115 / 226
一巡目(二〇二二)
第92匙 メーヤウ、激辛カレーの血脈:カレー屋ばんび(E16)
しおりを挟む
この週の書き手は、木曜の夜まで神保町で仕事をする予定になっていたので、結果として、昼も夜も、神保町エリアの未訪店のカレー提供店を訪れる事ができる。
缶詰になっている地が神保町だとは、スタンプラリー参加中の書き手には、なんと、うってつけの状況なのであろう。
とまれ、夜、身柄が解放されるのが二十一時なので、必然、夜に行くべき店は、神保町界隈で夜に営業している所から選ぶ、という方針になる。
そういった観点から、この日の夜に書き手が選んだのが、神保町・お茶の水エリアの、例のデルタゾーンに位置している「カレー屋ばんび」であった。
「ばんび」が、このデルタゾーンに来たのは、二〇二〇年の三月で、それ以前には〈神田猿楽町〉に在った。そして、移転の後、「ばんび」は居酒屋という一面も持つようになった。なるほど確かに、書き手が訪れたのは夜の時間帯だったのだが、もちろん、この日の書き手の目的はカレーである。
基本、書き手は独りでカレー店を巡っているのだが、飲み会の時にこの店を選んで、仲間には酒を飲ませて、自分はカレーを食すのもアリかと思った。
さて、ガイドブックでは、「ポークカレー」が〈おさ〉れており、そこには、具材の豚肉は「とろとろになるまで煮込んだ角煮」で、じゃがいもは「甘味を感じる」もので、「一度茹でてから揚げることで、じゃがいも本来の旨味」が引き立てられている、という記述があったので、注文のポイントは、豚肉と馬鈴薯であるように、書き手には思えた。
そうした前情報を持って来店したのだが、最終的に書き手が選んだのは、「豚の三枚肉がトロトロ」の「ポークカレー」に比して、肉の量が三倍の「鬼盛りカレー」であった。
そしてさらに、書き手は、具の豚肉の量を三倍にした事に伴い、ライスの量は、普通(二〇〇グラム)の二倍の、約四〇〇グラムの「特盛り」にした。ちなみに、ライスの量の増減に値段の変動はないので、お財布を心配せずに済むのはありがたい。
そして結論から先に述べてしまうと、かくの如くライスの量を増やしたのは、書き手にとっては大正解であった。
もちろん、辛いカレーや具沢山のカレーにはライスを少な目にする、という考え方もあろうが、書き手の場合、口内の辛みの緩和を、水ではなく米でする事にしているので、辛いカレーには大量のライスが必要なのである。
つまり、ライスとカレーが別皿で提供された「鬼盛り」、そのカレーを銀の匙で掬って口に運んだ瞬間、書き手の脳天をガツンとした辛さが貫いたのだ。
キクっ!
でも、この辛さどこかで……。
書き手は、妙な懐かしさを覚えたのであった。
実は、この「ばんび」、二〇二〇年にデルタゾーンに移転する前は、同じ神保町エリアの神田猿楽町にあった。
「ばんび」が、店名を、小鹿を想起させる可愛らしい「ばんび」に改名したのは二〇一三年らしいのだが、二〇〇〇年代半ばに、猿楽町二丁目で開業した時には、店名は「メーヤウ神保町店」であったそうだ。
メーヤウ!
