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BL 先生×生徒 (1)
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高校の下見に来た冬休みの日から、緑川昴は心のときめきが、今も収まらずにいた。
新しい場所という心躍る期待というのもあったが、昴はそれ以上に楽しみなものがある。
一目惚れをしたあの先生に、ずっと想いを引きずったまま、今日に至る。
キーンコーンカーンコーン
ホームルームを開始するチャイムの音が響く。
「はい皆席に着け~!出席確認するぞー」
扉をガラガラと、音を立てて教室内へと入ってきたのはこのクラスの教諭だ。
外見は、二十代だろうか。少し癖っ毛が混じった髪に、黒メガネをかけて欠伸をして教室へと入ってきた教諭だ。
ぞろぞろと、新たに出来た友人や、旧友の元へと話をしに行ってたクラスメイトが各々の席に着席する。
一方の昴はこの学校に来た理由と言えば、今目の前にいる先生に想いを伝える為にこの学校を進学したので、小学校、中学校からの友人とは疎遠になってしまった。
なので未だ昴は友人と呼べる友はおらず、クラスメイトが友人達に話かけに行っているのを横目に、一人そわそわと担任の教諭がここにいるのを待ち遠しく思っていた。
そして、今この時、このクラスの担任でもある、中西智先生が来たことに、喜びと歓喜に満ちている。
昴の席は、智先生を間近で見る事が出来る、真ん中の列の一番先頭に位置している。
故にここから見る智先生のアングルは、自分の中では最も好きな定位だ。
「えーっと、じゃあ出席確認するぞ」
智教諭が、出席確認を開始し、各々の名を言い、ついに昴の名を呼ぶ。
「…、緑川晃」
「は、はいっ!」
先生が目を合わせた。
他の生徒には名前を呼ぶだけでもあるにも関わらず、昴の目をじっと見つめている。
「ホームルームが終わり次第生徒指導室に来るように、との伝言を預かったぞ」
「へぇあ?」
思いがけない智先生からの発言に、周りからの視線を多いに感じたが、口から素っ頓狂な声が漏れた。
「で、伝言って、何方から預かったのですか?」
「さぁ?分からないが、俺と後で一緒に行くぞ」
「せ、先生も一緒にですか?!」
先生と一緒に生徒指導室へと向かう事が出来ると聞いて、思わずその場で机に手をついて立ち上がってしまう。周りから聞こえるヒソヒソ声は耳に入らず、心の中ではガッツポーズをとっていた。
「あぁ。だから、ついて来いよ」
「~っ!!はいっ!」
返事をし、着席する。
この間も智先生との目はずっと合ったままだ。勿論、先生が目を合わせてくれたのが嬉しいってのもあるが、何より先生と二人っきりで生徒指導室へと迎える事が嬉しさを増す。
だが、一つ疑問に思った事がある。
伝言を預かった、というのは一体誰からなのだろうか。先生も知らない。というのが気にかかる。
こうして考えを巡らせる中、先生は次々と他の生徒の出席を確認してた。そしていつの間にやら全員の出席確認が終了して、智先生が昴に声をかけた。
「んじゃ緑川、行くぞ」
「え?あっ、はい!」
「んじゃ一時間目の道徳は自主学習って事で宜しく」
智先生が黒板に『自主学習』と書くと、生徒達は歓喜の声を上げている。
智先生が教室を出ようとして行くのを急いで後を追う。
新しい場所という心躍る期待というのもあったが、昴はそれ以上に楽しみなものがある。
一目惚れをしたあの先生に、ずっと想いを引きずったまま、今日に至る。
キーンコーンカーンコーン
ホームルームを開始するチャイムの音が響く。
「はい皆席に着け~!出席確認するぞー」
扉をガラガラと、音を立てて教室内へと入ってきたのはこのクラスの教諭だ。
外見は、二十代だろうか。少し癖っ毛が混じった髪に、黒メガネをかけて欠伸をして教室へと入ってきた教諭だ。
ぞろぞろと、新たに出来た友人や、旧友の元へと話をしに行ってたクラスメイトが各々の席に着席する。
一方の昴はこの学校に来た理由と言えば、今目の前にいる先生に想いを伝える為にこの学校を進学したので、小学校、中学校からの友人とは疎遠になってしまった。
なので未だ昴は友人と呼べる友はおらず、クラスメイトが友人達に話かけに行っているのを横目に、一人そわそわと担任の教諭がここにいるのを待ち遠しく思っていた。
そして、今この時、このクラスの担任でもある、中西智先生が来たことに、喜びと歓喜に満ちている。
昴の席は、智先生を間近で見る事が出来る、真ん中の列の一番先頭に位置している。
故にここから見る智先生のアングルは、自分の中では最も好きな定位だ。
「えーっと、じゃあ出席確認するぞ」
智教諭が、出席確認を開始し、各々の名を言い、ついに昴の名を呼ぶ。
「…、緑川晃」
「は、はいっ!」
先生が目を合わせた。
他の生徒には名前を呼ぶだけでもあるにも関わらず、昴の目をじっと見つめている。
「ホームルームが終わり次第生徒指導室に来るように、との伝言を預かったぞ」
「へぇあ?」
思いがけない智先生からの発言に、周りからの視線を多いに感じたが、口から素っ頓狂な声が漏れた。
「で、伝言って、何方から預かったのですか?」
「さぁ?分からないが、俺と後で一緒に行くぞ」
「せ、先生も一緒にですか?!」
先生と一緒に生徒指導室へと向かう事が出来ると聞いて、思わずその場で机に手をついて立ち上がってしまう。周りから聞こえるヒソヒソ声は耳に入らず、心の中ではガッツポーズをとっていた。
「あぁ。だから、ついて来いよ」
「~っ!!はいっ!」
返事をし、着席する。
この間も智先生との目はずっと合ったままだ。勿論、先生が目を合わせてくれたのが嬉しいってのもあるが、何より先生と二人っきりで生徒指導室へと迎える事が嬉しさを増す。
だが、一つ疑問に思った事がある。
伝言を預かった、というのは一体誰からなのだろうか。先生も知らない。というのが気にかかる。
こうして考えを巡らせる中、先生は次々と他の生徒の出席を確認してた。そしていつの間にやら全員の出席確認が終了して、智先生が昴に声をかけた。
「んじゃ緑川、行くぞ」
「え?あっ、はい!」
「んじゃ一時間目の道徳は自主学習って事で宜しく」
智先生が黒板に『自主学習』と書くと、生徒達は歓喜の声を上げている。
智先生が教室を出ようとして行くのを急いで後を追う。
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