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ストーカーのストーカーが出たようだ
昼下がり、街の喫茶店で茶を飲んでいると、俺の元にエルが普通にやって来た。いつもこいつ不意打ち的に来るのにどういうこった?
「……何のようだ?」
「つれないなぁタツヤさん、今日はお願いをしに来ました」
「……聞く気なし」
「聞くだけでもいいじゃないですかぁ」
まぁ聞くだけならいいか、こいつもこんな人の目の多い場所で変な真似はせんだろう。
「聞くだけならOKだ」
「ありがとうございます。実はストーカーの被害に遭っていましてね」
「ごぼほぉっ!」
すげえ話題が出たもんだからコーヒーでむせちまった!
「大丈夫ですか?」
「げはっ! だ、大丈夫! ごはっ! ストーカーって、お前にか?」
「はい、なんだかいつもそばにいる気配がありましてね……さらに愛していますとかそんな手紙もくるんですよ。全くストーカーは迷惑ですね」
「あぁ、俺もそれには強く同意する」
「おまけに油断していると耳元で愛をささやいたり、私のお尻まで触ってくるんですが、後ろをふりかえっても人が居なくて……一方通行の歪んだ愛を押し付けられても迷惑なんですよね」
「あぁ、俺もそれには強く強く同意する!」
「……さっきから私に突き刺す様な目線を向けていますね?」
こいつ、自覚ないのか……もろブーメランだっつうの!
「というわけでタツヤさんに私のボディガードを頼みたいんです」
「帰れ」
なかなかに面白い話だったが、こいつを助けたくはない。自業自得、苦しめば良いんだ。
「へぇ、じゃあこの前の尿道プレイよりもきついことしてもいいですかねぇ?」
「ひぃぃっ!? 嫌なこと思い出させんな!! こちとら数日間おしっこの度に痛かったんだぞ!!」
「じゃあ私を助けてくれますよね?」
これ以上酷いプレイはしたくない。渋々と承諾しよう。
「分かった……報酬はあるか?」
「えっ? 無償でやってくれるものじゃないんですか?」
「誰が無償でこんなことやるか!」
「私を愛していないんですか! それとも私の身体で報酬を払えと言うんですか。うぇぇっ!!」
へっ、嘘泣きにはひっからねえぜ。俺は心を鬼にする。
「ちょっとあの人泣かせているわよ」
「可哀想に、恋人のストーカー被害にのらないなんて最低ね」
えっ、なんで俺が悪い人扱いされているんだ。やめて皆、俺を針で突き刺すような目線はやめて!
「分かった! ストーカーとやらからお前を守る! ついでに俺が成敗してやるよ!」
「さすがタツヤさん!」
くそっ、結局はこいつの言いなりか……。
というわけで俺とエルは街中で買い物中だ。しかも互いに手を繋いだ状態だ。
「なんでお前と手を繋ぐんだ。これじゃあ恋人同士じゃねえか」
「それが狙いです。ストーカーにいちゃいちゃしているところを見せ付ければ自然とあきらめるでしょう! まぁ悪質なストーカーの場合ですと、下手な事をやるとより悪化しますがね」
「そうだな、俺もそれには強く同意する」
ざくっ
突然俺の背中に痛みが走った。何か斬られたような感じの痛みだ。
「あつっ! 誰だ!」
俺が振り返ると誰も居ない。どういうことだ?
「タツヤさん、背中から血が出ている! これ、ナイフで刺された跡ですよ!」
「お前じゃないだろうな?」
「酷いですね! 私はタツヤさんと手を繋いでいるんですよ! この状態でこっそりとナイフで刺すなんて難しいですよ!!」
言われてみればそうだ、じゃあ一体誰が……。
「もしやストーカーか?」
「ですね、恐らくこれは警告です。さっさとエルからひかなければ命はないぞと! いやぁ、なんかストーカーの気持ちがよく分かりますね!」
「おうおう、そりゃあよく分かるだろうな。って! お前のために俺はナイフで刺されたのかい! もう俺はこんな役目ゴメンだ! 殺されてたまるか!」
エルが後ろから止める声がするが、俺は走って路地裏へと逃げていった。いつしかエルの姿は見えなくなったが、あいつのことだからすぐに俺の居場所を突き止めるだろう。
ざくっ
「ぐわぁっ!」
また背中をナイフで刺された! くそっ! エルから離れても俺を攻撃する気か! 周りを見回しても姿が見えない!
「おいストーカー! おれはエルは大嫌いだ! あいつが勝手につきまとっているだけだ! 分かったらこれ以上俺に何もするな! 迷惑だ!」
返事がない。相手の反応は分からない以上うかつに動けない。
「おいストーカー! もしお前がエルが好きなら協力してやる! あいつとくっつけるように尽力するぜ!」
「それは本当か?」
おっ、ようやくお返事がきたか。よしよし。
「だから姿を見せてくれ! もしお前とエルがくっついたら、背中を二回刺したことは水に流す!」
ぐにょぉん
影から人が現れ出てきた。恐らく格好を見るからに盗賊の男、そして俺よりもやや小柄で身軽そうな体格だ。顔つきを見ると俺よりも若そうだ。
「すまなかった。治療薬だ」
奴は傷を治す薬を俺に投げ渡した。
「おれはタツヤ、あんたの名前は?」
「ルキリだ」
「ルキリ、そうだなまず、なんでエルのこと好きになったんだ?」
ルキリが顔を赤らめてもじもじとした。まるで乙女のような反応だ。
「一目惚れだ! 俺は男が好きってわけじゃないが、あの人だけは特別だ!」
「えっ? 趣味悪いぞお前」
「趣味が悪いだとっ! 貴様! よくもまあそんな事言えるな!」
「だってあいつは俺をストーカーしているんだぜ! 俺がどこまでいっても追いかけてくるし、陰毛や精液まで食わせられたし、レイプ同然のプレイもしてくるし! そんな奴を愛しているなって趣味が悪い以外のなんでもねえよ!!」
「へぇ、そういう事言うんですねぇ」
凄まじいプレッシャーを感じる。エルがいつのまにか俺達のそばにいた。なんか余計なこと喋った瞬間一気にあいつがきれそうだ。
「ど、どのへんからお話を聞いていたんで……」
「タツヤさんが二回目のナイフを刺された辺りからです」
はじめから聞いているんじゃねえか!!
「さて、タツヤさんには酷い目にあって貰わないといけませんね」
どこからかエルは大きな両手剣を取り出した。やばい、あいつなら俺の手足をあの両手剣で切り取ってだるまプレイとかやりかねないぞ!!
「素晴らしい。あの迫力、素敵な方だ……」
おい、ルキリ、お前目が腐ってんのか?
「あははは! タツヤさん! ちょっと動けないように脚を少しコンパクトにしますね!!」
しゅぱぁん
俺は咄嗟によけて、近くにあった樽に両手剣の刃が命中した。見事に樽は綺麗に真っ二つになった。
「まじかよ……」
全力で逃げなければあいつに酷い目にあわされる。すぐに逃げよう。
ざしゅ
「あいだっ!」
背中を襲った痛みと同様のものが脚にきた。ルキリめ、またやりやがったな!
「ふふふ、お前が亡き者になれば、エルさんは僕のものだ!」
「寝返ったなちくしょう!」
脚が痛くて走れねえ。エルが距離をつめてくる。こうなったら土下座してでもエルの機嫌を良くするんだ!
「タツヤさんに傷をつける奴は殺す」
しゅぱぁん
エルの両刀がルキリを襲った。しかし、瞬時にルキリは消えた。というよりは影に潜り込んだのだ。
「なるほど、影に潜り込む能力を持っているか。すると今までエルの背中の影に隠れながら色々と悪事を働いていたんだな」
「ご名答。しかしここの路地裏は建物の影が多い。僕の隠れる範囲は広い。どこからでも飛び出すことは可能さ!」
まいったな。ギブアップできんもんかな。
「タツヤさんを守るためなら、それなりの事はできますが、この状況だと、対応がとてもしづらいです!」
流石にルキリも手が出しづらいのか、攻撃をなかなか仕掛けてこない。しかし油断するとまた俺がやられてしまう。
「エルさん、僕の物になると誓って下さい! そうすれば彼に手出しはしません!」
「断ります!」
ざしゅ
「ぐわっ!」
またも俺にナイフが襲いかかってきた。しかし瞬間的すぎてエルも瞬時に対応できなかった。くそっ、エルがうんというわけないし、俺はこのまま出血死するまでナイフ地獄を味わうのか! せめて攻撃する場所を絞れれば……いけるかもしれねえ!
「エル! ちょっとスケベするぞ!」
すぱぁ
俺は手持ちのナイフでエルのズボンだけを斬り、下半身すっぽんぽんの状態にした。
「なっ、何をするんですか!!」
がしっ
俺はエルの尻に伸びた手を掴んだ。
「かかったな! スケベ小僧!」
俺が手を引っ張るとルキリが影から引きずり出された。
「しまった!」
「エルから聞いたぜ。尻を触っていたんだってな。もし、エルが尻を丸出しするような事があれば、脊髄反射的に尻を触りに手を出すと思った! 手が出るところさえ予想できればお前の能力攻略は大したことはねえ!」
がきぃん
俺はルキリの股間に強烈な蹴りを入れてやった。ルキリは声にならない悲鳴をあげて苦しんでいる。
「俺は優しいからナイフで刺した分はこれでちゃらだ。あとはエルにそいつの処分任せる」
エルはルキリに歩み寄ってきた。
「今の私はあなた憎しの感情だけで動き、強くありません。私にできるせめてものおかえしはこの程度です」
ぐりぐり
うわぁ、俺が蹴ったばかりの金的に足で体重をのっけてやがる。鬼畜なことしやがるぜ。
「あぁ、痛いけど幸せです。もっと踏んでください!」
ぞわぁ
あれ、エルが踏みつけをやめて後ずさりしている。もしかしてエルどん引きしているのか?
「あなたのタツヤに対する狂気的で暴力的な愛。それを僕に向けて欲しいのです! さぁ僕をもっと踏みつけて! その両手剣で切り刻んでください!」
「わ、私はこの人苦手です!!」
エルが俺の背中に隠れちゃった。まさかエルの天敵になっちまうとは、ルキリ、将来期待できるぞ。
「おい、今度は普通に俺達と接してくれ。お前がエルが好きなら遠慮なく正面からアタックしてこい。俺も応援してやる。そのかわりストーカーとか危ない事してきたら、これ以上の酷い目にあわせるからな!」
「うぅ、エルさん、愛しています……」
そう言ってルキリは影の中へと沈んで消えていった。これで一件落着だな。
がしっ
俺の肩にえらい握力かかっているなぁ。つうか痛いぞ。
「私のお尻はタツヤさんだけのものです。人様に見せていいものではありませんよ! それに応援するとかどういう事ですか! それに私が姿を現すまで好き放題言ってくれましたね!」
「い、いや、それは、俺が助かるためにだな……お前だって俺を愛しているし、俺が助かるのは万々歳だろ?」
「そうですね、ではその愛とやらを確認させて貰いましょうか!」
俺はエルに抱えられ連れ去られた。多分危ない場所へ行く感じだろう。ルキリにナイフで切り刻まれてまともに動けない状態なので抵抗しようがなかった。
「……何のようだ?」
「つれないなぁタツヤさん、今日はお願いをしに来ました」
「……聞く気なし」
「聞くだけでもいいじゃないですかぁ」
まぁ聞くだけならいいか、こいつもこんな人の目の多い場所で変な真似はせんだろう。
「聞くだけならOKだ」
「ありがとうございます。実はストーカーの被害に遭っていましてね」
「ごぼほぉっ!」
すげえ話題が出たもんだからコーヒーでむせちまった!
「大丈夫ですか?」
「げはっ! だ、大丈夫! ごはっ! ストーカーって、お前にか?」
「はい、なんだかいつもそばにいる気配がありましてね……さらに愛していますとかそんな手紙もくるんですよ。全くストーカーは迷惑ですね」
「あぁ、俺もそれには強く同意する」
「おまけに油断していると耳元で愛をささやいたり、私のお尻まで触ってくるんですが、後ろをふりかえっても人が居なくて……一方通行の歪んだ愛を押し付けられても迷惑なんですよね」
「あぁ、俺もそれには強く強く同意する!」
「……さっきから私に突き刺す様な目線を向けていますね?」
こいつ、自覚ないのか……もろブーメランだっつうの!
「というわけでタツヤさんに私のボディガードを頼みたいんです」
「帰れ」
なかなかに面白い話だったが、こいつを助けたくはない。自業自得、苦しめば良いんだ。
「へぇ、じゃあこの前の尿道プレイよりもきついことしてもいいですかねぇ?」
「ひぃぃっ!? 嫌なこと思い出させんな!! こちとら数日間おしっこの度に痛かったんだぞ!!」
「じゃあ私を助けてくれますよね?」
これ以上酷いプレイはしたくない。渋々と承諾しよう。
「分かった……報酬はあるか?」
「えっ? 無償でやってくれるものじゃないんですか?」
「誰が無償でこんなことやるか!」
「私を愛していないんですか! それとも私の身体で報酬を払えと言うんですか。うぇぇっ!!」
へっ、嘘泣きにはひっからねえぜ。俺は心を鬼にする。
「ちょっとあの人泣かせているわよ」
「可哀想に、恋人のストーカー被害にのらないなんて最低ね」
えっ、なんで俺が悪い人扱いされているんだ。やめて皆、俺を針で突き刺すような目線はやめて!
「分かった! ストーカーとやらからお前を守る! ついでに俺が成敗してやるよ!」
「さすがタツヤさん!」
くそっ、結局はこいつの言いなりか……。
というわけで俺とエルは街中で買い物中だ。しかも互いに手を繋いだ状態だ。
「なんでお前と手を繋ぐんだ。これじゃあ恋人同士じゃねえか」
「それが狙いです。ストーカーにいちゃいちゃしているところを見せ付ければ自然とあきらめるでしょう! まぁ悪質なストーカーの場合ですと、下手な事をやるとより悪化しますがね」
「そうだな、俺もそれには強く同意する」
ざくっ
突然俺の背中に痛みが走った。何か斬られたような感じの痛みだ。
「あつっ! 誰だ!」
俺が振り返ると誰も居ない。どういうことだ?
「タツヤさん、背中から血が出ている! これ、ナイフで刺された跡ですよ!」
「お前じゃないだろうな?」
「酷いですね! 私はタツヤさんと手を繋いでいるんですよ! この状態でこっそりとナイフで刺すなんて難しいですよ!!」
言われてみればそうだ、じゃあ一体誰が……。
「もしやストーカーか?」
「ですね、恐らくこれは警告です。さっさとエルからひかなければ命はないぞと! いやぁ、なんかストーカーの気持ちがよく分かりますね!」
「おうおう、そりゃあよく分かるだろうな。って! お前のために俺はナイフで刺されたのかい! もう俺はこんな役目ゴメンだ! 殺されてたまるか!」
エルが後ろから止める声がするが、俺は走って路地裏へと逃げていった。いつしかエルの姿は見えなくなったが、あいつのことだからすぐに俺の居場所を突き止めるだろう。
ざくっ
「ぐわぁっ!」
また背中をナイフで刺された! くそっ! エルから離れても俺を攻撃する気か! 周りを見回しても姿が見えない!
「おいストーカー! おれはエルは大嫌いだ! あいつが勝手につきまとっているだけだ! 分かったらこれ以上俺に何もするな! 迷惑だ!」
返事がない。相手の反応は分からない以上うかつに動けない。
「おいストーカー! もしお前がエルが好きなら協力してやる! あいつとくっつけるように尽力するぜ!」
「それは本当か?」
おっ、ようやくお返事がきたか。よしよし。
「だから姿を見せてくれ! もしお前とエルがくっついたら、背中を二回刺したことは水に流す!」
ぐにょぉん
影から人が現れ出てきた。恐らく格好を見るからに盗賊の男、そして俺よりもやや小柄で身軽そうな体格だ。顔つきを見ると俺よりも若そうだ。
「すまなかった。治療薬だ」
奴は傷を治す薬を俺に投げ渡した。
「おれはタツヤ、あんたの名前は?」
「ルキリだ」
「ルキリ、そうだなまず、なんでエルのこと好きになったんだ?」
ルキリが顔を赤らめてもじもじとした。まるで乙女のような反応だ。
「一目惚れだ! 俺は男が好きってわけじゃないが、あの人だけは特別だ!」
「えっ? 趣味悪いぞお前」
「趣味が悪いだとっ! 貴様! よくもまあそんな事言えるな!」
「だってあいつは俺をストーカーしているんだぜ! 俺がどこまでいっても追いかけてくるし、陰毛や精液まで食わせられたし、レイプ同然のプレイもしてくるし! そんな奴を愛しているなって趣味が悪い以外のなんでもねえよ!!」
「へぇ、そういう事言うんですねぇ」
凄まじいプレッシャーを感じる。エルがいつのまにか俺達のそばにいた。なんか余計なこと喋った瞬間一気にあいつがきれそうだ。
「ど、どのへんからお話を聞いていたんで……」
「タツヤさんが二回目のナイフを刺された辺りからです」
はじめから聞いているんじゃねえか!!
「さて、タツヤさんには酷い目にあって貰わないといけませんね」
どこからかエルは大きな両手剣を取り出した。やばい、あいつなら俺の手足をあの両手剣で切り取ってだるまプレイとかやりかねないぞ!!
「素晴らしい。あの迫力、素敵な方だ……」
おい、ルキリ、お前目が腐ってんのか?
