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第三章 愛の形

ランは逃走を試みる1

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せっかくクトゥルフTRPGというものを題材としてるので今回からランの行動が成功するかどうかダイスで決めて行こうと思います。

……何故か一部を除きかなり良い数値だったのは主人公補正を持ってるからなのか?

後書きに参照ステータスとダイス結果も載せときます。




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 カルマとリリィがオーキットを助ける為に迷いの路地裏で迷いに迷っている頃、オーキットことランは………


◇scene ~オーキット~


「んん……ふへへ………」


呑気に寝ていた。床は石畳で硬くて眠りづらいはずなのにぐっすりである。
……とある古びた地下室らしき場所でランは牢獄に監禁されていた、しかも足枷を繋がれた状態の上、服がボロボロの布切れとしか思えないものに変わっていた。

クトゥルフTRPGだったのならば何故か拘束されておらず鍵もゆるゆるなのだが残念なことにここはリアリティを追い求めたVRなのでそんな甘いことは無い。
拘束されてる上、持ち物も本の中に入っている物を除き武器や防具が奪われていた。しかも本の中にある物も取り出す事が出来なくなっているという徹底ぶりである、正直過剰としか思えない。

さて、どうやらそろそろこの寝坊助も起きるようだ。

「うにゅ?……」

ランは目を擦りつつ周りを確認していた、どうやら急に状況が変化して困惑しているようだ。

「……どこだよ、ここ」

そう呟くとランの頭の中では何故ここに居るのか、ここは何処か?など様々な憶測が飛び交っていた、流石はあの考えまくる兄の弟というところだろうか、すぐに結論を出した。

自分は誘拐されたのでは、と
このランという少年は昔からなにかとトラブルに巻き込まれる事が多くその内、対応能力も磨かれたおかげでこの考えに至った。


「……とにかく脱出しねぇと、でもこの足枷が邪魔だな」


そう言うとランは足枷を見る、この足枷から伸びる鎖は長い年月によりボロボロになっており、ランならば簡単に引き千切れそうになっている。

チラリと鎖が繋がっている壁を見るとランは「よし」と気合を入れで鎖を全力で引っ張り始めた、のだが予想以上に古くなっていたらしく壁の方が抜けてしまった、ついでにと言わんばかりに足枷も力任せに取り外そうとするとこちらも容易に取り外した。


「ん、これで手足は自由になった後は……」

そう言って鉄格子の方を見るがこちらは足枷や鎖とは違い新品であり先程のように簡単には壊さないだろう、ただ鍵開けなどが出来るならば簡単に開くだろうということは推測できる。


「こう言うのはユリが得意なんだけど……取り敢えずやるだけやってみるか」

徐に顎を触って考え始める、鍵開けの知識が無いか探っているようだその時「あっ」と声を漏らすどうやら鍵開けの知識があったようで手先で解錠を試みたところすんなりと鍵は開いてしまった。


「意外と簡単だったな、ユリが持ってた宝箱を開けて見たいが為に鍵開けの技術を習得したのが幸いだったな」

そしてランは音を立てないように慎重に鉄格子の扉を開けると長く薄暗い石畳の廊下となっていた、辺りを見渡すには不十分なほどの光量で周りを注意していないと奇襲される可能性があるので注意が必要だろう


「(誰も居ないみたいだ、でもかなり薄暗いな足元や周りに注意して進もう)」

ランは素足の為、足音が立つ事は無いが布の擦れる小さな音がランには大きく聞こえた。
しばらく進むと木の扉があった、この扉も鎖や足枷同様に古びており向こうの話し声などは筒抜けだろうとランは考察しつつ聞き耳を立てるが物音などは聞こえない、周りに誰も居ない事を確認してから部屋の中に入る、鍵は付いていないようで扉は簡単に開いた。


どうやらここは物置だったようで剣や槍などの武器や防具、日用品だと思われるランプなどなど統一されていない品々が陳列していた。
ここでランは違和感を感じて辺りを見渡したがその違和感に気がつく事は出来なかった、辺りをウロウロしていたせいでランは思いっきり近くにあった木箱に小指をぶつけてしまった。

「ッ………!!!」

小指をぶつけたせいでじんわりと広がる痛みがあってランは悶絶していた。


気を取り直して自分の持ち物がないか探しているとランの今の愛刀“初心の太刀”を発見した、それから続々とランの持ち物が見つかりインベントリの使用禁止状態も解除された。


「ふぅ、取り敢えずこらで戦闘があっても問題無いな」

そう呟くと物置を後にした。





長い長い石畳の廊下を歩き続けていると別れ道になっており、どちらかに行けばもう片方には行けないとランは直感するだろう

「(こういう時は大体の人が心理学かなんかで左に進むらしいけど俺は右を選ぼう、どっち行っても出口なんか分からないから賭けだ賭け)」

そう考えるとランは右の道を出来る限り音を消しながら歩き出した。





【Tips】ランの言っていた心理学は「左回りの法則」というもの、理由としては右足が利き足の場合が多いので左の方が進みやすいためと言われている。
ちなみにこの心理学をとある漫画のキャラのセリフから「クラピカ理論」と呼ぶものもいる。


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このダイス結果は全て一発で出したんだけど何でこんなにも面白味の無い結果になったのだろうか……


ランのリアルステータス(ゲーム補正値)

筋力STR :17 (+1)
体力CON :18 (+2)
精神POW :15 
俊敏DEX :15 (+2)
外見APP :18 
知性INT :14 
身長SIG :17 
教育EDU :10 
アイデア:70
知識  :50
幸運  :75
ダメボ :1D6


鎖のSTR:5
対抗ロール:115
結果:自動成功

足枷のSTR:15
対抗ロール:65
結果:10 成功

鍵開けを知っているか知識の半分で判定
成功値:37
結果:10 成功

鍵開けDEX×3ロール
成功値:51
結果:16 成功

ランの聞き耳:50
結果:9 成功

違和感に気が付けるかアイデアの半分:35
結果:98 ファンブル

自分の物を見つけれるか目星の半分:25
結果:22 成功

隠密:25
結果:31

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