『застежка-молния。』

日向理

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Episode.39

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 「文人さん、『クラウド』って解ります?」


…ク、クラウドってあれだしょ?

 「くす 笑」
 「『だしょ』って 笑」

ゔっ(; ・`д・´)

…サ、サーバーにアップロードして
データ管理する、的な?

 「そう、その『クラウド』です」


 「要するに文人さんの場合は、
 『意識』はアップロードされてるんですが」

 「『肉体』の情報はまだアップロードされてないので
 『幽霊』としてはまだ実体化してないんです」

なるほど…


は!?

と、言う事はまだ

 「文人さんの肉体は『死んでいない』って事です」

マジですか!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

 「ヒトの肉体は有機的ではありますが、
  全てがデータの集約なので」

は!?
と、言う事は瞬間移動的なやつも

 「んー」

 「可能ではあると思いますが」

 「人ひとりの全てをデータ化し、
  転送をして再構築させると言うのは…」
 「今のヒトの知識では不可能ですね」

 「けれどもA.I.がヒトの知識を追い抜いて、それを
  先に成し遂げる可能性の方が高いかもしれません」

は、はぁ…

孝くんは博学なのですな

 「まぁ…ずっと『幽霊』やってますからね 笑」


ずっと!?Σ( ̄。 ̄ノ)ノ


ちなみに人間で言うと年齢は…

 「今は…西暦で何年ですか?」

えっと、2018年、かな?

 「もうそんなに経ってるのかぁ…」

 「2018年だと…30歳です、僕」


うわっ!全然歳上じゃないですかー!!

なんか色々すんません・・・


 「いえいえ!14年経ってはいますが、
  僕はずっと16歳のままなので」

 「僕、幽霊ですよ? 笑」

で、でも…

なんでもよく知っていらっしゃったので

 「僕の意識も肉体も、
  14年前にアップロードされたものなので」
 「感じたり考えたりするのも、
  既存の情報からしかできないんです」

 「コンピューターとかは父親の影響で
  興味があったので」
 「それに既に、クラウドの技術はありましたからね」

と、言う事は現実世界の情報なんかは

 「直接は入ってきません」


(ΦωΦ)フフフ…


実はですね、2007年にですね、タッチパネル式の
 「スマートフォンですね」

え!?

 「そう言うのが大好きな人が来て、
  色々教えてくれました」
 「現実世界の情報は直接は入ってきませんが、
  クラウド化された幽霊同士だと
  情報をある程度シェアはできるんです」

 「タブレットっていうのもあって、
  ストリーミングで映画とか観られるんですよね?」
 「すごい時代になりましたね^^」


ぬわー!:(;゛゜’ω゜’):

なんかホント色々すんません・・・


 「いえいえ!」
 「誰だって『幽霊』に会う機会なんて
  滅多にないんですから 笑」


…それでその、お知り合いの方は今は何処へ?

 「無事、成仏しました^^」


なんですと!(; ・`д・´)


・・・という事は
孝さんは…なにか怨念のようなものが
お有り…なのでしょう…か?

 「僕は14年前にアップロードされた、
  16歳のままなので」
 「敬語でお話ししなくても大丈夫ですよ^^」


ゔっ(; ・`д・´)

失礼仕った…


 「はは 笑」
 「文人さんって面白い人なんですね^^」

 「お笑いの芸人さんかと思いました 笑」


わ、私めにそのようなスキルは
搭載されてはいないかと!(; ・`д・´)

 「『才能』っていうのは、
  持っている本人が1番無自覚ですからね^^」


 「で」


 「僕が14年間幽霊をやっているのは…


  16歳の時に井戸に落とされて、


  その井戸の上に建てられたペンションに
  ビデオデッキがあって…」

ま、まさかの貞子!(; ・`д・´)


 「あの映画面白いですよね^^」

えっ!?

 「今のは軽いジョークです  笑」

 「ゴーストンジョークです^^」


ゴーストンジョーク…なかなか独特な…


 「さっき僕、「感じたり考えたりするのも、
  既存の情報からしかできない」って
  言いましたよね?」

お、おう…

 「なので自分が成仏できない理由は、
  知らないんです」
 「『既存の情報』でしか考えられないんで」

なんですと!(; ・`д・´)

では14年も理由を知らぬままって事、なので!?

 「いえいえ」

 「さっき僕、文人さんに
  今は何年か聞きましたよね?」


お、おう…

 「ここは時間の概念がないので」
 「14年っていう、自分の年齢に近い年数が
  経っているっていう感覚はないんです」


むむ…

なかなかに難解な設定ですぞな…


 「それは書いてる人に
  直接文句を言ってください^^」

ぬ!?…

か、書いてる人、とは?(; ・`д・´)

 「何でもないです  笑」

 「ゴース
ゴーストンジョークですな!!

  「笑」


 「でも僕なりに」


ん?

 「『既存の情報』で考えたりはしたんですけど」

はて?

 「『心残り』があるからなのかもって、
  そう思ったりします」

心のこり…


 「実は僕、一個上の先輩と付き合ってたんです」

ま、まさかの歳上キラー!!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

もう速攻、高速土下座して
謝罪する所存です!!(; ・`д・´)

 「文人さん、土下座出来ないですよね?^^」
ゔっ(; ・`д・´)


そこはふつーにスルーして貰った方が宜しかったかと…


 「はは 笑」
 「やっぱり文人さん、面白い^^」


 「スマートフォンを教えて貰った時に、
  2010年かな?確か」
 「6年経ってるのはその時認識したんですけど」

 「さっき文人さんから2018年って
  教えて貰ったので、14年って情報が更新されて」

 「6年経って、14年経って」
 「23歳と今、31歳の先輩を、僕は
  ずっと1人にさせてるかもしれないって」

 「情報が上書きされるたびにそう思ったんです」



なるほど

…未亡人的なニュアンスですな


 「未亡人って 笑」

 「僕、結婚はしてませんよ、16歳でしたし」


ゔっ(; ・`д・´)


 「先輩、『学校中の男子』が狙ってた人だったんで
ぬ!!( ̄ー+ ̄)キラリ

ち、ちなみにその先輩は、
可愛い系、綺麗系どちらでしたか?

