まぁ私の場合は技術も合わさってますから余計に強く見えるのでしょう、多分」
「多分……」
ええ、多分です。私に他のプレイヤー……ランとユリ以外との交流がないボッチプレイヤーですからね、仕方ないんですよ。
それをユリに言ったら哀れな目で見られた……兄をそんな目で見ないで下さい、死にたくなるじゃないですか
「オーキッド、リリィ、私に友達は居ますよ? だからそんな目で見ないで下さい」
「……お兄ちゃんが人見知りなのは知ってるから良いよ」
………よし!気持ちを切り替えて行きましょう、おや?
「この先にゴブリンの集団がいるので魔術で倒して良いですか?」
ゴブリンの数は14匹くらい、2人では2匹で限界だこの場合は殲滅力の高い魔術を使った方が良い、私の負担はあまり少ないだろうからね。
「いいぜ兄貴がそう言うなら俺達には倒せないんだろうからな」
「おぉ!私、魔術って初めて見る! ねぇねぇ詠唱とかするの?」
「いえ、少し魔法陣の上で待機するだけです。」
「むぅつまんないな、お兄ちゃん1回だけでいいから詠唱してみてよ」
「詠唱……ですか、1回だけですよ?」
考えたことも無かったな、詠唱……まぁ即興でやってますか
『我が力は理を戻すもの・全てを正常へと還す・理外の化物よ我が浄化の光で消え去れ・ピリファイ』
即興の詠唱を唱えた途端、一気に気力が持っていかれる感覚がし、倒れかけたが耐えて下を向くと普通は魔法陣から淡い光が出るだけのはずだが凄まじい光を放っていた。
「は?」
その瞬間、魔法陣の光が爆発したと思うとさっきまで周りにポツポツといたゴブリンらしきモンスターの気配が消え去った、どう考えても私の詠唱のせいだろう。
「…………わお」
「目が!目がぁぁ!」
「……この魔術の光は目にダメージは与えませんよ」
「あ、ホントだ」
「ところで今、悪い情報があるんですけど、聞きたいですか?」
2人は顔を見合わせて、嫌な予感がしたのか恐る恐る私に話を促してくる。
「……実はですね、さっきの魔術の余波でモンスターが集まってきてるんですよね。」
「「へ?」」
私の耳に遠くから何かが走ってくるような音が聞こえてきた、これは不浄の霊園でもあった現象だがあっちには霧があった分、光が届きにくかったのでまだマシだったのだがここは森の中、多少は遮られるだろうがそれでもかなり遠くまで届くだろう。
そのせいで広範囲でヘイトを買ってしまった、やっぱりこの魔術は封印すべきでは?
次の魔術はチャージが短くて使い勝手の良い魔術がいいなぁ
ま、そんな現実逃避は置いておいて私達は顔を見合わせて頷くと
「「「逃げよう」」」
とは言っても私達は包囲されている上、ここは街から結構距離があるのでハッキリ言って無謀ですが別に死んでもデメリットは……無くは無いですがそれならば挑戦した方が面白いでしょう、これはゲームなのですしね。
「うぉーー!!!」
「ラン!叫びながら走るとスタミナが切れやすくなりますよ!」
「…………」
「なんで!こうなるかなーー!!!」
そして今に至る、という訳だ
うん、まぁ取り敢えずこの鬼ごっこは私達のスタミナが切れるまで続いたと言っておこう。
【Tips】カオスにはPKが不可能である。そもそもプレイヤーがプレイヤーにダメージを与えることが不可能である。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
・PK
プレイヤーキルの略称、プレイヤーがプレイヤーを倒すという意味であり、その行為を行う者をそう呼称することもある。
・PVP
プレイヤーvsプレイヤーの略称、これはプレイヤーとプレイヤーが戦うことを意味している。
ちなみにモンスターと戦う時はPVEである
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる