異世界転生したらαでした

西楓

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ルークの変化

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それから学校を休み、兄の側にずっといた。
あの話題に触れてこない兄の優しさに触れ、心が癒えていくのを感じた。
身体の痕跡も薄れてきてあの出来事が現実ではない夢の中の出来事のように思えてきた。

「おはよう、ルーク。風邪治ったのか?よかったな」
「おはよう、ハロルド。もう治ったよ」
久しぶりの学園だがクラスメイトは変わらずガヤガヤしているのがちょっと嬉しい。
思わずはにかむと、ハロルドがギョッとした顔をした。

「ど…どうしたんだよ、ルーク。番でもみつけたか?(なっ何だ…この迫り来る色気は)」
「突然、何だよ。女の子はみんな素敵だなと思うけど、まだ番いたいと思う子には出会えてないかな」

フィンレイを思いだすと、もの淋しくて瞼を伏せる。
ルークが大人びた物憂げな表情は、爽やかな少年らしさの中に漂う危うげな色気と儚さは見るものの情欲を掻き立てるものだった。








αとしても順調に育っているルークは同年代の中でも既に大きい方で、将来立派な体格に恵まれることを容易に想像させた。
向かうところ敵なしの筆頭公爵家。
次男といえどもほっておくわけがなく、もともと同年代の女の子からのお誘いなどはあった。お誘いといっても数人でのお茶会などかわいらしいものであった。

ただ、10歳といえ色気立ってきたルークの姿に、目敏い上級生は気づいてきており、中には強引な手段を使う者も出てきた。
ベタベタと触ってきたり腰に手を回してきたり、既成事実から入ろうとする強者な女の子もいた。

追い回されて、逃げ疲れた疲労困憊のルークに、ハロルドは早く特定のお相手を作ったらいいんじゃないかとアドバイスをくれる。
フィンレイのことが真っ先に頭に浮かんだが、頭を激しく振ってその考えを追い払った。
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