あなたの知らない世界【カクヨムにも連載中】

毛利直人

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第一話 幽霊屋敷で拾ったトランシーバー

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1995年11月上旬の土曜日の夜10時に差し掛かる頃、愛媛県松山市に建っている松山市立日川中学校の正門前に3人の中学生が立っていた。


3人の名前は安川大輔、近藤武蔵、中城剛志で、この中学の1年生である。


3人の中学生は日川中学校から歩いて500メートルの距離にある、一軒の荒れ果てた廃墟になっている空き家に行こうと集まっていた。


(安川) 楽しみだな~


(近藤) 今から俺たちが行こうとしている廃墟の空き家は、地元でも有名な幽霊屋敷だからな~


(中城) 俺さ~、幽霊がいつ出てきても写真が撮れるように写るんです持ってきたからよ~


愛媛県松山市の中心街から数キロ程離れた場所に日川地区が存在する。


日川地区は農地が多くあり、特に日川中学校が建てられている場所は、周りに民家が殆ど無く広大な田園風景が広がっており、街灯の灯りも少なく、夜10時の時間になれば人通りが全く無くて気味が悪い。


(近藤) 何か、夜に見たら本当に気味悪い建物だな~


(中村) ヤベ~、懐中電灯の電池が切れかかってるわ~灯りが点滅する~


(安川) 灯りが点滅するのって心霊現象じやね?


3人の中学生は日川中学校から徒歩で数分歩き、地元で幽霊屋敷と呼ばれている2階建ての廃墟の空き家の前にやって来た。


幽霊屋敷は度重なる台風の影響なのか屋根瓦の幾つかが禿げて、2階の一部の部屋からは月や星が見える状態になっている。


どの部屋も、畳や床の一部は腐っており、所々陥没穴が空いている。


夜は肝試しや不良達の溜まり場になっていたのか、飲食物の食べ残しやタバコの吸い殻や缶コーヒー、ビール缶の残骸などが幾度転がっている。


(安川) おっ、先月号のスコラが転がってるじやんかよ!


(近藤) マジかよ、ナイトショップ12で立ち読みしようとしたら店長の親父に注意されて読めなかったやつじやんか!


(中城) ほう、俺も読ましてくれよ~


3人の中学生は幽霊屋敷の廃墟探索で思わぬ掘り出し物に遭遇して一喜一憂している。


(近藤) はい、ただいま時刻は午前2時です。


(中城) それにしても夜は寒いな~


(安川) それにしても幽霊なんか何にも出ねえな~


3人の中学生は1階の8畳程ある広い部屋の比較的、腐食が少ない綺麗な畳の上に靴と靴下を脱いで座禅座りで座っていた。


(近藤) 何か、俺さ~眠くなってきた。


(中村) 俺も!


(安川) かく言う俺も眠くて死にそう~


3人の中学生は大きなあくびをして背中を壁にもたれてイビキを掻いて眠りについた。


(謎の声) あ...な...た...だ...れ.....?


(安川) えっ、今さっき何か女の声が聞こえたよね?


安川は懐中電灯で辺りを隈無く照らすが幽霊らしき影は見当たらない。


近藤と中城は相変わらず大きなイビキを掻いて寝ている。


安川が腕時計に目をやると時刻は午前5時に差し掛かろうとしている。


(安川) あ~あ、もう朝じやんかよ!
結局、幽霊なんか出なかったな~


安川が女の声が微かに聞こえたであろう方向に目をやると............


布団を収納する押し入れのふすまが少し開いていた。


(安川) 何だこれ、トランシーバーか?


押し入れの中には年季が感じられる古くボロボロのトランシーバーが一つ置かれていた。


(安川) 電池は入ってないな~、でもまだ使えそうだから家に持って帰るか!


(安川) おい、近藤、中城、起きろ朝だぞ!


安川は近藤と中村を起こして、幽霊が見れなかったガッカリした気分を感じながら帰宅した。
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