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第19話 カロリーナの恋 前編
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プラチナブロンドに薄い青い瞳、次女のオフィーリアを除けば女帝マリアが生んだ子はみな父フランツの色を纏っていた。
しかし、天使の様相と謳われた女帝マリアの姿に瓜二つと言われていたのは次姉オフィーリアだけだが、顔や立ち姿などは実はカロリーナも女帝マリアの面影が見てとれる。
だが、母である女帝マリアはカロリーナの直ぐ上に生まれた男児は死産であったし、次に生まれたカロリーナが女であったこと、カロリーナの次に産まれた第二王子レオポルトは齢1才で夭折してしまった。その為、カロリーナの容姿が自分に似ているかどうかなど露ほどの興味も無く、いや寧ろ男児が次々に亡くなる中、無事に生まれスクスクと健康に育っているカロリーナを疎んじている様子さえ、見てとれた。
これは、カロリーナだけではなくマリアンナにも同じ態度を取っていたのだが。
幼い時には、自分に対して冷たい母、いや希薄な関係性の家族に対して、捨てられやしないかという怯えと愛して欲しいという渇望の中に絡めとられていて、後宮の奥の王女の建物の一部屋で、浅い息の呼吸を繰り返すだけの日々だった。
まれに、そんなカロリーナを案じてやってきてくれたのは、長姉エリザヴェータただ一人、忙しい後継教育の時間を割いては、カロリーナとその後生まれたマリアンナの成長を見守ってくれていた。
ある日を境に、毎夜毎夜同室のマリアンナが悪夢をみては魘されるようになった。
マリアンナを揺すり起こし、慰め、悪夢の話を聞くうち、なんとも胸に積もるほの暗い思いが女帝マリアへの嫌悪感へと変わっていった。
初めは、断頭台の露と消える妹を思い涙を溢していたのだが、自分が将来、政略の駒として親よりも年嵩の後妻に嫁がされた挙げ句、その夫なる者に折檻され地下牢に入れられ、餓死させられるなどと言われた時には、思わず発狂して奇声をあげてしまった程だ。
それからの日々、その話を反芻し、また長姉の婚約破棄騒動や兄皇太子の戴冠に纏わるあれこれを側で眺めながら、
(自分自身に存在価値を持たねばならない、自分の意見が通るほどには。)
と、深く広く学びに真摯に向き合う日々。
マリアンナの話を一番に聞き、その内容をマリアンナと深堀りする中で、女帝マリアの存在自体がイレギュラーであり、戦争の種であることに早くから気がついていたカロリーナは、ではなぜ男子継承が必須の神聖帝国にあって、初の女帝に祭り上げられたか、
(お祖父様が、弟の子 甥のフリード王の才覚に嫉妬したからじゃないかしら?それとも単に弟の系譜に変わるのが嫌だっただけかしら。どっちにしても皇帝の器では無かったのでしょうね。そこも含めて良く似た父娘愚か者たちね。)
そうマリアンナと結論つけたのは長姉の結婚とハデス女王就任の頃であった。
カロリーナは王女として以外に自分の存在価値を持ちたかった。
では王族とはなんであろう、その血の価値とはどのくらいであろう、帝王学を学ぶ時、いつもその思いが胸を占めていた。
カロリーナの教師の中には、関係改善をしたリンネ王国から招聘した学者もおり、その中の一人がその問いに答えた。
「『君主とは国家第一の僕である』とは、フリード王の言葉でありますが、国王とは、国家と国民の幸福のために持たされる絶対的な支配権である、と考えられるのではありませんか?」
この答えを聞いてカロリーナは雷に打たれたような衝撃が体を走り、うち震えた。
「そうね、そうなのね。幸福のために、よね?その国民にはわたくしも含まれるかしら?いえ、含まれるわよね、だって間違ってもわたくしが君主になることは無いのだから。その君主に成らない者に犠牲強いることは国王の振る舞いとしてはおかしいわよね。やはりお母様は女帝の地位に相応しくなかったのね!フリード王陛下こそ、皇帝の地位に相応しかったのだわ。」
カロリーナは力強く頷き肯定し、リンネ王国の学者は違った意味で震えだした。
「いえ、カロリーナ様、誰が相応しい相応しくないという話ではなく、概念のお話ですので、お間違えの無いように。」
念を押しした学者の声など、カロリーナには届くことはなかった。
それから、カロリーナはフリード王に関するどんなことも漏らさず調べ、著作物は買い求めては、暗記するほど読んだ。
芸術にも造詣が深いと知ると、幼少期で中止していた音楽教育も再開し、特にフルートを好んでいると聞けば、フルート奏者から手解きを受けるようになった。
序でに、あのマリアンナのお友達音楽家のヨハンネスにお願いして、フルートの協奏曲を書かせるに至ったのだ、いつの日かフリード王に聞かせる日を夢見て。
カロリーナのフリード王への溢れる熱い思い、その収集癖、その努力の過程はもはや推し活と称してもおかしくないだろう。
推し活の中、フリード王が兄皇帝と何やら秘密の事業を行っているらしい、それは産業振興、もっと言えば軍事に関わることだとも知る。
こんな国家機密の情報を王女とは云え、カロリーナに漏らす迂闊な者はそんなに数はいない。
あの、震えていたリンネ王国の学者イマエル・セントであった。
彼はあの時よりカロリーナの推し活を支える大事な間謀スタッフとなっていたのである。
「軍事!そう、結局、揉め事が起こるのはしょうがないのだから、起こった戦争は勝たねば意味がないのよ。帝国は戦争が弱いのよ、それが問題だったのだわ。」
天啓を得たりで、カロリーナは軍事についても学ぶことになる。
その分野では、長姉エリザヴェータの王配であり、帝国軍の将軍となっている義兄がいるのだ、カロリーナは尊敬する長姉に手紙を送り、義兄が帝都に居る間に軍事戦略や兵器について教えを受けることになった。
個人的にも、嘗ての戦争と兵器の変化や地形による勝敗の行方など、積極的に書物を読み耽り、学者イマエルと論戦を交わす毎日を送るようになっていた。
そうして迎えたデビュタントの日。
カロリーナは、成人の祝いに帝都へとやってきたフリード王と会い見えることとなったのだった。
「カロリーナ王女、成人おめでとう。」
目の前には、あの理想の君主たるフリード王が悠然と微笑んでくれている。
ぽーと逆上せ顔を赤らめて、カロリーナが答える。
「有り難き幸せでございます。」
「皇帝陛下、わしの責任に於てカロリーナ王女の安全を誓おう。そうして帝国へ知識の還元となるよう多くの学びの場を与えよう。カロリーナ王女殿下、いや、従姉妹姪なのだから、カロリーナと名呼びをしよう。わしのことも大叔父と頼ってくれて構わぬ。貴女に最高の学びを与えよう。どうだろう遊学してみないか、」
「ありがとうございます!!!是非とも。」
フリード王の言葉に被せるように、食い気味で即答を返した。
「ほほう、優秀と聞く帝国の姫がやってくるなど誉れ、皇帝陛下のお許しが出れば、是非おいで。」
「まあ、陛下の許可が取れたら宜しいのですね、お約束ですわよ。では陛下、許可を下さいませ。」
「...カロリーナ、大陸一の賢王フリード王のサロンなど嫁ぎ先を探しに行くと思われるが、それでも良いなら好きにしろ。」
どう聞いても不満としか聞こえぬ言葉、あからさまな不機嫌さに周囲の者は許可とは思えなかったが、カロリーナは、許可を貰えたと受け取ってしまった。
フリード王はいつも表情の変わらぬ冷徹な兄皇帝が顔を歪ませ不機嫌さを素直に見せたのが面白くて、ちょっとからかっただけのつもりであったし、兄皇帝はこんな言葉到底許可と言えない、決して許可など出すものかと思っていた。
ところがカロリーナは兄の上行く強かさを見せ、公衆の面前で兄の言質は取ったとばかりに、翌日フリード王一行がリンネ王国へと帰る時にちゃっかり学者イマエルだけをお供に連れて、フリード王の隊列に自分の馬車を紛れさせて出国してしまったのだった。
兄皇帝へ宛てた書き置きの手紙には、
『お兄様のご注意をしっかり胸に刻み、帝国のためにしっかりとリンネ王国でフリード王に学んで参ります。』
と認められていた。
マリアンナからカロリーナの置き手紙を受け取り、急ぎ読んだ兄皇帝は、
「あんの、エロジジイ。ロリコンか!うちのカロリーナを拐いおって!」
と、フリードに憎悪をむけ、窓から大声で叫んだとか叫ばないとか。
「お兄様、フリード王が無理に拐っていったのではなく、リーナ姉様が勝手についていったのよ。」
まあまあと、随分長い時間、マリアンナが兄皇帝を宥めるのに骨を折ったのだった。
しかし、天使の様相と謳われた女帝マリアの姿に瓜二つと言われていたのは次姉オフィーリアだけだが、顔や立ち姿などは実はカロリーナも女帝マリアの面影が見てとれる。
だが、母である女帝マリアはカロリーナの直ぐ上に生まれた男児は死産であったし、次に生まれたカロリーナが女であったこと、カロリーナの次に産まれた第二王子レオポルトは齢1才で夭折してしまった。その為、カロリーナの容姿が自分に似ているかどうかなど露ほどの興味も無く、いや寧ろ男児が次々に亡くなる中、無事に生まれスクスクと健康に育っているカロリーナを疎んじている様子さえ、見てとれた。
これは、カロリーナだけではなくマリアンナにも同じ態度を取っていたのだが。
幼い時には、自分に対して冷たい母、いや希薄な関係性の家族に対して、捨てられやしないかという怯えと愛して欲しいという渇望の中に絡めとられていて、後宮の奥の王女の建物の一部屋で、浅い息の呼吸を繰り返すだけの日々だった。
まれに、そんなカロリーナを案じてやってきてくれたのは、長姉エリザヴェータただ一人、忙しい後継教育の時間を割いては、カロリーナとその後生まれたマリアンナの成長を見守ってくれていた。
ある日を境に、毎夜毎夜同室のマリアンナが悪夢をみては魘されるようになった。
マリアンナを揺すり起こし、慰め、悪夢の話を聞くうち、なんとも胸に積もるほの暗い思いが女帝マリアへの嫌悪感へと変わっていった。
初めは、断頭台の露と消える妹を思い涙を溢していたのだが、自分が将来、政略の駒として親よりも年嵩の後妻に嫁がされた挙げ句、その夫なる者に折檻され地下牢に入れられ、餓死させられるなどと言われた時には、思わず発狂して奇声をあげてしまった程だ。
それからの日々、その話を反芻し、また長姉の婚約破棄騒動や兄皇太子の戴冠に纏わるあれこれを側で眺めながら、
(自分自身に存在価値を持たねばならない、自分の意見が通るほどには。)
と、深く広く学びに真摯に向き合う日々。
マリアンナの話を一番に聞き、その内容をマリアンナと深堀りする中で、女帝マリアの存在自体がイレギュラーであり、戦争の種であることに早くから気がついていたカロリーナは、ではなぜ男子継承が必須の神聖帝国にあって、初の女帝に祭り上げられたか、
(お祖父様が、弟の子 甥のフリード王の才覚に嫉妬したからじゃないかしら?それとも単に弟の系譜に変わるのが嫌だっただけかしら。どっちにしても皇帝の器では無かったのでしょうね。そこも含めて良く似た父娘愚か者たちね。)
そうマリアンナと結論つけたのは長姉の結婚とハデス女王就任の頃であった。
カロリーナは王女として以外に自分の存在価値を持ちたかった。
では王族とはなんであろう、その血の価値とはどのくらいであろう、帝王学を学ぶ時、いつもその思いが胸を占めていた。
カロリーナの教師の中には、関係改善をしたリンネ王国から招聘した学者もおり、その中の一人がその問いに答えた。
「『君主とは国家第一の僕である』とは、フリード王の言葉でありますが、国王とは、国家と国民の幸福のために持たされる絶対的な支配権である、と考えられるのではありませんか?」
この答えを聞いてカロリーナは雷に打たれたような衝撃が体を走り、うち震えた。
「そうね、そうなのね。幸福のために、よね?その国民にはわたくしも含まれるかしら?いえ、含まれるわよね、だって間違ってもわたくしが君主になることは無いのだから。その君主に成らない者に犠牲強いることは国王の振る舞いとしてはおかしいわよね。やはりお母様は女帝の地位に相応しくなかったのね!フリード王陛下こそ、皇帝の地位に相応しかったのだわ。」
カロリーナは力強く頷き肯定し、リンネ王国の学者は違った意味で震えだした。
「いえ、カロリーナ様、誰が相応しい相応しくないという話ではなく、概念のお話ですので、お間違えの無いように。」
念を押しした学者の声など、カロリーナには届くことはなかった。
それから、カロリーナはフリード王に関するどんなことも漏らさず調べ、著作物は買い求めては、暗記するほど読んだ。
芸術にも造詣が深いと知ると、幼少期で中止していた音楽教育も再開し、特にフルートを好んでいると聞けば、フルート奏者から手解きを受けるようになった。
序でに、あのマリアンナのお友達音楽家のヨハンネスにお願いして、フルートの協奏曲を書かせるに至ったのだ、いつの日かフリード王に聞かせる日を夢見て。
カロリーナのフリード王への溢れる熱い思い、その収集癖、その努力の過程はもはや推し活と称してもおかしくないだろう。
推し活の中、フリード王が兄皇帝と何やら秘密の事業を行っているらしい、それは産業振興、もっと言えば軍事に関わることだとも知る。
こんな国家機密の情報を王女とは云え、カロリーナに漏らす迂闊な者はそんなに数はいない。
あの、震えていたリンネ王国の学者イマエル・セントであった。
彼はあの時よりカロリーナの推し活を支える大事な間謀スタッフとなっていたのである。
「軍事!そう、結局、揉め事が起こるのはしょうがないのだから、起こった戦争は勝たねば意味がないのよ。帝国は戦争が弱いのよ、それが問題だったのだわ。」
天啓を得たりで、カロリーナは軍事についても学ぶことになる。
その分野では、長姉エリザヴェータの王配であり、帝国軍の将軍となっている義兄がいるのだ、カロリーナは尊敬する長姉に手紙を送り、義兄が帝都に居る間に軍事戦略や兵器について教えを受けることになった。
個人的にも、嘗ての戦争と兵器の変化や地形による勝敗の行方など、積極的に書物を読み耽り、学者イマエルと論戦を交わす毎日を送るようになっていた。
そうして迎えたデビュタントの日。
カロリーナは、成人の祝いに帝都へとやってきたフリード王と会い見えることとなったのだった。
「カロリーナ王女、成人おめでとう。」
目の前には、あの理想の君主たるフリード王が悠然と微笑んでくれている。
ぽーと逆上せ顔を赤らめて、カロリーナが答える。
「有り難き幸せでございます。」
「皇帝陛下、わしの責任に於てカロリーナ王女の安全を誓おう。そうして帝国へ知識の還元となるよう多くの学びの場を与えよう。カロリーナ王女殿下、いや、従姉妹姪なのだから、カロリーナと名呼びをしよう。わしのことも大叔父と頼ってくれて構わぬ。貴女に最高の学びを与えよう。どうだろう遊学してみないか、」
「ありがとうございます!!!是非とも。」
フリード王の言葉に被せるように、食い気味で即答を返した。
「ほほう、優秀と聞く帝国の姫がやってくるなど誉れ、皇帝陛下のお許しが出れば、是非おいで。」
「まあ、陛下の許可が取れたら宜しいのですね、お約束ですわよ。では陛下、許可を下さいませ。」
「...カロリーナ、大陸一の賢王フリード王のサロンなど嫁ぎ先を探しに行くと思われるが、それでも良いなら好きにしろ。」
どう聞いても不満としか聞こえぬ言葉、あからさまな不機嫌さに周囲の者は許可とは思えなかったが、カロリーナは、許可を貰えたと受け取ってしまった。
フリード王はいつも表情の変わらぬ冷徹な兄皇帝が顔を歪ませ不機嫌さを素直に見せたのが面白くて、ちょっとからかっただけのつもりであったし、兄皇帝はこんな言葉到底許可と言えない、決して許可など出すものかと思っていた。
ところがカロリーナは兄の上行く強かさを見せ、公衆の面前で兄の言質は取ったとばかりに、翌日フリード王一行がリンネ王国へと帰る時にちゃっかり学者イマエルだけをお供に連れて、フリード王の隊列に自分の馬車を紛れさせて出国してしまったのだった。
兄皇帝へ宛てた書き置きの手紙には、
『お兄様のご注意をしっかり胸に刻み、帝国のためにしっかりとリンネ王国でフリード王に学んで参ります。』
と認められていた。
マリアンナからカロリーナの置き手紙を受け取り、急ぎ読んだ兄皇帝は、
「あんの、エロジジイ。ロリコンか!うちのカロリーナを拐いおって!」
と、フリードに憎悪をむけ、窓から大声で叫んだとか叫ばないとか。
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