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第二章 常夏の参戦
検証の結果と不思議な短剣
しおりを挟む◇skip ~約2時間後~
詠唱の検証は終了した。
それをまとめたのがこれ
・詠唱の解放には条件がある
・消費SPが二倍となる
・威力上昇(恐らく2倍)
・詠唱を変えると魔術も変わるが、本質を変えることはできない(例:ピリファイを炎のようにする)
・詠唱時間内に収まる詠唱じゃないと発動しない
これで全部である、副産物ではあるがこの検証を行った結果、神聖が2も上昇した。
6になったおかげか、神聖アビリティ【パニッシュメント】を獲得した。これは低いSPとチャージで光の剣を作り出して射出することが出来るアビリティで実際に使ってみたらかなり強い、詠唱してみたらロングソードくらいの剣がバスターソードなみになったのにはかなり驚いた。
さらにピリファイのアビリティのところに
【神聖】
1 ピリファイ (SP5)
・光の矢
・極光砲
というのが追加されていたがこれは私が詠唱した魔術のショートカットのようで、その代わりと言ってはなんだが威力が落ちている。かなり便利な機能で有難い。ちなみに詠唱もここで確認可能のようだ。
取り敢えず検証は終了したので、霊園から出て何かやる事が無いか、考えているとそう言えば解体ナイフが壊れたのを思い出したので道具屋に行く事にした。
◇move ~混沌都市ケーオス 道具屋前~
そう言えば、道具屋の外観をあまり見ていませんでしたね。
何と無く道具屋を見渡す、アンティーク調の塗装がなされた木の壁にレンガの屋根、そんな道具屋の扉を開けて入ると入店を知らす鈴がチリンチリンと騒がしく鳴り響く、店内はゴチャゴチャとしたイメージを与える程に物が置いてある、これらはほぼゴミにしかならないものなのだが中にはかなり希少なお宝があったりする。私のオーブが良い例だ、まぁあれはただ単に売れ残りを売り込まれただけなのだが、とそんな事を考えている内に店主が来たようだ。
「よぉーカルマ、今回はどれだけ金を落としてくれるんだ?」
この守銭奴にしか聞こえない言葉を吐いているのがここ【ガラクタ堂】の店主であるトレスだ。黒髪茶色目という日本人にしか見えない特徴だが少し外人っぽい見た目で中々のイケメンなのだが猫背とダルそうな言葉使いでその印象を打ち消すとか言うある意味猛者である。
「相変わらずお金にがめついですね……」
「ま、金は幾らあっても困らないだからな、んで何買うんだ?」
「えっと解体ナイフはありますか?」
「ん、少し待ってくれ」
そう言うとガラクタの山……失礼、商品の山から何かを掻き出していく、物をポイポイ投げているがこれに私がそれで良いのかと聞いてみるとやわな商品は置いてねぇとか言う理由になってない理由を私に告げてきたのでそれから言うのはやめた、この人私の勘ですけど何度言われてもやめないと思いますし
「あったあった」
トレスの手にはガラクタの山から取り出した短剣があった、見た目は革の鞘に入れた短剣なのだが私の気配探知がビンビンと何かの力を感じ取っていた。
ガラクタの中にある時には何も感じなかったのだが……まぁとにかく、その短剣からは不思議な力が発していた。
「この短剣は普通の短剣じゃあない、これはマジックアイテムってやつでな、大抵のマジックアイテムには強力な力が宿ってるんだが……これはちょいと切れ味が良いのとかなりの耐久を誇るだけで他には何の能力も無いんだが、解体ナイフには最適だろ?」
「ええ、そうですね。幾らで?」
「25万Cだな」
「売れ残りでしょう? 10万」
「そりぁねぇぜ、引いても23万だ」
「長年ホコリを被っていたものを買い取ってあげるんですよ? 20万」
「それでもこりぁマジックアイテムだ、そんなに引けねぇよ、22万」
あまり値引きしてくれませんね、では最後の手を
早いと思うかもですがやり過ぎると相手を苛立たせる原因になってしまいますしここはご贔屓したいですからね。
「ではここの常連となりましょう、18万」
「ぐっ、そりぁ願ってもないことだが……」
「追加で薬も購入します。」
「ハァ…………分かった分かった俺の降参だ、その値段で売ることにするわ」
こうして値切り合戦に勝利した私は通常のよりも安くマジックアイテムを入手できた、ちなみにこの短剣の正規価格は鑑定で見たところ、50万相当のようだがこれは秘密にしておこう。
……にしても手持ちが一気に無くなりましたね、50万は普通にあった所持金が今では半分くらいですよ。ちょっと散財し過ぎましたね。
私はトレスから【治癒の丸薬】と【気力の丸薬】を計10個購入すると店を出て再度短剣を鑑定してみた。
【名前:吸血の牙小剣】
【品質:極】【耐久:10000/10000】
【能力:武器攻撃値+10 鋭利2 頑丈10 吸血1 成長1 回復1】
【吸血鬼の牙を参考にして作成されたマジックアイテム、血を吸えば吸う程成長するという特性がある。】
何でこんなものがあんな骨董品屋にしか見えない道具屋に置いてあるのやら、しかも「切れ味が良いのとかなりの耐久を誇るだけで他には何の能力も無い」だって? 何処がですかねぇ、なんですかこの吸血やら成長やら回復は……しかも品質最高ですし、頭おかしいですね。
【Tips】マジックアイテムは通常武器とは違う特殊な能力を持つ道具のことである。グールクローも正確にはマジックアイテムなのだがシステム的には別カテゴリとなっている。
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ニャルの一言:やぁやぁ読者諸君、みんな大好きニャル様だ! 今回から僕の一言を載せとくから読んだ方が良いよ、【Tips】には無いヒントがあるかもしれないからね。
応援ありがとうございます!
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