メーヤウは、書き手が学生時代に足を運んでいた店で、だから、「辛いカレーと言えばメーヤウ」というイメージが舌に染み込んでいるのだ。
なんでも、「ばんび」の店主の福富さんは、かつて早稲田にあった「メーヤウ」で働いていたそうだ。
そのメーヤウは、最初は早稲田大学の本部キャンパス近く、その後、戸山キャンパスの隣に移ったのだが、二〇一七年に閉店し、その後、二〇二〇年の夏に西早稲田で「早稲田メーヤウ早稲田店」として復活した、という経緯があるのだが、この神保町のデルタゾーンにも、メーヤウの辛さの血脈が継承されていた事に、書き手は感動を覚えたのであった。
〈訪問データ〉
カレー屋ばんび;神保町・お茶の水
E16
十一月二十一日・月・二十一時半
鬼盛りカレー・ライス特盛り:一五〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「カレー屋ばんび」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、五十七ページ。
缶詰になっている地が神保町だとは、スタンプラリー参加中の書き手には、なんと、うってつけの状況なのであろう。
とまれ、夜、身柄が解放されるのが二十一時なので、必然、夜に行くべき店は、神保町界隈で夜に営業している所から選ぶ、という方針になる。
そういった観点から、この日の夜に書き手が選んだのが、神保町・お茶の水エリアの、例のデルタゾーンに位置している「カレー屋ばんび」であった。
「ばんび」が、このデルタゾーンに来たのは、二〇二〇年の三月で、それ以前には〈神田猿楽町〉に在った。そして、移転の後、「ばんび」は居酒屋という一面も持つようになった。なるほど確かに、書き手が訪れたのは夜の時間帯だったのだが、もちろん、この日の書き手の目的はカレーである。
基本、書き手は独りでカレー店を巡っているのだが、飲み会の時にこの店を選んで、仲間には酒を飲ませて、自分はカレーを食すのもアリかと思った。
さて、ガイドブックでは、「ポークカレー」が〈おさ〉れており、そこには、具材の豚肉は「とろとろになるまで煮込んだ角煮」で、じゃがいもは「甘味を感じる」もので、「一度茹でてから揚げることで、じゃがいも本来の旨味」が引き立てられている、という記述があったので、注文のポイントは、豚肉と馬鈴薯であるように、書き手には思えた。
そうした前情報を持って来店したのだが、最終的に書き手が選んだのは、「豚の三枚肉がトロトロ」の「ポークカレー」に比して、肉の量が三倍の「鬼盛りカレー」であった。
そしてさらに、書き手は、具の豚肉の量を三倍にした事に伴い、ライスの量は、普通(二〇〇グラム)の二倍の、約四〇〇グラムの「特盛り」にした。ちなみに、ライスの量の増減に値段の変動はないので、お財布を心配せずに済むのはありがたい。
そして結論から先に述べてしまうと、かくの如くライスの量を増やしたのは、書き手にとっては大正解であった。
もちろん、辛いカレーや具沢山のカレーにはライスを少な目にする、という考え方もあろうが、書き手の場合、口内の辛みの緩和を、水ではなく米でする事にしているので、辛いカレーには大量のライスが必要なのである。
つまり、ライスとカレーが別皿で提供された「鬼盛り」、そのカレーを銀の匙で掬って口に運んだ瞬間、書き手の脳天をガツンとした辛さが貫いたのだ。
キクっ!
でも、この辛さどこかで……。
書き手は、妙な懐かしさを覚えたのであった。
実は、この「ばんび」、二〇二〇年にデルタゾーンに移転する前は、同じ神保町エリアの神田猿楽町にあった。
「ばんび」が、店名を、小鹿を想起させる可愛らしい「ばんび」に改名したのは二〇一三年らしいのだが、二〇〇〇年代半ばに、猿楽町二丁目で開業した時には、店名は「メーヤウ神保町店」であったそうだ。
メーヤウ!
メーヤウは、書き手が学生時代に足を運んでいた店で、だから、「辛いカレーと言えばメーヤウ」というイメージが舌に染み込んでいるのだ。
なんでも、「ばんび」の店主の福富さんは、かつて早稲田にあった「メーヤウ」で働いていたそうだ。
そのメーヤウは、最初は早稲田大学の本部キャンパス近く、その後、戸山キャンパスの隣に移ったのだが、二〇一七年に閉店し、その後、二〇二〇年の夏に西早稲田で「早稲田メーヤウ早稲田店」として復活した、という経緯があるのだが、この神保町のデルタゾーンにも、メーヤウの辛さの血脈が継承されていた事に、書き手は感動を覚えたのであった。
〈訪問データ〉
カレー屋ばんび;神保町・お茶の水
E16
十一月二十一日・月・二十一時半
鬼盛りカレー・ライス特盛り:一五〇〇円(QR)
〈参考資料〉
「カレー屋ばんび」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、五十七ページ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
アルファポリス底辺ユーザーのポイント・スコア記録。鼻で笑いたい方は是非ご覧ください。他、涙ぐましいポイ活の記録とか。
筑前煮
エッセイ・ノンフィクション
タイトル通りです。ド底辺ユーザーのスコアなどを載せています。その他アンケートサイトなどで稼いだ実績などを、備忘録も兼ねて淡々とのせます。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる