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記憶をたぐる②
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そこには、いつもの様子の矢島と
その他にもいつもの顔が揃っていた。
「野田さん、もう酔ってる?」
「あー、そうですねー、少し」
話しかけてきたのは、横山だった。
横山は小柄ながらも、顔が整っていた。
少しタイプな顔。と、声。
でも、知っている。
私は、タイプの人には選ばれない。
「莉乃ちゃーん!」
矢島は馴れ馴れしく、私を名前で呼ぶ。
私が酔っていることを察したのか、
腰に手を回してきた。
「莉乃ちゃんて、けっこう細いんだね。」
私はわたしで、察していた。
これは、誘われる。
「莉乃ちゃん、二人で見せ移らない?」
「えーなんでですかー。」
「莉乃ちゃん、かわいいから、
独り占めしたいなー。」
と言いながら、手を握ってきた。
よくいう。ほんとに、この男は調子がいい。
握ってきた手は、佐山とは比べられないほど、
厚みのある、大きな手だった。
Yシャツの下の体のラインを想像するに、
鍛えているようだった。
胸や肩もゴツく、
思わず、わたしは、胸に触れてしまっていた。
「莉乃ちゃん?別のお店行こう?」
「あぁ、はい。いいですよ。」
私は、既に、体の中の何か、
スイッチ様な、疼くような感覚が
生まれていた。
手を繋がれ、その店を出た。
店を出てすぐ、
ビルの廊下で抱きしめられた。
「矢島さん?」
「ごめん、かわいい。」
と言い切らないうちに、
激しくキスをされた。
息が上がるくらいの長く
濃厚なキス。
夢中だった。
そして、最高だった。
キスで、こんなに感じることってあるんだ。
「ホテルに連れて行っていい?」
わたしは、頷いた。
はやく、早くこの男に抱かれてみたい。
ほんの数時間前まで別の男に
抱かれそうになっていた事など
すっかり頭から消去されていた。
わたしと、矢島は、
夢中で抱き合った。
矢島は46歳とは思えない、
鍛えた体と、体力だった。
そして、夢中になるほど、
上手かった。
わたしは、まだ、さほど
経験をつんでいる訳ではないが、
気持ちいい、感じるって、
こういう事なんだ。
と、夢中で矢島に、しがみついた。
ふたりの呼吸と音だけが
ホテルの部屋に響いた。
「莉乃ちゃん、莉乃ちゃん…」
わたしは、ぐったり疲れて寝てしまっていた。
「…なに?」
「俺、帰るよ、送るから起きれる?」
そうだった。
矢島は結婚していたのだった。
わたしは、現実に戻り、
手際よく帰りの支度をすすめた。
「出ようか」
通りを出て、矢島がタクシーを停めていた。
タクシー代だから。と、5,000円を
渡してくれた。
タクシーの扉が閉まりそうなタイミングで、
「愛してるよ」
と、キスをされた。
「愛してるよ」
え、私を?
嘘にも程がある。
矢島は笑顔で私の乗ったタクシーに
手をふっていた。
その他にもいつもの顔が揃っていた。
「野田さん、もう酔ってる?」
「あー、そうですねー、少し」
話しかけてきたのは、横山だった。
横山は小柄ながらも、顔が整っていた。
少しタイプな顔。と、声。
でも、知っている。
私は、タイプの人には選ばれない。
「莉乃ちゃーん!」
矢島は馴れ馴れしく、私を名前で呼ぶ。
私が酔っていることを察したのか、
腰に手を回してきた。
「莉乃ちゃんて、けっこう細いんだね。」
私はわたしで、察していた。
これは、誘われる。
「莉乃ちゃん、二人で見せ移らない?」
「えーなんでですかー。」
「莉乃ちゃん、かわいいから、
独り占めしたいなー。」
と言いながら、手を握ってきた。
よくいう。ほんとに、この男は調子がいい。
握ってきた手は、佐山とは比べられないほど、
厚みのある、大きな手だった。
Yシャツの下の体のラインを想像するに、
鍛えているようだった。
胸や肩もゴツく、
思わず、わたしは、胸に触れてしまっていた。
「莉乃ちゃん?別のお店行こう?」
「あぁ、はい。いいですよ。」
私は、既に、体の中の何か、
スイッチ様な、疼くような感覚が
生まれていた。
手を繋がれ、その店を出た。
店を出てすぐ、
ビルの廊下で抱きしめられた。
「矢島さん?」
「ごめん、かわいい。」
と言い切らないうちに、
激しくキスをされた。
息が上がるくらいの長く
濃厚なキス。
夢中だった。
そして、最高だった。
キスで、こんなに感じることってあるんだ。
「ホテルに連れて行っていい?」
わたしは、頷いた。
はやく、早くこの男に抱かれてみたい。
ほんの数時間前まで別の男に
抱かれそうになっていた事など
すっかり頭から消去されていた。
わたしと、矢島は、
夢中で抱き合った。
矢島は46歳とは思えない、
鍛えた体と、体力だった。
そして、夢中になるほど、
上手かった。
わたしは、まだ、さほど
経験をつんでいる訳ではないが、
気持ちいい、感じるって、
こういう事なんだ。
と、夢中で矢島に、しがみついた。
ふたりの呼吸と音だけが
ホテルの部屋に響いた。
「莉乃ちゃん、莉乃ちゃん…」
わたしは、ぐったり疲れて寝てしまっていた。
「…なに?」
「俺、帰るよ、送るから起きれる?」
そうだった。
矢島は結婚していたのだった。
わたしは、現実に戻り、
手際よく帰りの支度をすすめた。
「出ようか」
通りを出て、矢島がタクシーを停めていた。
タクシー代だから。と、5,000円を
渡してくれた。
タクシーの扉が閉まりそうなタイミングで、
「愛してるよ」
と、キスをされた。
「愛してるよ」
え、私を?
嘘にも程がある。
矢島は笑顔で私の乗ったタクシーに
手をふっていた。
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