優しくて美しい世界

白い黒猫

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センセイに逢いに

読めない状況

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 私は拘置所の中の畳に座り呆然としていた。

 センセイと想いが通じあい恋人となったものの、それからか苦難の日々の始まりだった。
 センセイの周囲の人は、私とセンセイとの関係を一切認めなかった。
 センセイは大学でも人気のあったことで、妬みもあったのだろう、学生から嫌がらせを受けるようになる。
 そしてセンセイの親しい人も一斉に私と引き離そうとし邪魔をしてきた。
 
 その筆頭はさっき神社にもいた眞邉樹里と、名前を言うのも嫌になるあの男の二人。
 眞邉樹里はセンセイの秘書。客員教授の助手ではなく何故秘書? と思ったけどセンセイはプロの画家だけでなく、実家の営む会社の役員や、ギャラリーカフェのオーナーなど様々な副業をしている事で、仕事全般をフォローする為に彼女が付いているようだ。

 年齢は二十代後半位でバスケ部などにいそうなショートヘアーでいつもスーツ姿を着こなしていて仕事の出来る女という感じ。
 華やかというより凛とした美しさのある女性で、まぁ美人だとは思う。

 ラウンジなどで二人きりで話している時は名前で呼びあっていたりしている。
 学生の間では婚約者なのではないかと噂されていたが、センセイは幼馴染だと言っていた。 

 しかしこの眞邉は私とセンセイのお付き合いを悉く邪魔してきた。
 まぁ一緒にいる時のセンセイへの献身ぶりを見ていると分かる。
 単なる部下を超えた感情が透けて見えていたので私という存在が邪魔に思えたのは当然なのかもしれない。
 そのため執拗に妨害してきた。
 話しかけようとすると身体を入れてまで妨害する。研究室に会いに行っても、明らかに中にセンセイがいるのに居ないと嘘をつくという事を平気でしてきた。

 もう一人は……私はあの男を思い出そうとするだけで身体が震えてくるのを感じた。突然私の前に現れ私をズタズタにした。
 センセイの従兄弟とか親戚だというあの男はとんでもなかった……。
 人からあそこまでの殺意を孕んだ悪意を向けられたのは初めてだった。
 私は顔をブルブルと横に振る。

 この二人の事を考えていると精神的にどんどんまいってしまう。今は拘置所にいるということでただでさえ困った状況。
 人生の拘置所。
 今回は同居人なしで一人と言うことで前よりマシではある。
 大きく深呼吸するが、状況が分からない上に読めない。
 私は今度はどんな罪を犯したとして収監されているのだろうか?

 も何も分からない。私は壁にもたれた格好で座った体制で目を閉じた。
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