 「んー…可愛くも、キレイでもあったので」
の!!( ̄ー+ ̄)キラリ


ち、ちなみにその先輩は、
可愛いと綺麗、比率的にはどれ位…



「んー…どれくらいだろ…」



「可愛いとキレイ、6:4、くらい、かな?」
ぬおーーー!!黄金比だ!!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

 「文人さん、面食いなんですね 笑」

もーー!それはそれは!!
じぶん、炭水化物ラブなので( ̄ー+ ̄)キラリ

 「でもこれも『14年前の』、
  先輩が17歳の時の情報ですよ?」

 「31歳の今は、違う比率かもしれませんし」


しかしながらその先輩は、
可愛いと綺麗の、ハーフなのですぞな?

 「『可愛いとキレイのハーフ』って
  初めて聞きました 笑」


このフントの鼻は、わりかし
よく嗅ぎ分けられるのでして(ΦωΦ)フフフ…

 「文人さん、
 『ふんと』って呼ばれてたんですね^^」

その通りでございます!!
ダックスフントのフントでごわす

 「フント、、ホントに鼻、利きそうですね 笑」

このフントめの『高嶺の花カウンター』は、
高性能かつ高品質なのでございます!( ̄ー+ ̄)キラリ

 「あ」

 「そしたら、もしかしたら…」

はて?

 「あ」

 「もしかしたら、フントさんなら、

  今の先輩を見つけられるかもって」


現在の先輩!?( ̄ー+ ̄)キラリ

 「あ」

 「フントさんって呼んじゃいました 笑」

もう全然フントで大丈夫っす!!

 「今のフントさんは、意識だけが
  アップロードされてるので」
 「僕と違って、現実世界の事は認識できるんです」

なるほど!
自分、救急車で運ばれるのも目視できましたし…

はっ!!(; ・`д・´)

 「ん?」

 「どうしましたか?」

自分、ファーストキスを男に奪われまして…(;´∀`)

ちなみに孝くんは?

 「キス、ですか?」

え、ええ
K・I・S・Sのキッスです…

 「キスはした事、なかったです」


勝った!!( ̄ー+ ̄)キラリ

 「フントさん、さっき「男に奪われた」って」

ゔっ!(; ・`д・´)

 「最後の時は手ぇ握ったりハグしたりはしました」

はぐっ!(; ・`д・´)

 「女の人ってやわらかいんですよね^^」

ぐっ!(; ・`д・´)


・・・すんません!!

勝った気でおりましたが、
完全負けておりやんした!(;´∀`)

 「はは 笑」
 「やっぱりフントさん、面白いです^^」


 「じゃあフントさんのその」

 「『タカネノハナカウンター』の精度を信頼して、
  先輩の捜索をお願いしてもよろしいですか?」


モチのロンで!!
むしろこちらからお願いする勢いすらあったので!!


でもふと思ったんですが…

 「なんですか?」

ご存命なかたは僕の事は見えないんですよね?

 「おそらく、は」

それで孝殿のような『幽霊』様は
私めを認識できてる、と

 「はい」
 「でないと今の今までが成立しませんからね」

ではご存命なかたは孝殿を認識したりとかは…?

 「…さぁ、どうなんでしょ」
 「僕、14年『幽霊』やってますが、
  真っ青な顔をした人に遭遇したことがありません」

 「もしかしたらフントさんのように、
 『生きてる方』も同様に見えている可能性も
  否定はできないので」


( ゜ ρ ゜ )ボー


 「ん?」
 「どうしましたか?フントさん」

 「幽霊でも見たような顔して
ゴーストンジョーク!!

 「ふふ 笑」


私の問いに対して、あまりにも
理想的な回答をなされていたので、
見惚れてしまいやんした…(;^ω^)

それでその先輩のお名前などは…

 「名前、ですね」

ぶうぉぉん!
青野水希

ぬおっ!!(; ・`д・´)

突然にヒトの名前が…

ひょっとしてこれが先輩の・・・

 「そうです、名前です」
 「先輩の^^」


なんてまぁハイテクな!!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

 「幽霊と幽体特典です、
ゴーストンジョーク!!

  …今のはジョークではないです 笑」

はっ!!(; ・`д・´)

私め知ったかぶりでクソ生意気なことを!!

もう速攻、高速土下座して
 「する必要ないですよ^^」

へ?

 「僕、フントさんよりも『年下』ですから^^」

なんてまぁよく出来た
幽霊さんなんでしょ!!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

はっ!!(; ・`д・´)

また私め知ったかぶりで
 「フントさん」

へ?

 「それ、やり始めると止まらないパターンなので」
 「この辺にしておきましょう^^」

なんてまぁよく出来た!…って


じー


すんません、
ちょっと調子ぶっこいてました:(;゛゜’ω゜’):



 「ん?」


 「どうしましたか?フントさん」


 「幽霊でも見たような顔して
ゴーストンジョーク!!ヾ(≧∀≦☆)

 「はは 笑」

ちなみに幽霊の皆さんは、
他所様のお風呂シーンに忍び入るなんて
 「それは『ヒトとして』NGなんじゃないかと^^」


で、ですよねぇ~:(;゛゜’ω゜’):

孝殿のその、沈黙の笑顔で色々と察しました(;´∀`)

「。。。^^」

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