56 / 93
第四章 都市防衛戦の波乱
蹂躙者達と19階層
しおりを挟むはい、前回ご意見を頂き基本的に金曜日投稿となりました。
もし追加で投稿する場合は土日更新です。
そして投稿する時間も繰り上げて15時から18時にします。
混乱するかもしれませんがよろしくお願いします。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
◇
戦闘欲求を発散した後にオーク・カーネルを討伐すると無数の光の粒子となり霧散した。
とても良い笑顔のカルマ一行の目の前に本が現れてリザルトを表記する。
『RESULT』
戦闘時間:1725秒
入手アイテム
【緑豚鬼の極旨肉×3】
〈鑑定〉【品質:良】
オークの上位種から極少量入手出来る希少部位。舌が蕩けるほどに旨いとされ世の美食家からはとても良い値段で売れる。
入手タイトル
【蹂躙者】
〈鑑定〉
モンスターを連続して500以上倒した証。モンスターを連続討伐するに連れて能力が強化される(最大100%)
【オークの天敵】
〈鑑定〉
アナタはオーク族の恨みを買ってしまった。オーク系統からのヘイト増加+50% オーク系統へのダメージ+25%
能力アップ
【STR+1】【AGL+1】【格闘+1】【防御+2】【見えざる盾+3】【回復+1】【属性付与+1】【識別+1】【武道+1】【気功+1】
この蹂躙者共はあれから約30分ほど蹂躙し、蹂躙されたオーク達の姿は例え冷徹な心を持つ者でも憐れに思う程に酷いものであった。
さて少し切り替えて行こう。
この階層のボスである“緑豚鬼大佐”を討伐した功績によりさらに下の階層へ挑める転移魔法陣が現れる。
赤い魔法陣と青い魔法陣があるのだが赤い方がさらに潜る方で青い方が帰還用の魔法陣である。
この戦闘狂達は迷い無く赤い魔法陣に行きそう、というかこのまで止まらずに来たのでさすがのリアルチート達も疲労しているらしく先程までオークが蹂躙されていた白亜の床に座り込む。
「ん~流石に疲れましたね」
カルマが本を眺めながら誰とも無く呟く。それに反応したランが応える。
「まぁここまで軽い休憩だけだったしな」
疲れるのも仕方ないだろと言いながら横になっている。別に電子空間であるVRでこんなことしても疲労は取らないのだが気持ちの問題である。
しっかりと休息を取るとカルマ一行は赤い魔法陣に乗ると19階層に転移するかと書かれたディスプレイが出現したので目線で確認してから肯定する。
魔法陣が赤い光をより強く輝かすとカルマ達の身体を包み込み消え去ってしまった。
もはや慣れた転移時の視界が歪む現象を乗り過ごすと赤い光が収まる。
このダンジョン“ケーオス神殿”は同じ景色であり、ただひたすらに長い道が続いてるだけの場所なので気が参ってしまい精神的に辛いのだ。
その性質のせいでカルマ達もストレスが溜まっていたのか、モンスターにぶつけていたのだ。
戦闘狂化したのはストレスが原因なのだろう、恐らくきっと多分……。
以前はオークだったのだが次は何だと目を期待で満たしてアリスとクリムが辺りを見回す。
どうやらオーク戦の熱がまだ残っていたようで戦闘狂状態のようだ。
カルマはもう熱から醒めているらしく冷静に気配探知で自分たち以外の気配を探る。
目を閉じて集中したカルマの包囲網に引っ掛かったのは十字路から真っ直ぐ行き右に曲がった場所に3体。
どう言う相手なのかは分からないが鎖帷子のようなジャラジャラとした金属同士がぶつかり合う音が聞こえたために中々に戦い辛い相手だと予測出来る。
その間にユリは“複製”がレベル5となり新たに手に入れたアビリティ“ミドル・レプリケーション”を使って投擲する武器を作っている。
この複製アビリティは低位が100分の1なのだが中位となると一つ繰り上がり10分の1、つまりもし能力が100の場合、10となるわけだ。
ちなみにミドルの消費SPが5なのだがさらにSP5を消費すると9分の1となる、計算上普通の性能まで戻すにはSPが55必要なわけなのだが現状では不可能である。
この中で一番素早いクリムにモンスター連れてきてもらう。
『ブモオォォォォ』
鳴き声が神殿に響き渡る。ドスンドスンという重い足音も聞こえてきた。
クリムが避難するとその足音の持ち主が現れる。
体長は3mを優に超えており、立派な蹄と引き締められた筋肉を持ち、揺れる炎に照らされる大きな両刃斧がまるで死神の鎌のように感じられた。
顔は牧場などで見るのんびりとした牛ではなく闘牛と言っても良いほどに険しく鼻には金色の鼻輪が付いている。
そのモンスターの名前は───迷宮牛鬼。
ギリシア神話の怪物にしてゴブリン、オークと続くメジャーなモンスターだ。
力強い見た目から繰り出される攻撃は相当な威力を誇ることなど容易に想像出来る。
敵を見つけた興奮からか白く見えるほどに熱い吐息を漏らしており、その瞳は刃の如く鋭い殺意に満ちていた。
早速ミノタウロスは先頭にいるカルマに攻撃を仕掛けてくる。
パワータイプな見た目とは裏腹にかなりのスピードで迫り来る。
両刃斧を薙ぎ払うように繰り出す、突進の推進力とミノタウロスの筋力が組み合わさり、鉄すらも斬り裂く一撃と化す。
「(バックステップはそのままの勢いで来そうだから無し、左右は攻撃範囲だから無し、ならば)」
短い時間で考えると両刃斧の速度に合わせて跳躍する。
巧く両刃斧の上に着地し斧を思いっ切り踏みつけてミノタウロスの顔面に膝蹴りを食らわす。
怯んだミノタウロスの目にユリから貰っていた複製クリムゾンダガーを突き立てる。
『グギァァァァァ』
ミノタウロスの悲鳴が神殿内に響く、その声に驚いた二匹目のミノタウロスは困惑していた。
弱点を突いた上に攻撃力+STRが合計された数値により100に近いHPを誇るミノタウロスでも倒されてしまう。
この信仰者は耐久も攻撃力もある強敵なミノタウロスを一撃で倒すらしい、信仰者ってなんだろう………。
【Tips】ジョブについて。ジョブは飽くまでスキルを解放するための要素でありロールには全く関係無い。関係ないったら関係ないのだ。何処かの信仰者がモンクかよ、とか狂戦士と言われる戦い方をしていても全く関係無いのだ。
––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
【スケジュール】
金曜日10/16 18時
土曜日10/17 18時
一応告知しときます。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる