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第5章
午後12時5分 東京都内世田谷区
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「なんなんだ この渋滞は?」
関東電力の世田谷営業所所長の倉橋直行は 午後1時からの支店会議に出席するため、部下の佐武真治に営業車を運転させて 新宿支店に向かっていた。
首都高速4号新宿線で下高井戸の営業所から新宿支店までは 30分程度の時間を考えていれば十分間に合うはずだった・・・。
ちょっと早めに新宿に出て 佐武のお勧めの人気のラーメン店で食事をとろうと話しながら 11時30分に営業所をでて 10分ほど下道を走って永福の入り口から首都高速道路に乗ったのだが、西新宿のジャンクションを前に次第に車の渋滞が始まり、新宿初台の降り口まであと少しの場所で首都高速道路は全く動かない渋滞の中に停まってしまった。
「おいどうなっているんだ? 初台の出口まではあと1kmもないだろう?」
「どうしてこんな場所で渋滞しているんだ? もう10分以上ほとんど動いていないぞ・・・」
助手席の倉橋は 運転している佐武に愚痴をこぼした。
「倉橋所長、まあ 焦らなくても そのうち着きますよ。初台を出たら新宿支店までは5分もかからないですから。」
佐武は 倉橋のいらだったち気持をなだめるかのように落ち着かせた。
「交通情報は受信できないか?」
佐武はFMのラジオモードにしていたカーナビを交通情報ラジオを受信する1620ヘルツの交通チャンネル周波数に合わせた。
『道路交通情報センター 新宿からお伝えします。』
『現在 都内の首都高速道路は全面的に渋滞しています。首都高速4号線では、霞が関の首都高速都心環状線合流点まで全線で渋滞し 西新宿ジャンクションから霞が関までの所要時間につきましてはおおむね1時間を要するものと思われます。また、都内の一般道でも多くの場所で交通渋滞が発生しており、各所で事故も発生していますので、その事故処理の対応の為 渋滞の解消の目処は立っていません。』
交通情報のラジオ放送では高速道路から一般道まで大規模な渋滞が発生している様子が伝えられていた。
「こりゃ まだまだ時間がかかりそうだな。佐武君 カーナビのVICSの渋滞情報はどうなんだ? 」
倉橋の言葉を聞いて 佐武はカーナビをラジオモードから地図モードに切り替えた。
「あれ、カーナビの表示が変ですよ。現在地点が変な場所を指していますよ?」
「ここは東京駅じゃないのに、車の現在位置は八重洲口あたりを走っていることになっています。」
佐武は カーナビの設定を現在地表示設定ボタンを何度か押してみたが、カーナビに示される場所は東京駅周辺を現在地として認識しているようで、新宿の初台IC近くにいることは認識しなかった。 佐武はナビの画面を直接タッチしてスクローズし、新宿の地図に移動してみた。 しかし、やはりナビに示されたVICSの情報も首都高速道路は全面的な渋滞で、表示は赤のラインで真っ赤に示されていた。到着予測時間も見当もつかない状況の中で、自車の位置を東京駅周辺と認識しているナビでは目的地の新宿までの時間を割り出すこともできなかった。
「なんか カーナビが狂ってしまっておかしいですね? それともGPSの受信ができなくなっているのかなあ・・・」
佐武がつぶやいた。
「もう12時を過ぎてしまったか、この調子だと昼飯で君がイチ押しのラーメンを食べに行くのは無理みたいだな。」
倉橋は佐武に残念そうな表情で語り掛けた。車が初台の高速出口を出たのは12時40分にもなっていた。世田谷の支店を出て新宿まで1時間以上も時間がかかったのは初めての経験だった。
初台のICから下りた西新宿の高層ビル街の周辺は思ったほどの渋滞ではなかったが、関東電力の新宿支店のある青梅街道界隈はまったく車が動いていない混み具合を見せていた。
「佐武君、近くのパーキングに車を止めて 支店まで歩くことにするか、10分も歩けば到着できるだろう。」
倉橋は道路の渋滞を見て徒歩で新宿支店に移動することを部下の佐武に提案した。
「そうですね歩きましょう。その方が早く支店に到着できると思います。」
佐武は青梅街道の手前にある高層ビルの地下駐車場に車を停める為にハンドルを切った。
人気のラーメン店から コンビニでのペットボトルのお茶とサンドウィッチとおにぎりに変更し、口にほう張りながらし 食べ歩きで関東電力の新宿支店を目指すことにした。
結局、新宿支店に入れたのは会議の始まる午後1時を5分ほど過ぎた時間になっていた。他の営業所から集まってくる担当者たちも到着に時間がかかっている様子で、50人ほどが入れる円形テーブルの会議室には10人ほどの社員がいただけで、午後1時からの会議開始が予定通り開かれそうな雰囲気は全くなかった。この日の関東電力の会議は、東京から北部に位置する三多摩地区や東京都内の北区や練馬区などの営業所以外にも 埼玉地区などの営業所からも担当者が集まることとなっていて、多くの担当者が営業車を使ってくることが予想されたため、この渋滞の中で新宿までたどり着けない状況に置かれていることが考えられたのだった。会議担当の事務の女性職員が会議室にやってきて会議の開始が遅れそうだとの説明をしたが、その様子では各営業所の担当達とのスマホでの電話連絡そのものもかなり込み合っている様子で、つながりが難しいらしく、通信状況もかなり混乱しているような様子を見る事ができた。
関東電力の世田谷営業所所長の倉橋直行は 午後1時からの支店会議に出席するため、部下の佐武真治に営業車を運転させて 新宿支店に向かっていた。
首都高速4号新宿線で下高井戸の営業所から新宿支店までは 30分程度の時間を考えていれば十分間に合うはずだった・・・。
ちょっと早めに新宿に出て 佐武のお勧めの人気のラーメン店で食事をとろうと話しながら 11時30分に営業所をでて 10分ほど下道を走って永福の入り口から首都高速道路に乗ったのだが、西新宿のジャンクションを前に次第に車の渋滞が始まり、新宿初台の降り口まであと少しの場所で首都高速道路は全く動かない渋滞の中に停まってしまった。
「おいどうなっているんだ? 初台の出口まではあと1kmもないだろう?」
「どうしてこんな場所で渋滞しているんだ? もう10分以上ほとんど動いていないぞ・・・」
助手席の倉橋は 運転している佐武に愚痴をこぼした。
「倉橋所長、まあ 焦らなくても そのうち着きますよ。初台を出たら新宿支店までは5分もかからないですから。」
佐武は 倉橋のいらだったち気持をなだめるかのように落ち着かせた。
「交通情報は受信できないか?」
佐武はFMのラジオモードにしていたカーナビを交通情報ラジオを受信する1620ヘルツの交通チャンネル周波数に合わせた。
『道路交通情報センター 新宿からお伝えします。』
『現在 都内の首都高速道路は全面的に渋滞しています。首都高速4号線では、霞が関の首都高速都心環状線合流点まで全線で渋滞し 西新宿ジャンクションから霞が関までの所要時間につきましてはおおむね1時間を要するものと思われます。また、都内の一般道でも多くの場所で交通渋滞が発生しており、各所で事故も発生していますので、その事故処理の対応の為 渋滞の解消の目処は立っていません。』
交通情報のラジオ放送では高速道路から一般道まで大規模な渋滞が発生している様子が伝えられていた。
「こりゃ まだまだ時間がかかりそうだな。佐武君 カーナビのVICSの渋滞情報はどうなんだ? 」
倉橋の言葉を聞いて 佐武はカーナビをラジオモードから地図モードに切り替えた。
「あれ、カーナビの表示が変ですよ。現在地点が変な場所を指していますよ?」
「ここは東京駅じゃないのに、車の現在位置は八重洲口あたりを走っていることになっています。」
佐武は カーナビの設定を現在地表示設定ボタンを何度か押してみたが、カーナビに示される場所は東京駅周辺を現在地として認識しているようで、新宿の初台IC近くにいることは認識しなかった。 佐武はナビの画面を直接タッチしてスクローズし、新宿の地図に移動してみた。 しかし、やはりナビに示されたVICSの情報も首都高速道路は全面的な渋滞で、表示は赤のラインで真っ赤に示されていた。到着予測時間も見当もつかない状況の中で、自車の位置を東京駅周辺と認識しているナビでは目的地の新宿までの時間を割り出すこともできなかった。
「なんか カーナビが狂ってしまっておかしいですね? それともGPSの受信ができなくなっているのかなあ・・・」
佐武がつぶやいた。
「もう12時を過ぎてしまったか、この調子だと昼飯で君がイチ押しのラーメンを食べに行くのは無理みたいだな。」
倉橋は佐武に残念そうな表情で語り掛けた。車が初台の高速出口を出たのは12時40分にもなっていた。世田谷の支店を出て新宿まで1時間以上も時間がかかったのは初めての経験だった。
初台のICから下りた西新宿の高層ビル街の周辺は思ったほどの渋滞ではなかったが、関東電力の新宿支店のある青梅街道界隈はまったく車が動いていない混み具合を見せていた。
「佐武君、近くのパーキングに車を止めて 支店まで歩くことにするか、10分も歩けば到着できるだろう。」
倉橋は道路の渋滞を見て徒歩で新宿支店に移動することを部下の佐武に提案した。
「そうですね歩きましょう。その方が早く支店に到着できると思います。」
佐武は青梅街道の手前にある高層ビルの地下駐車場に車を停める為にハンドルを切った。
人気のラーメン店から コンビニでのペットボトルのお茶とサンドウィッチとおにぎりに変更し、口にほう張りながらし 食べ歩きで関東電力の新宿支店を目指すことにした。
結局、新宿支店に入れたのは会議の始まる午後1時を5分ほど過ぎた時間になっていた。他の営業所から集まってくる担当者たちも到着に時間がかかっている様子で、50人ほどが入れる円形テーブルの会議室には10人ほどの社員がいただけで、午後1時からの会議開始が予定通り開かれそうな雰囲気は全くなかった。この日の関東電力の会議は、東京から北部に位置する三多摩地区や東京都内の北区や練馬区などの営業所以外にも 埼玉地区などの営業所からも担当者が集まることとなっていて、多くの担当者が営業車を使ってくることが予想されたため、この渋滞の中で新宿までたどり着けない状況に置かれていることが考えられたのだった。会議担当の事務の女性職員が会議室にやってきて会議の開始が遅れそうだとの説明をしたが、その様子では各営業所の担当達とのスマホでの電話連絡そのものもかなり込み合っている様子で、つながりが難しいらしく、通信状況もかなり混乱しているような様子を見る事ができた。
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