「あははは! タツヤさん! ちょっと動けないように脚を少しコンパクトにしますね!!」
しゅぱぁん
俺は咄嗟によけて、近くにあった樽に両手剣の刃が命中した。見事に樽は綺麗に真っ二つになった。
「まじかよ……」
全力で逃げなければあいつに酷い目にあわされる。すぐに逃げよう。
ざしゅ
「あいだっ!」
背中を襲った痛みと同様のものが脚にきた。ルキリめ、またやりやがったな!
「ふふふ、お前が亡き者になれば、エルさんは僕のものだ!」
「寝返ったなちくしょう!」
脚が痛くて走れねえ。エルが距離をつめてくる。こうなったら土下座してでもエルの機嫌を良くするんだ!
「タツヤさんに傷をつける奴は殺す」
しゅぱぁん
エルの両刀がルキリを襲った。しかし、瞬時にルキリは消えた。というよりは影に潜り込んだのだ。
「なるほど、影に潜り込む能力を持っているか。すると今までエルの背中の影に隠れながら色々と悪事を働いていたんだな」
「ご名答。しかしここの路地裏は建物の影が多い。僕の隠れる範囲は広い。どこからでも飛び出すことは可能さ!」
まいったな。ギブアップできんもんかな。
「タツヤさんを守るためなら、それなりの事はできますが、この状況だと、対応がとてもしづらいです!」
流石にルキリも手が出しづらいのか、攻撃をなかなか仕掛けてこない。しかし油断するとまた俺がやられてしまう。
「エルさん、僕の物になると誓って下さい! そうすれば彼に手出しはしません!」
「断ります!」
ざしゅ
「ぐわっ!」
またも俺にナイフが襲いかかってきた。しかし瞬間的すぎてエルも瞬時に対応できなかった。くそっ、エルがうんというわけないし、俺はこのまま出血死するまでナイフ地獄を味わうのか! せめて攻撃する場所を絞れれば……いけるかもしれねえ!
「エル! ちょっとスケベするぞ!」
すぱぁ
俺は手持ちのナイフでエルのズボンだけを斬り、下半身すっぽんぽんの状態にした。
「なっ、何をするんですか!!」
がしっ
俺はエルの尻に伸びた手を掴んだ。
「かかったな! スケベ小僧!」
俺が手を引っ張るとルキリが影から引きずり出された。
「しまった!」
「エルから聞いたぜ。尻を触っていたんだってな。もし、エルが尻を丸出しするような事があれば、脊髄反射的に尻を触りに手を出すと思った! 手が出るところさえ予想できればお前の能力攻略は大したことはねえ!」
がきぃん
俺はルキリの股間に強烈な蹴りを入れてやった。ルキリは声にならない悲鳴をあげて苦しんでいる。
「俺は優しいからナイフで刺した分はこれでちゃらだ。あとはエルにそいつの処分任せる」
エルはルキリに歩み寄ってきた。
「今の私はあなた憎しの感情だけで動き、強くありません。私にできるせめてものおかえしはこの程度です」
ぐりぐり
うわぁ、俺が蹴ったばかりの金的に足で体重をのっけてやがる。鬼畜なことしやがるぜ。
「あぁ、痛いけど幸せです。もっと踏んでください!」
ぞわぁ
あれ、エルが踏みつけをやめて後ずさりしている。もしかしてエルどん引きしているのか?
「あなたのタツヤに対する狂気的で暴力的な愛。それを僕に向けて欲しいのです! さぁ僕をもっと踏みつけて! その両手剣で切り刻んでください!」
「わ、私はこの人苦手です!!」
エルが俺の背中に隠れちゃった。まさかエルの天敵になっちまうとは、ルキリ、将来期待できるぞ。
「おい、今度は普通に俺達と接してくれ。お前がエルが好きなら遠慮なく正面からアタックしてこい。俺も応援してやる。そのかわりストーカーとか危ない事してきたら、これ以上の酷い目にあわせるからな!」
「うぅ、エルさん、愛しています……」
そう言ってルキリは影の中へと沈んで消えていった。これで一件落着だな。
がしっ
俺の肩にえらい握力かかっているなぁ。つうか痛いぞ。
「私のお尻はタツヤさんだけのものです。人様に見せていいものではありませんよ! それに応援するとかどういう事ですか! それに私が姿を現すまで好き放題言ってくれましたね!」
「い、いや、それは、俺が助かるためにだな……お前だって俺を愛しているし、俺が助かるのは万々歳だろ?」
「そうですね、ではその愛とやらを確認させて貰いましょうか!」
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