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20.フラミスのお節介※R指定
あのマンティコア討伐の件以降、俺の生活はがらっと一変した。
まず俺のそばには、護衛が片時も離れず付くようになった。シュルツの元側近でありハラルドの娘婿だという男、ダミアン・ローエンだ。
そうして俺の寝所も、以前の部屋からシュルツの居室へと変わった。
「最初からこうしておくべきだった。これでお前を害そうとする輩も、うかつに手を出せなくなるだろう」
それはまあ、そうかもしれない。
我ながら不謹慎な考えではあるものの、正直この件でシュルツとの距離がぐっと縮まったのが浅ましくも嬉しい。なにせ彼と毎日、同じ寝床を共にできるのだ。夢のようである。
しかしその幸福を享受する最中、いささか小さな問題も同時に生じていた。
一人の時間がない。具体的に言えば、後ろを慣らすタイミングが無いのだ。
何せ自身のそばには常に人の気配がある。以前のよう自室で一人ゆっくりという訳にもいかなかった。
俺は懸命に頭を働かせ考える。そうして悩んで、諦め、開き直った末の答えがこれだった。
「今日からシュルツ様の隣で毎晩。この触手を使って後ろを開発しようと思うのですが、構いませんか?」
「…………まあ、そうする他ないだろう」
案の定渋い顔で、シュルツは俺の提案を飲む。物分かりが良いのはありがたい事だ。
シュルツの居室は思いの外簡素で、広いベッドにも飾り気が少ない。安全の都合上、彼は定期的に部屋を転々としており、その状況では中を飾り立てる気にもならないというのが彼の弁だ。まあシュルツらしいといえばそうであろう。
広々とした寝所の上、普段だったら身を寄せ合って眠る所を、少し距離を取る。流石の俺にも若干の羞恥心というものがあるからだ。懐から触手を取り出して、自らの足の付け根に取り付けた。
魔力に反応し、伸びた触手がにゅるりと後孔に触れて粘液を分泌する。元よりフラミスから貸し出されたそれは上物だったが、今回は彼が手ずから改良した特注品である。触手は以前よりも繊細に、それでいて大胆に潜り込み中を拡張する。
一人シーツを握りしめた。普段であればためらいなく声を出すのだが、今日は、これからはシュルツが隣にいる。唇を固く引き結び、漏れそうになる声を我慢する。
「っ、ふ」
中の触手が膨らみ、良い場所を擦った。たまらずびくりと体を震わせると、隣の気配がかすかに身じろいだ気がした。ダメだ。我慢しなくては。しかしそう思えば思うほどに、体は昂ってその中の感度も増していく。
「ひぁ、っぁ」
堪らず甘い声が出たのと同時、不意に大きな手が自身の腕を捉え、引き寄せられた。
「シュ、シュルツさま」
「お前の体に、触れても良いか」
もうとっくに触ってますけど。そう言うまもなく、衣服の下へと差し入れられる手の感触に、びくりと体が震えた。
前の時より、ずっと性急なシュルツの手付き。汗ばんだ肌を伝い、尖った胸の先端を摘まれると、甘い電流のような快楽が体を迸る。
「アっ、ぁ」
「どこを触られるのが良いか、教えてくれ」
そんなのもう全部としか言いようがない。シュルツの手の触れた所が、全てが熱くて心地よい。後ろを触手に犯され、敏感になった肉体は少しの刺激で快感を拾い、瞬く間に高まっていく。
「ぁ、シュルツさまっ、ほんとに、だめ」
耳元をくすぐられ、唇の端に口付けられる。間近に迫る男の欲情してもなお美しい顔に、心臓が今にも破裂しそうだった。何よりもじもじと膝を擦り合わせ、たかぶる下腹部の熱も最早限界で。
「んっ、ゥ~~~っ……!」
唇を割られ、熱い舌を絡められると同時。びくびくと自分の体が震え、親しんだ絶頂の感覚が全身にほとばしるのを感じた。
「っ~~う、ゥ」
快楽を逃そうとのけ反る体も、シュルツが体重をかけ容易に抑えられる。絶頂の最中も口内を貪っていた熱が、やがて余韻に合わせてゆるやかなものへと変わる。ああ気持ち良い。やってしまった。
「ぷは、ぁ、シュルツさまぁ」
「触らずに達したか」
「っ、も、だから、だめだって」
「フラミスに品を頼むとき、媚薬の効果を仕込むよう頼んだのか?」
シュルツの言葉に、一拍遅れて首を横に振る。そんなものは、フラミスに渡した仕様書には書いてない。しかしこれは、もしや。
「こ、この触手……」
「……フラミスなりの気遣いだとは思うが、仕様にないものは外してもらった方が良いな」
「そう、ですね」
「私の目にも、耳にも毒だ」
そうでしょうね。なにせ先ほどから、自身の下腹にがちがちに硬く熱く、何より大きくなったシュルツの逸物が衣服越しに押し当てられている。
かわいそうに、俺の後ろがもう少し寛容であれば受け入れてやれるというのに。そう思いこそすれ、無情にも未だその道のりは遠かった。
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