『застежка-молния。』

日向理

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Episode.30

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                    「んふふ♡」


「明日から九州行くから」

                「九州!いいなぁ~」
               「ライブとかなにか?」

「ううん、アルバムが出来たから」
「ラジオとインストアライブがメイン」

                  「すごいなぁ~」


「別に俺がすごいわけじゃないし 苦笑」
「お土産とか買ってこようか?」

                   「九州かぁ~」

「ラーメンとか?」


      「それ、私に『太れ』って言ってる? 笑」

           「あ!モツ鍋食べたいかも~♪」

「モツ鍋も太るんじゃない?」

    「モツ鍋はニンニクとか唐辛子が入ってるから、
             痩せそうな感じ、しない?」

「いや、寧ろ食欲が増すやつだろ、それ」

                     「そか」
         「でも気分でなんとかなるでしょ♪」


「結局『気分』なんだ 笑」

                    「ん?何?」


「ううん」

「あと向こう行ってる間は連絡取れないと思うから」


「戻ってきたら、また連絡するよ」

                    「はーい♡」


「あ、あとさ」

                      「ん?」

「花純のインスタに付いてる…
 読めないハッシュタグ」

                       「え」



「あれってなんか意味あんの?」

                     「ああ~」


       「あれはねぇ、おまじないみたいなもん」

             「仁さんも見えないもんね」

「え?」


             「ううん、なんでもな~い」

            「今日は事務所直行するの?」

「ちょこちょこっとした雑務はあるけど」
「急ぎってわけでもないからなぁ」

    「じゃあ、一緒にどっかでランチたべようよ!」


「花純、お前それ」
「モツ鍋の流れで腹が減ったんだろ 笑」


              「ふふ、バレたか~ 笑」


「それだったら旨いトンカツ屋知ってるんだけど」
                  「トンカツ!?」



           「ガチで私を太らせる気だね…」

「行かないの?」

                     「…行く」

「ふっ 失笑」

           「いいの!その分燃焼すれば!」

「『燃焼』て 笑」
「まさか真昼間から下ネタとは…」

                 「ちーがーうー!」


                「ほら、行こ行こ!」

「はいよぉ」



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