黒い薔薇

sakus

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生贄にされるという恐怖

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私は孤独な探検家で、人里離れた山奥にある古い洋館を訪れた。この洋館は、都市伝説で有名な「呪われた家」として知られていた。
私はこの洋館を調査することに決め、何日か前に訪れた。入り口には「立ち入り禁止」という看板があったが、私はこの看板を無視して洋館に入った。

洋館の中には、昔の家具や調度品が残っており、古い時代の雰囲気が漂っていた。しかし、すべてが腐敗し朽ち果てた状態であり、明らかに誰も住んでいないようだった。
私は洋館を探検し、部屋から部屋へと進んでいった。その途中、突然、床が抜け落ち私は地下室に落ちてしまった。
地下室は暗く、薄暗い照明がかろうじて明かりを与えていた。私は周りを見回すと人間の声が聞こえてきたが、その声は女性のもので非常に恐ろしい声だった。
私は不安を感じながら声の方に向かって進んだが、その途中、私は何度も足を踏み外しそうになるが、私は最後まであきらめずに進み続けた。

やがて、私は女性の声が聞こえてくる部屋にたどり着いた。部屋の中には女性の霊がいた。私は恐怖で身を震わせ、彼女を直視できなかった。
その時、女性の霊が私に話しかけてきた。「あなたはこの家に何をしに来たの? 私たちは誰も待っていない」と言った。
私は、この家を調査し、呪いや心霊現象の真相を探るために来たことを彼女に説明した。しかし、彼女は私を見つめ、何も言わずに消えてしまった。

私はすぐに洋館から脱出しようと決めた。しかし、出口にたどり着いた瞬間、扉が閉まってしまい私は閉じ込められてしまった。
私は暗闇の中で必死に扉を開けようとしたが、どうしても開かなかった。その時、部屋の中で何かが動き出した。私は怯えながら周りを見回し、何かが私に近づいてきていることに気づいた。
それは先ほど会った女性の霊だった。彼女は私に近づいてきて私の耳元で囁いた。「あなたがこの家に入ってきたことで、私たちは自由になった。あなたを生贄にして、私たちはこの家に封印されたままでいられる。」

私は恐怖で震え上がり、絶望感に襲われた。この家に閉じ込められ、自分が生贄にされるという恐怖に耐えられなかった。
その時、私は壁に掛かっていた何かに気が付いた。それは、昔の家族の肖像画だった。私は思い切って肖像画を壁から取り外し、周りを見回した。
すると、肖像画の裏には、この家を呪いで封印した家族の儀式の詳細が書かれていた。私は儀式を解く方法を発見したのだ。

私は儀式を解くために必要なものを探し、家の奥深くにある秘密の部屋にたどり着いた。そこには呪いを解くために必要な品々が置かれていた。
それらの品々を集め、儀式を始まると、部屋の中に強い風が吹き、部屋中が光に満ちた。そして扉が開き、私は無事に脱出することができた。

家を脱出した後、私はその場に座り込み、恐怖と疲れで体が震えていた。しかし、儀式を解いたことで、この家の呪いは解け、この家族が抱えていた怨念も晴れたことが分かった。
私は、この家族が苦しんでいた過去の出来事を思い出した。彼らは、自分たちが所有する土地をめぐって争いを起こし、最終的には呪いで家族全員が死んでしまったのだ。

その後、私はこの家族の物語を調べ、彼らが幸せに暮らしていた頃の写真を見つけた。彼らが争いを起こす前は、幸せな家族であったことが伝わってきた。
私は、この家族が抱えていた悲劇的な過去に対して哀悼の意を表し、彼らが幸せに暮らしていた頃を思い出すために、その家に植えられた木の下に小さな石碑を立てることにした。

その後、私はその場を離れ、この出来事を決して忘れないようにした。この経験は、私にとって一生の思い出となり、このような奇妙な場所には二度と足を踏み入れないことを誓ったのである。
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